圧倒的な道に
平日の午前中
たくさんの人が
似通った服を着て
似たような足取りで
同じ道を同じ方向へ歩いてゆく
行き先はみんな違うのだろう
見えている景色も違うのだろう
けれど、これだけ多くの人が
同じような営みを日々繰り返す
その光景は異様な圧力を持っているように思う
疑いもせずに歩き続けるその道には
誰のレールが敷かれているのだろう
自分一人で織り上げられるものなんてない
けれど自分が紡いでゆきたい軌跡を
視ることくらいはできるだろう
祈りはいつもここにある
圧倒的な鉄格子の額縁に
囚われないことを決めた時から
©2016 緋月 燈
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