#煙草
月と太陽の友情は存在するのか。
「無事、朝が来てくれた」と、狼男は安堵した。
彼の住む森に、今日も穏やかな太陽が顔を見せる。
朝が来ると木こり小屋で軽い朝食を済ませてから、すぐにタバコ畑の様子を見に出かける。それほど広くないが、狼男はそこが好きだった。朝日を浴びた土のにおいと、緑の力強さを感じることができるから。
それから、自分で巻いた紙巻きたばこを煙草ケースに詰めなおす。
彼が考案したシガレットペーパーは愛煙家からも好評だった
暇だったから、ただ暇だったから。
無数の花が咲く花畑を、その人は、丘の上のベンチから眺めていた。
この中に四つ葉があるのだなと思うとすこし幸せだし、なにがあるか見えない深海の底には、恐れと好奇心を連れてくる。
その人は、靴ひもが片足だけほどけているのに気が付いていたが、そのままにしていた。
シャボン玉を吹くように息を吐く。
ビーチの砂利の大きさをバラバラにするために風を吹かせた。
それと同時に、何かの火が幾つか消えた。
そ
雨からは傘が守ってくれるのに。
買ったばかりの小説が、残りのページ数を減らしながらクライマックスに向かっていく。
コーヒーショップの端の方に座り、わたしは小説を読んでいた。
グラスの中のアイスコーヒーが減り、溶けた氷のだけが抵抗いている。
いつのまにか、わたしたちは定期的に数字を確認しないと生きていけなくなってしまった。それは、何故かわからない。
この国では聞いたこともない依存症の名前がピョコピョコ顔をだす。だけど、ここは少し