影山ナイト
架空の職業『ボイスカウンセラー』を目指す大学生の成長物語。
株式会社の株のように個人の活動を株式として市場に出品される現代で、それらを管理、推進する業務を行う銀行員、『パーソナルバンカー』の奮闘記。
文武両道で周りから好意を寄せられる魚金虎太郎は運命の相手に再会した。そんな中、運命の相手と交換したネックレスが突然、なくなってしまう。周りの人間を疑いはじめ、深淵を覗いてゆく。
人類と魔族が共存した平和な世界で大魔王の娘、サティが学校に通い、個性的な面々と接し、成長してゆくハートフルコメディ。
恋愛至上主義の主人公は振られた数知れず。それでも諦めず恋愛をし続ける主人公のもとにキューピッドが現れて、『キューピッド代行』をさせられる。
夕日が照らす教室、桐生仁はひとりノートパソコンに向き合っていた。 相変わらず話しかけづらいと瑠美菜は思うものの、何とか口を開く。 「桐生くん」 「成海か。どう…
あれから一週間後。 神栖さんからの電話はなかった。 それどころか一件もコールフレンドからの連絡はなかった。 そして、僕はあの電話以降、人の声を聴いただけで…
時は遡る。 花火がドーンと大きな音を立てた。ブラインドの隙間から色鮮やかな花火が見える。 ちらと音の鳴る方向へ視線が動いた。いやダメだ。今は仕事に集中しな…
深夜1時。 結局僕は昨日から一睡もできなかった。しかし、頭の中は冴えていた。 僕にできることは、僕を信じてくれた人を信じること。僕を信じることだ。 大丈夫…
一週間後。 仁は自宅でパソコンと睨みあっていた。 その後、ふたりの個人株は900万まで上がっていた。 残りのタイムリミットは―――― 1分。 50秒。 40…
夜が明け、いつの間にか朝9時になっていた。 「……思い、つかない」 ベッドで横になっても頭が働かないため机に向かい、参考書やノートを見返しても答えはない。 …
ライブが始まり、仁は裏から見守っていた。 同時に、胡桃と瑠美菜の個人株を出品する。 どうにか、届いてくれ。 仁は願い、出品した。 ライブは順調だった。 …
『――もういいよ』 「え」 僕が少し考えているうちに神栖さんははっきりと言った。 『やっぱり話してもしょうがない。だって、どうしようもないもんね』 「何か解…
9月9日。朝7時20分。 今日は雲一つない晴天だった。 「ふぅ」 狐人はベッドで寝転がる。 狐人は昨日返ってきた直後、自室に付けられている盗撮、盗聴器をすべ…
「なんだって!」 九条が驚きを隠せず、席から立つ。 「ですから、成海瑠美菜も一緒にステージに立たせると言っているのです」 仁は毅然とした態度で言い放つ。 「や…
「お邪魔しまーす!」 「オジャマするぜ!」 「お邪魔するわ」 「おじゃましまぁす」 「お、お邪魔します……」 ヒイラ、カエン、フウラ、サンネ、リンコが家に遊びに来…
家に帰ってきて、僕は自室のベッドに腰を掛けた。 涙は枯れた。ハンバーガー屋でも僕は泣き続けたが、大地と一緒に美味しいハンバーガーを食べながらバカ騒ぎしていた…
深夜1時半。僕は眠れないでいた。昼間の霞ヶ浦さんとの会話を思い出し、自分の不甲斐なさ思い出すたびに眠気が取れてしまうのだ。 「お」 ベッドで布団をかぶり、適…
狐人と芽衣は別れ、狐人は校舎裏から去り、駐輪場へと向かう。 「狐人」 狐人の自転車の前には虎太郎がいた。 「あ、虎太郎。部活は?」 「今は抜けてきてる」 「何…
「社長、成海胡桃の初ライブはいつにしましょうか」 「いつがいいだろうな」 3人がショッピングモールに行って数日後、仁は胡桃の所属事務所になったアイドル事務所で…
「もうすぐ定例会だね」 「そうだなー。定例会っつっても何話しゃいいんだよ。べつに話すことなんてねえよ」 人類の地で祭りが行われている中、平和の地のとある酒場。…
2023年6月17日 21:00
夕日が照らす教室、桐生仁はひとりノートパソコンに向き合っていた。 相変わらず話しかけづらいと瑠美菜は思うものの、何とか口を開く。「桐生くん」「成海か。どうした」「桐生くんのおかげで、お母さん手術受けられることになったんだ。海外のお医者さんが来てくれるって」「そうか。それは良かったな」「なんか、冷たくない?」「人気アイドル様と話してると目立つんでな」「もうっ、からかわないでよ
あれから一週間後。 神栖さんからの電話はなかった。 それどころか一件もコールフレンドからの連絡はなかった。 そして、僕はあの電話以降、人の声を聴いただけで、心の声も聴こえるように、なんてならなかった。 あの電話でだけだった。やっぱり、僕の思いを繋いでくれる人だけにしかできないことだったのだろう。 僕は大学の講義が終わり、帰宅する。 今日は雨が降っていた。 本館1階を出て、
2023年6月16日 21:00
時は遡る。 花火がドーンと大きな音を立てた。ブラインドの隙間から色鮮やかな花火が見える。 ちらと音の鳴る方向へ視線が動いた。いやダメだ。今は仕事に集中しないと。「おつかれさま、聖城くん」「……あ、どうも」 桐生部長が僕に缶コーヒーを差し出す。僕は軽く会釈をして缶コーヒーを受け取る。「まだ仕事終わらないの」「……申し訳ありません。待たせてしまって。お子さんもいるのに」 丸
深夜1時。 結局僕は昨日から一睡もできなかった。しかし、頭の中は冴えていた。 僕にできることは、僕を信じてくれた人を信じること。僕を信じることだ。 大丈夫。きっと掛かってくる。 そうして、僕ならきっと救うことができる。 僕は携帯電話を持ち、ベランダに出た。 ちょうどそのタイミングで携帯電話が鳴った。 僕は1コール程して電話に出る。「こちらコールフレンドの桜川です」『龍神
2023年6月15日 21:00
一週間後。 仁は自宅でパソコンと睨みあっていた。 その後、ふたりの個人株は900万まで上がっていた。 残りのタイムリミットは――――1分。50秒。40秒。30秒。 「………………足りなかった。俺には、何もできなかった。救えなかった」 残り100万。あともう少しだったのに。 パソコンの画面を何度見ても900万という数字は変わらない。変わったとしても誤差だ。 変わらな
夜が明け、いつの間にか朝9時になっていた。「……思い、つかない」 ベッドで横になっても頭が働かないため机に向かい、参考書やノートを見返しても答えはない。 カウンセリングに、人を救う方法に答えはないんだ。「くそ……」 頭が働かなくなってきた。文字を見ても頭に入ってこない。 神栖さんの状況をノートに書きだし、何か解決策がないか考えても、どれも神栖さんを追い詰める方法しかない。
2023年6月14日 21:00
ライブが始まり、仁は裏から見守っていた。 同時に、胡桃と瑠美菜の個人株を出品する。 どうにか、届いてくれ。 仁は願い、出品した。 ライブは順調だった。 ライブで歌う曲は3曲。 少ない練習時間で瑠美菜は精一杯頑張った。 しかし、どうにも胡桃には劣っていた。 それでも一所懸命に歌って踊る姿は輝いていた。 太陽と月。 ふたりが合わされば、きっと願いは叶えられる。 見
『――もういいよ』 「え」 僕が少し考えているうちに神栖さんははっきりと言った。『やっぱり話してもしょうがない。だって、どうしようもないもんね』「何か解決策はあるはずだよ」『今まで先生にも相談した。保健室の先生にも、スクールカウンセラーの人にも。でも全員、答えは教えてくれなかった。みんな、あまり気に病まないでとしか言ってくれなかった。そんなの無理だし、アタシに言ってほしいのはそん
2023年6月14日 20:00
9月9日。朝7時20分。今日は雲一つない晴天だった。「ふぅ」 狐人はベッドで寝転がる。 狐人は昨日返ってきた直後、自室に付けられている盗撮、盗聴器をすべて外し壊した。 まったく、いつの間にこんなに付けたのだろうか。というか、どうやって付けたのだろうかと狐人は呆れる。 呆れたまま、芽衣に認識されないように虎太郎と竜美の運命のネックレスを捨てた。 狐人はメッセージアプリを開き、
2023年6月13日 21:00
「なんだって!」 九条が驚きを隠せず、席から立つ。「ですから、成海瑠美菜も一緒にステージに立たせると言っているのです」 仁は毅然とした態度で言い放つ。「やはり貴様は成海瑠美菜の肩を持つのか。知っているだろう。今の成海瑠美菜じゃアイドルとしての価値がない」「ええ、でもそれは単体での話です」「なに?」 九条は席に座り、眉間に皺を寄せる。「姉妹で売り出しましょう。社長」「何を馬
「お邪魔しまーす!」「オジャマするぜ!」「お邪魔するわ」「おじゃましまぁす」「お、お邪魔します……」 ヒイラ、カエン、フウラ、サンネ、リンコが家に遊びに来た。「みんな、よく来てくれたね」 お祭りに行って数日、どうせならみんなに来てほしいと思って、私はみんなに声を掛けた。 私の家は風林火山のような大した特徴もないから、来てもらうには少し説得材料が少ないと思ったが、みんな興味を
家に帰ってきて、僕は自室のベッドに腰を掛けた。 涙は枯れた。ハンバーガー屋でも僕は泣き続けたが、大地と一緒に美味しいハンバーガーを食べながらバカ騒ぎしていたら、いつの間にか涙は止まっていた。大地との別れ際、僕は笑顔で手を振ることができた。 でも、まだ前には進める気がしない。 僕は鞄から花を取り出し、見つめる。「……またひとつ、花が増えちゃったな」 花瓶を用意し、部屋に飾る。僕は
深夜1時半。僕は眠れないでいた。昼間の霞ヶ浦さんとの会話を思い出し、自分の不甲斐なさ思い出すたびに眠気が取れてしまうのだ。「お」 ベッドで布団をかぶり、適当にネットサーフィンをしていると僕が登録しているボイスアプリから通知が来た。 お気に入りにしている配信者の新着配信が通知するように設定されているのだ。当然、僕のお気に入りの配信者はうらりんさんだ。 ベッドの物置場に置いてあるヘッ
2023年6月13日 20:00
狐人と芽衣は別れ、狐人は校舎裏から去り、駐輪場へと向かう。「狐人」 狐人の自転車の前には虎太郎がいた。「あ、虎太郎。部活は?」「今は抜けてきてる」「何か僕に用事?」「ちゃんと断ったか」「なにが」「桜の告白だよ」 虎太郎は真剣な目を狐人に向ける。狐人は笑う。「どうして断る必要があるんだよ」「オレは桜の本性を知ってる。つい最近知ったんだけどな。あいつは歪んだ愛情をお前
2023年6月12日 21:00
「社長、成海胡桃の初ライブはいつにしましょうか」「いつがいいだろうな」 3人がショッピングモールに行って数日後、仁は胡桃の所属事務所になったアイドル事務所で社長の九条と話していた。「それにしても、桐生くんが我々の考えに賛同してくれて本当に嬉しいよ。盃でも交わそうか。いや、キミはまだ未成年だったね。ハハハッ」「勘弁してくださいよ社長」 前にも聞いた皮肉に仁は九条を殴り倒したくなったが
「もうすぐ定例会だね」「そうだなー。定例会っつっても何話しゃいいんだよ。べつに話すことなんてねえよ」 人類の地で祭りが行われている中、平和の地のとある酒場。今日もサタンとヒーロは酒を飲み交わしていた。「キミはとにかく会議中寝ないでくれよ。キミの奥さんのオーラ怖いんだよ。キミと戦う前に立ち塞がる女帝のオーラ現役さながらなんだから。こっちもつい構えてしまうよ」 ヒーロはそのときを思い出す