2023年1月の記事一覧
2022年「信長の大航海時代」各話リンクとあらすじ(不定期連載への変更という重要なお知らせも!)
こんにちは。今回は「信長の大航海時代」の、去年のまとめをここに記します。
まずはちょろっと2021年の振り返りも。
こちらの記事の通り、2021年の2月23日から連載を始めた「人生は50から! 信長公、アフリカへ行く」は、来月下旬でいよいよ3年めに入ります。
note神話部さん、今年からは神話創作文芸部ストーリアさんですね(*^_^*)にての連載を週一に火曜日の朝、温かな交流のもとに続けられ
陽羽の夢見るコトモノは(3)
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(3)公園伊織が暮らすのは一人暮らし用のアパートなので、この同居が大家さんにばれたら追い出されるかもしれない、という危惧があった。
朝、ゴミ出しに行くときもエリーゼは、バリバリのパンクスタイルにピンクヘアをばっちりきめるものだから、目立つなというほうが難しかった。
「あいさつ? しといたよ」
あっけらかんとエリーゼが言う。聞けば、ゴミ置き場を掃除していた大家の遠藤洋
フォークロアコレクト【4】
わたし、葛葉りあむ。
奈落図書館の司書、折口のえるのもとでゆえあって〈少女蒐集〉の手伝いをしているの。
奈落図書館は暗闇坂の異空間にある倶楽部タルタロスの一角にあるわ。
今日も今日とて折口のえるの奴は、図書館カウンターに着席してティーカップで紅茶をすすっている。
「で? 今日はどんな〈少女〉を蒐集すればいいのかしら?」
わたしが図書カウンターを両手で叩くと、面倒くさそうに、
「〈聖骸布〉
陽羽の夢見るコトモノは(2)
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(2)ブレックファースト突如現れた少女は、伊織の携えていたエコバッグの中の菓子パンに興味を示した。
「おなか、すいてるの?」
エリーゼが問うと、少女はこくんと頷いた。
「だってさ。そのパン、くれない?」
遠慮というものをまるで知らないエリーゼに気圧されて、伊織はおずおずとエコバッグを渡した。菓子パンを手にした少女は「ありがと、いおり」と礼を述べた。
(……って、ええっ?
【神話創作文芸部ストーリアよりお知らせ】
1月は第5週のある月です。絵画・音楽・音声などの作品も募集しています。前日1/29(日)まで受け付けておりますので、どうぞ奮ってご参加ください!
https://note.com/lentoy/n/n10bd63aea497 #神話創作文芸部ストーリア #mymyth
【新連載】陽羽の夢見るコトモノは(1)
次回
陽羽はこの日も機嫌がいい。たまたま入ったモスで注文したポテトSサイズの中に、陽羽の中指より長い一本が入っていた。それだけではない。オニポテの衣が、実に絶妙な揚げ加減だった。
中指より長いポテトを一口食べる。まだ三分の二くらい残っている。それだけで、陽羽の心の中に埋め込まれたセンサーは、喜びを表すごとく七色に輝く。
陽羽はモスのガラス窓から外を見る。口もとをもぐもぐさせた自分が映って、思
人生は50から! 信長公、アフリカへ行く 七十二話「壱岐のイルカを見る」
織田信長: みなさんご存知、尾張生まれの第六天の魔王。この神話×歴史ファンタジー小説のなかでは、本能寺の変で天使に救ってもらう。一般人、一介の冒険商人「小田信春」と名乗り一番のお気に入りだった黒人侍弥助をアフリカへ送り届ける旅を始める。
弥助: 本能寺の変でも、最後まで戦い、信長を守ろうとした黒人侍。気は優しくて力持ち。明智勢に捕まったが放たれ、その後は故郷アフリカへ信長とともに発つ。
ジョア
My Mythology/Novels 2023.1【神話創作文芸部ストーリア月報】
神話創作文芸部ストーリア月報です。
第4週は連載作品を紹介します。
【お知らせ】note神話部は3年間の活動を経た後に、神話創作文芸部ストーリアと名称を改め再出発しました。今後ともよろしくお願いいたします。
【今月の神話】悠凛さん/風の神話5
勝手気ままなアネモイ(風の神)たちの主アイオロス。彼は人の心や文化にまで造詣があるらしい。2022-2023を跨ぐ一作です。
◇
すーさん/創作未
〘お題de神話〙 理の戒
〜理の戒〜
✵
軍神と愛の女神は溜め息をついた。
「残念なことだ……」
二柱には、欧州随一の名門となったハプスブルグ家の行く末が見えてしまった。
青い血──貴族階級が『高貴な血筋』を笠に着るようになったのは予兆だったに違いない。
やがて、民衆が意味を挿げ替え、揶揄するようになった時には手遅れだった。婚姻政策を繰り返すうち、欧州全土の貴族はほぼ血族となっていたのである。
摩崖の戒【掌編1600字】
摩崖の戒
雨の振りそぼつ山間、断崖の一隅に辿り着いた男は、兜と鎧を濡らしながら一行に合流した。
「王はまだ崖に向かわれておいでか?」
「はい」
答えたのは侍従頭の男。今朝方結ったはずの髪が、乱れて額に貼り付いている。
「たまったもんじゃないですよ。この風雨の中、来る日も来る日も寝屋と食事の準備。しかも王付き侍従は肉を食えないだなんて、まったく力が出ないっす」
侍従のひとりが軽口を叩くと、
My Mythology/Essay & Column 2023.1【神話創作文芸部ストーリア月報】
神話創作文芸部ストーリア月報です。
第3週はエッセイ・コラムを紹介します。
【お知らせ】note神話部は3年間の活動を経た後に、神話創作文芸部ストーリアと名称を改め再出発しました。今後ともよろしくお願いいたします。
【今月の神話】吉田翠さん/空高く生まれ土深く潜る
原始信仰と古代宗教の溝について考える。そこには折り合いと継承を続けてきた歳月が横たわっているはずだ。神話を多元的に捉え社会の側か
【掌編小説】ローゲの涙
……これは戒めだ。我を愛してはならない。尊敬してもならない。お前からの憎しみとあざけりこそ、我が喜びと知れ。
神々の王ヴォータンが、義兄弟として迎えるローゲにその戒めとして告げた言葉を、火の神はこころに刻み付けていた。
城の門は開き、帰還したヴォータンと、火の神ローゲを新しく迎えるための、華やかな神々の宴が待っている。
城の外では霜の降りる地で巨人たちが凍え死んでも、飢えに苦しんだとしても、