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アップロード、ヒトミさんの場合(0)
プロローグ
閉塞感の漂う時代、たくさんのヒトミさんたちが、片目を瞑って生きています。
先人たちの言うように、両目を開いて伴侶を探し、片目を瞑って伴侶と暮らし、なんとかなると思っていたはずなのに、なぜだか心が壊れてゆくのです。
先人たちに、可哀想だと思える間は我慢しろと教わって、同情は愛情と同義語なのかと考えたり、いつかは変わるのではないかと期待したり、優しいところもあるからと思い直したり、自分も大した人間ではないのだからと諦めたり。
そんな風に過ごすうち、ヒトミさんたちの心から、大切な何かが失われてゆくのです。
もしかしたら、大切なのは愛ではなく、希望なのではないかと気づいたとき、ヒトミさんは逃げ出します。
逃げるだけでは解決しないのかもしれないけれど、とりあえず、心を守るために逃げる。もう一度、希望を胸に抱ける日まで、ヒトミさんは逃げ続ける。
本屋へ行き、本を選んで、本を読む。それが出来るのは心に余裕がある人だけだから、本屋へさえも行けないヒトミさんたちへ、ヒトミさんの逃亡記をアップロード。
ある一人のヒトミさん、東京在住52歳主婦。
ノンフィクションのようなフィクション、全22話。第一話無料、第二話以降基本有料、時々無料でお届けします。毎週月曜と金曜、午後9時頃アップ予定です。
誰かの弱った心への処方箋となりますように。
目次
tōsō(逃)編
1、だから西へ逃げようとしたのかもしれない
2、東京駅から新幹線に飛び乗った
3、「迷ったんかあ?」
4、願い事は叶わないと思っていたし
5、何とかなりますよ
6、「厄介な男につかまってしもたんやね」
7、遠回りして二月堂へ向かっている
8、「無理に先へ急ぐことはないんですよ」
9、「お客さん、運がええなあ」
10、「たまには人に甘えなさい」
11、とても幸せだった
12、闇の中に光があった
tōsō(闘)編
13、まだまだ困難が待ち受けている
14、「この町に友達はいるの?」
15、「生活保護を申請しますか?」
16、不信感
17、連帯感
18、需要と供給と昼逃げ
19、月暦をめくり、春が終わる
20、心療内科
21、ヒトミちゃん!
22、ヒトミさんは泣いていない
〇〇〇
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