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恋するキューピッド

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恋愛至上主義の主人公は振られた数知れず。それでも諦めず恋愛をし続ける主人公のもとにキューピッドが現れて、『キューピッド代行』をさせられる。
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記事一覧

「恋するキューピッド」 エピローグ

 家に帰ってきて、僕は自室のベッドに腰を掛けた。  涙は枯れた。ハンバーガー屋でも僕は泣…

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「恋するキューピッド」 第24話:大地

 僕は手に持った花を見つめ、鞄に入れる。下駄箱に上履きを入れ、靴を履いて校舎から出る。 …

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「恋するキューピッド」 第23話:いつかきっと

 教室で歓声が上がり、クラスメイトの連中が騒ぎながら鈴木に駆け寄っている。  オレはそれ…

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「恋するキューピッド」 第22話:つまらない人生

 4月16日。  おれは今日も特に大したこともなく、授業を適当に受け、休み時間はゲーム、…

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「恋するキューピッド」 第21話:輪

 昼休み。本当だったら今頃、天使さんと一緒にお昼を食べています。  でもごめんなさい。今…

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「恋するキューピッド」 第20話:理解

 休日が虚しく終わり、再び平日。  でも僕は全然億劫な気持ちはない。なぜなら、涼風さんと…

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「恋するキューピッド」 第19話:穴

 テニスコートから出て、近くのベンチに座り、ペットボトルの水を勢いよく飲む。そして、大きく息をつき、荒い呼吸をする。 「はぁはぁはぁ、これで……わかったか」  僕は隣に座る霞さんに邪悪な笑みを向ける。  勝った。1ゲーム4点先取という短い試合だが、なんとか勝てた。 「よくわかりました。天使先輩は馬鹿だと」 「なんでだよ!」 「普通、挑発に乗りますか。せっかく好きな人と来てるのに」 「……すぐに戻るよ」  僕は腕で額の汗を拭い、立ち上がろうする。しかし、服の端を霞さんに

「恋するキューピッド」 第18話:クソゲー

「……本当に行っちゃった。天使さんが誘ったくせに」  涼風さんが項垂れてしまう。おれは何…

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「恋するキューピッド」 第17話:鈴木悟

 卓球台は館内の2階にあり、奥に筋力トレーニング室、手前左に卓球台が置いてある卓球広場が…

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「恋するキューピッド」 第16話:初デート

 高校2年生になってから初めての休日。土曜日。実は今日は単なる休日じゃない。特別な日だっ…

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「恋するキューピッド」 第15話:花びらのカーペット

 放課後を迎え、今日も相変わらず大地は帰りのホームルームが終わっても尚、眠っていた。  …

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「恋するキューピッド」 第14話:昼休み

 よし! 午前の授業終わり! 今日も涼風さんと一緒に昼食をともにしよう!  僕は鞄から弁…

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「恋するキューピッド」 第13話:相合傘

 今日は雨が降っていた。  僕は特別、雨が嫌いという訳ではないが、好きではない。  僕が…

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「恋するキューピッド」 第12話:背中

 霞さんの生徒会見学が終わり、霞さんは生徒会室を後にした。  僕は夜桜会長に呼び出されたことからまだ生徒会室に残っていた。 何だろうか。結局、霞さんが僕の仕事を手伝ってくれるわけでもなく去ってしまった。  ということは、今日の用事は仕事じゃないということか。  僕はソファで寝転がりながら、外を眺める夜桜会長を見つめていた。 「良い後輩を持っているじゃないか。あいつなら生徒会を任せられる。きっとお前を支えてくれるだろう」  夜桜会長は窓の外を見たまま言う。 「……ま