あこ

~一生分の恋をしました~ W不倫の結末

あこ

~一生分の恋をしました~ W不倫の結末

記事一覧

42. 夫の努力

夫は、なるべく早く仕事を片付けて、毎日19時頃には帰ってくるようになった。 そんなこと、今まではなかった。 毎晩、子供達と一緒に夕飯を食べる。 これも、めったになか…

あこ
4日前
5

41. 不倫相手のパートナー

そして月曜日。 朝から蓮とホテルにこもった。 やってる時もやってない時も片時も蓮から離れなかった。 蓮とくっついていたいのではなく、ただただ不安だった。 浮気相…

あこ
2か月前
8

40. 3ヵ月ぶりの夫の帰宅

土曜日なので逢うことはできないけど、蓮は都合をつけて外出し電話をくれた。 また、夫と一緒に住むことになったこと。 やっぱり離婚できないかもしれないということ。 …

あこ
2か月前
7

39. 降参

TSUTAYA事件のあった週末のこと。 「ピンポーン」 11時頃インターホンが鳴った。 誰だろとモニターを見に立ち上がった。 え? 1度うつむいて、もう一度よくモニタ…

あこ
3か月前
5

38. はじまり

とりあえず、蓮には車から降りてもらってそのまま帰ってもらった。 運転席に移り電話を握りしめ、強く長く息を吐いた。そしてTSUTAYAを見ながら、夫に電話をかけた。 ……

あこ
3か月前
5

37. W不倫のルール

W不倫のいいところ。 男女差はあるものの、既婚者同士だからこそ分かりあえることがたくさんあって。 だから、お互いに都合が良くて、 日常のめんどくさい事は一切抜きで…

あこ
11か月前
9

36. 私にはできない。

さらに、1ヶ月ほどたった。 その日は、蓮は半休。 朝からふたりでホテルにいた。 その時だ。 珍しく私の電話が鳴った。 夫だ…。 しばらく携帯を眺めていたが、今は無…

あこ
1年前
12

35. 離婚の条件。

そんなこんなで、夫が出ていってからの1ヶ月。 すっかり蓮と遊び呆けていた私。 慣れというのは恐ろしい。 良心の呵責にさえ、慣れてくるようだ。 私は何食わぬ顔で、夫…

あこ
1年前
8

34. 最悪な女。

『ごめん、やっぱ、今日は帰らなあかんわ。嫁、情緒不安定やねんて。』 なんだそれ。 さすがの私もこれにはキレた。 「なんなん?一体。何がしたいの?」 いきなり私の…

あこ
1年前
7

33. 嫁に浮気がばれた日。

ある日のこと。 『あこさん、今日、車出せる?ちょっと行きたいとこがあって…』 頼まれた通り、蓮の職場まで迎えに行った。 その夜は、私の車に乗り込んできた時から …

あこ
1年前
6

32. 偽装工作。

離婚話のこと。 友人よりも誰よりも、1番知られたくない相手は、蓮だった。 だからもちろん、夫が出ていったことも一切口にしなかった。 当然何も知らない蓮は、変わり…

あこ
1年前
3

31. 四面楚歌。

1週間ほど、夫からは何の連絡もなかった。 気になりながらも、少しは準備を始めなきゃ。 まずは習い事。 お迎え時に、今月いっぱいで辞めたいと申請。 「理由は?」 …

あこ
1年前
4

30. 「離婚してください。」

決して、夫との結婚生活すべてが苦痛だったわけではない。 夫が大好きで大好きで仕方ない時もあったし、だれよりも、夫のいいところを知ってるのは私。 なのに、出逢いか…

あこ
1年前
3

29. 変われなかったのは私。

2ヵ月ほどかけて、一通り検査をしてもらった。 特に大きな問題はなく、1番シンプルな方法。タイミング法で、私はすぐに妊娠した。 よし。 夫も義両親もとても喜んでくれ…

あこ
1年前
5

28.それでも前へ。

彼が亡くなって半年ほどすぎた頃、一駅向こうに自社ビルが完成した。 1年ほど前から建設にはいっていたもの。もちろん引っ越しは業者さんだが、私達も連日手伝って、無事…

あこ
1年前
4

27.何かの間違いだよね?

坂口君と電話で話したのは金曜日の夜のこと。 私は、土日は休みだった。 日曜日の朝。 9時頃、家の電話がなった。 夫も日曜は休みだったので、まだ、ふたりともベッド…

あこ
1年前
3
42. 夫の努力

42. 夫の努力

夫は、なるべく早く仕事を片付けて、毎日19時頃には帰ってくるようになった。
そんなこと、今まではなかった。

毎晩、子供達と一緒に夕飯を食べる。
これも、めったになかった。

夫的には、なるべく家族一緒に。そして家の事も手伝って、、とでも思ってるのだろう。

しかし、今までずーっとほったらかしだったのに、今更構われると逆にそれは私にとって最大のストレスになった。

ホント、今更だよ…。
それにそも

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41. 不倫相手のパートナー

41. 不倫相手のパートナー

そして月曜日。

朝から蓮とホテルにこもった。

やってる時もやってない時も片時も蓮から離れなかった。

蓮とくっついていたいのではなく、ただただ不安だった。

浮気相手としては、最悪な感じになってきてる私。

離婚するとかしないとか、自分でも重いしめんどくさいと思う。

「私のこと好き?」

『もちろん』

「どこが好きなの?」

あーぁ、まさか、自分がこんなバカなこと聞く女になるとは…。

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40. 3ヵ月ぶりの夫の帰宅

40. 3ヵ月ぶりの夫の帰宅

土曜日なので逢うことはできないけど、蓮は都合をつけて外出し電話をくれた。

また、夫と一緒に住むことになったこと。
やっぱり離婚できないかもしれないということ。

それを聞いた蓮は『よかった』と言った。
最近少し痩せてきたし、顔色も悪いから心配してたと。

『これでいいんだよ』って言われた。
子供達の為にも私の為にも離婚はしない方がいいと。

私は、黙ってそれを聞いていた。

私が返事をしないこと

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39. 降参

39. 降参

TSUTAYA事件のあった週末のこと。

「ピンポーン」

11時頃インターホンが鳴った。

誰だろとモニターを見に立ち上がった。

え?

1度うつむいて、もう一度よくモニターを見た。

なんで?

どんなに目を凝らして見ても、間違いなくそこに写っていたのは私の母親だった。

『あこちゃん、開けて。お母さん。』

まって、なんで急に?

私の母親は夫家族を嫌っていたので、この家には

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38. はじまり

38. はじまり

とりあえず、蓮には車から降りてもらってそのまま帰ってもらった。

運転席に移り電話を握りしめ、強く長く息を吐いた。そしてTSUTAYAを見ながら、夫に電話をかけた。

……。

あれ、出ない。

再び、心臓がバクバクし始めた。

最悪の結果しか思い浮かばないんだけど。

自宅まで車で15分ほど。
このまま帰るか、どうしようか。

いずれにしろ、ある程度は覚悟なり心構えなりがあった方がいい。だから、

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37. W不倫のルール

37. W不倫のルール

W不倫のいいところ。

男女差はあるものの、既婚者同士だからこそ分かりあえることがたくさんあって。

だから、お互いに都合が良くて、 日常のめんどくさい事は一切抜きで、男と女に戻れる。
擬似恋愛を楽める。

それが、私がまだ独身で、相手が既婚者の不倫の時には分からなかった感情。 
だって自分が独身だと、決してそれは、疑似じゃなく本気で恋だったから。

不倫は非日常。
帰宅したら日常。

私も最初は

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36. 私にはできない。

36. 私にはできない。

さらに、1ヶ月ほどたった。

その日は、蓮は半休。
朝からふたりでホテルにいた。

その時だ。

珍しく私の電話が鳴った。

夫だ…。

しばらく携帯を眺めていたが、今は無視できない。
仕方なく、人差し指を口の前に立てて、蓮の顔を見ながら電話に出た。

内容は忘れたが、その時の私の受け答えで、蓮に私が離婚しようとしてることがバレた。

『あこさん、どういうこと?なんで?
まさか、オレのせい?』

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35. 離婚の条件。

35. 離婚の条件。

そんなこんなで、夫が出ていってからの1ヶ月。
すっかり蓮と遊び呆けていた私。

慣れというのは恐ろしい。
良心の呵責にさえ、慣れてくるようだ。

私は何食わぬ顔で、夫が出ていったことに安心して、どんどん罪を重ねていった。

『離婚してほしい』と夫に言えたことで満足してしまっていた。
『離婚したい』と、単に気持ちを伝えただけで、全く行動が伴っていなかった。

というか、実のところ、どうしたらいいのか

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34. 最悪な女。

34. 最悪な女。

『ごめん、やっぱ、今日は帰らなあかんわ。嫁、情緒不安定やねんて。』

なんだそれ。

さすがの私もこれにはキレた。

「なんなん?一体。何がしたいの?」

いきなり私の口調が豹変したことに驚く蓮。

「ほんなら最初からまっすぐ家帰ればよかったやん。何しに来たん?私は一体なんなん?

元カノやら嫁やら、私には一切関係ないよね?

お互いの家庭には口を挟まない約束で付き合ってるんだよね?

お互いいろ

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33. 嫁に浮気がばれた日。

33. 嫁に浮気がばれた日。

ある日のこと。

『あこさん、今日、車出せる?ちょっと行きたいとこがあって…』

頼まれた通り、蓮の職場まで迎えに行った。

その夜は、私の車に乗り込んできた時から

蓮の様子はおかしかった。

『これかけていい?』と、スピッツのCDを渡された。

初期の頃の古いアルバム。

「ねぇ、どこ行くの?」

いままで、通ったことがない道を進んでる。

『この道…今まで避けててん。わざと、通らないようにし

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32. 偽装工作。

32. 偽装工作。

離婚話のこと。

友人よりも誰よりも、1番知られたくない相手は、蓮だった。

だからもちろん、夫が出ていったことも一切口にしなかった。

当然何も知らない蓮は、変わりなく仕事帰りに私に会いに来た。

月、火、木、金 週4日。

彼が半休や休みの日で、昼間逢ったとしても、夜も、必ず帰宅前に私に会いに来た。

「奥さん、何も言わないの?」って聞くと、

私と付き合うまでも、まっすぐ家に帰ることはしなか

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31. 四面楚歌。

31. 四面楚歌。

1週間ほど、夫からは何の連絡もなかった。

気になりながらも、少しは準備を始めなきゃ。

まずは習い事。

お迎え時に、今月いっぱいで辞めたいと申請。

「理由は?」

『離婚するので。』

この理由は、一撃だ。

一瞬にして相手の顔を曇らせるし、だれも引き留めない。

自分で決めたとはいえ子供達に申し訳ない。
申し訳なさすぎる。

小学生の長男は、行かされてた感が強かったので、むしろ、もう行かな

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30. 「離婚してください。」

30. 「離婚してください。」

決して、夫との結婚生活すべてが苦痛だったわけではない。

夫が大好きで大好きで仕方ない時もあったし、だれよりも、夫のいいところを知ってるのは私。

なのに、出逢いからこの12年間を振り返った時出てくるのは、マイナスな想いばかり。

あの時、向き合うべきだったとか、
あの時、別れるべきだったとか、
あの時が離婚のタイミングだったのにとか、、

とにかく、別れたかったことしか、思い浮かばない。

夫と

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29.  変われなかったのは私。

29. 変われなかったのは私。

2ヵ月ほどかけて、一通り検査をしてもらった。
特に大きな問題はなく、1番シンプルな方法。タイミング法で、私はすぐに妊娠した。

よし。

夫も義両親もとても喜んでくれた。

すぐに、仕事は辞め、妊娠出産の本を買い漁り、私の頭の中は赤ちゃんのことで埋め尽くされた。

10ヵ月に入るとさっさと実家に戻り、母親に立ち会ってもらって無事出産。産後も含め、結局2ヵ月ほど家を開けた。

初めての出産ということ

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28.それでも前へ。

28.それでも前へ。

彼が亡くなって半年ほどすぎた頃、一駅向こうに自社ビルが完成した。
1年ほど前から建設にはいっていたもの。もちろん引っ越しは業者さんだが、私達も連日手伝って、無事、すべてが新社屋に。

フロアのメンバーも分割され、社員も新たに募集。足りない人員は、派遣会社から。つまり、私以外にも、いわゆる派遣さんが増えた。

私は古株として指導にあたり毎日が忙しく、そもそも新しいオフィスなので視界すべてが新しい。

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27.何かの間違いだよね?

27.何かの間違いだよね?

坂口君と電話で話したのは金曜日の夜のこと。

私は、土日は休みだった。

日曜日の朝。

9時頃、家の電話がなった。

夫も日曜は休みだったので、まだ、ふたりともベッドの中にいた。

寝ぼけまなこのまま、子機をつかんだ。

『あこちゃん、おはよう。お休みのところ、ごめんね。』

主任からだった。

『実は、坂口君、亡くなってん。で、明日、出社した後、みんなで葬儀に参加するから、喪服を持ってくるか、

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