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41. 不倫相手のパートナー

そして月曜日。

朝から蓮とホテルにこもった。

やってる時もやってない時も片時も蓮から離れなかった。

蓮とくっついていたいのではなく、ただただ不安だった。


浮気相手としては、最悪な感じになってきてる私。

離婚するとかしないとか、自分でも重いしめんどくさいと思う。


「私のこと好き?」

『もちろん』

「どこが好きなの?」

あーぁ、まさか、自分がこんなバカなこと聞く女になるとは…。

でもなぜか、何かが不安で仕方なかった。


ついでに、聞いてみた。

「私と夫がこういうことするのはどう思う?
したくはないけど、夫婦やり直すのなら、するかもしれない。」

『そりゃ嫌だよ。でも、仕方ないと思う。どうしようもない。
なんていうか…事故にあったとでも思うよ。』

一応、とっても悲しそうに言ってくれた。

『じゃあ、あなたは奥さんとしてる?』

とは、さすがに聞かなかった。


以前ブログで、彼は奥さんともしてると思う?というくだらない記事を書いたことがある。

『家では嫁とやってるに決まってるやん!そんなん当たり前』

『やらなくなったら逆に疑われるから、今までどおりにしてるはず』

『むしろ男性ホルモン活発になってるやろうから、家でも回数増えてるかも』

その時のコメント、今ここでわざわざ答え合わせする必要もないか。
そもそも、彼が本当のことを言うわけないし。

だから、代わりにこう聞いてみた。

「もしさ、蓮の奥さんも他の男の人とこんなことしてたらどうする?」

『うーん。それも、仕方ないと思う。
オレがこんなんやから、仕方ない。
やっぱりな、って思うかもしれない。
面と向かって怒るとかは…ないかな。』

「どうするの?離婚する?」

『どうかな。嫁次第かな。別れたい言われたら仕方ない。』

蓮はぐっと私を引き寄せ、天井を見たまま続けた。

『なんていうか、、娘の母親は、やっぱり嫁しか思い浮かばへんのよ。

オレは、あこさんが大好きだし、あこさんが奥さんやったらどんなにええやろうと思う。
でも、やっぱり、娘のこと考えたら…あこさんじゃないねん。

ごめんな。

まぁ、子供が大きくなったら、また変わると思うけど。』

「ごめんな」って言葉だけに、少しいらっとした。でも、その他の言葉は、その通りだと思った。
やっぱり蓮は正直だなって思った。




私の好きな蓮は、

奥さんが作ったものを食べて、

奥さんが洗濯した服を着て、私に逢いに来る。


奥さんと付き合いが長いって言ってたから、
変な言い方だけど、、ベッドでの愛し方も、奥さんから勉強した愛し方なんだろう。

結局、蓮は奥さんで構成されてる。

そして、何より、蓮の大切な子供を産み育ててくれてるのは奥さん。

彼の後ろには、常に奥さんがいる。


じゃあ、私は?

私が綺麗にしていられるのは、夫の経済力のおかげ。

その外見と夫に献身的なところが好きという蓮。



一体、W不倫ってなんなんだろう。

結局、上っ面をなぞってるだけか…。


『とにかく、今までのようには逢えなくなるな。電話もしないようにする。
あこさんは、時々危なっかしいからなぁ。
ホントに気を付けてね。
あこさんの大丈夫は、全然大丈夫じゃないから。』

そう言って、私を強く抱き締めた。



私達は、当面の間
奥さんが知らない蓮の平日休み、毎週月曜日の昼間にだけ逢う約束をして別れた。


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