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緋月 燈
2016年3月24日 03:37
目を閉じたら全て終わってしまう気がしていた5歳のわたし人が生きる仕組みの輪郭をぼんやりと知るようになった息をしていることが当たり前じゃなくなった身体の奥できこえる鼓動が生きてるうれしさになった今よりも大事にできていただろうこの息を吐いたらもう吸えないかもしれない今のどくんで、次のどくんはないかもしれない次なんてないかも続いてけるかなんてわかんない途方もない怖さ
2016年3月18日 04:57
足りない足りない乾いてゆく地面が足りない足りない雨が降らない曇り空の下で虚ろな水琴窟の細やかな聲がないている横たわっても聴こえない清音は体の奥から響くのね言葉を為さないせせらぎが自分の奥に消えてゆくこのおもてを沁み出でて溶かした氷よ零れておいで何が痛みか忘れる前に愛しい想いがしおれる前に愛することを怖れぬ前にあなたに逢いたい 逢いたいのです砂漠
2016年3月13日 18:45
臆病なままでも世界に触れる怖がりな冬を眠ってすごしたくなる時折訪れる春の陽気に少しだけ誘われてもみる一日一日が四季一時一時が季節心が揺れ動くままに雨が降り夜より昏い夕立が降る抜け殻より軽い中身の身体が風に飛ばされても石より重い心が陽射しに安らげなくても一日一日が四季一時一時が季節心が揺れ動くままに夜を思い月の光だけがやさしさになる燈火でありたい何を見失って
2016年3月11日 03:14
自分の足で立つことそれがなければ言葉を紡ぐことすらできないのかもしれないでも それでも心が苦しいままあなたを縛り続ける道を行かなくてもいいきっと守りたいもの大切にしたいものたくさんあって守るために大切にするために苦しくてもなお進む人もいるだろうだからこそ、頑張りすぎないでほしい辛いなら立ち止まって休んだっていいあなたを駆り立てるその衝動があなた以外の思いである
2016年3月8日 23:15
ほんとうになにも見えない時はそこが光か闇かもわからないただただ漂っている波間に揺られ同じ空ばかり続いてゆくようで藻掻くことにも疲れてしまってけれど投げ出しきれない心の泣き言が唇を弱らせるかなしみを遮断した左脳の回路から零れ落ちる涙のひとしずくが裏腹な言葉を結ばせるその奥底で幸せになりたいと叫びながら伸ばした手の行方が光でも闇でも此処がどこかを知りたい飼
2016年3月7日 02:43
春の雨が近づけば空気もやさしくなるようだ雨の帳に包まれて微睡むベッドに横たわるとそっと揺られてゆりかごのよう雨が奏でる旋律にこの身をすべて預けたらたとえ体が冷えたってきっとあたたかいんだと願ってる雨のぬくもりに気づけたならどこか愛しい夜になれるね
2016年3月4日 10:39
平日の午前中たくさんの人が似通った服を着て似たような足取りで同じ道を同じ方向へ歩いてゆく行き先はみんな違うのだろう見えている景色も違うのだろうけれど、これだけ多くの人が同じような営みを日々繰り返すその光景は異様な圧力を持っているように思う疑いもせずに歩き続けるその道には誰のレールが敷かれているのだろう自分一人で織り上げられるものなんてないけれど自分が紡いでゆきたい