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#恋愛小説みたいな恋
060_タイムリミット~今の幸福を抱きしめて~
「久しぶりすぎて、さやかの唇を忘れかけたわ」
「思い出してくれた?」
「うん」
「よかったー」
ボクは、いつもの席で、
彼女が作るハイボールを
飲んだ。
「いろいろあったみたいだけど、何があったの?」
「うん、いろいろあったよ」
「思い出したくない感じだね」
「うん、そうだね」
「じゃあ楽しかった話して、雪山行ってきたんでしょ?」
「うん、それはすっごく楽しかったよ」
そう言って、
彼
067_ホワイトデーの約束
3月13日(金)
火曜日、不意の返信があって以降、
彼女から連絡はなかった。
ただ、
バレンタインデーのお返しを、
いつにするか、
約束ができていなかった。
「来週いつ出勤するか知らないけど、
ホワイトデーいつ渡しに行けばいいかな?」
ボクは、
彼女に連絡をしてみた。
「早く会いたいから月曜日」
彼女から返信があった。
これって、
どう受け止めたらいいんだろ?
素直に喜んでいいのかな?
068_ホワイトデー ~幸せな待ち合わせ~
3月16日(月)
ボクは、
バレンタインデーのお返しを、
鞄にそっと詰めて、
出社していた。
15時30分
彼女から連絡がない。
また寝てるのかな?
「連絡ないけど、今日予定通りの時間で大丈夫?」
「まだ起きてないなら、19時待ち合わせは厳しそうだね?」
ボクは、期待感を持たず、
彼女にLINEした。
最悪のケースも考えていた。
彼女と約束する場合、
ドタキャンもあり得るくらいに思っていな
069_ホワイトデー ~匂いに導かれて~
3月16日(月)
19時05分
予約していたお店に到着。
ボクは、どのタイミングで、
バレンタインデーのお返しを渡すか、
見計らっていた。
まずは、
会っていなかった1週間の話を
お互いに話をした。
だいたい彼女が、7割くらい。
ボクは、3割くらい。
そんな調子で、ボクらの会話は、
いつも成り立っていた。
ボクは彼女の話を聞きながら、
彼女の顔を見ているだけで幸せで、
それを素直に彼女にも伝
070_ホワイトデー ~幸せな口づけ~
3月16日(月)
21時10分
ボクがどうやって、
香水を探したかで話が盛り上がり、
あっという間に2時間が経っていた。
彼女といると、
本当に時間があっという間に過ぎていく。
「じゃあ3つめ、これが最後ね」
「え、まだあるの?2つで十分だよー」
「えっと、これはねー似合うと思うよ」
「わっ!前に聞いてくれたリップね」
「うん、そうそう、探しに行ったよ」
「ありがとう。これもメッチャ使うか
071_ウイスキーはバカの味
3月16日(月)
22時30分
ボクと彼女は、
お店に向かうことにした。
駅からお店に向かう途中、
ボクと彼女は、
並んで歩く。
彼女の左手が、
触れるか触れないかくらいの距離
本当は触れたいけど、
触れてはいけない気がした。
ボクは、
そんな距離感を大事にしていたけど、
お店があと少しというところで、
彼女の左手を、
ぎゅっと握りしめた。
彼女も、
ボクの手を握り返してきた。
彼女
074_そのLINEは思いやりで満ち溢れている
3月23日(月)
15時15分
「明日だけど、16時に待ち合わせでいいかな?」
ボクは、時間と待ち合わせ場所の確認をした。
明日久しぶりに会えることと、
彼女は初めて東京タワーに登るということで、
ボクは、東京タワーのHPを何度も確認して、
トワイライトタイムを目指して、
16時からのプランを考えていた。
20時10分
「うん、了解!」
彼女から返信があって、
ちょっとホッとした自分がいた。
075_忘れられないデート~part.1~
3月24日(火)
今日のことが楽しみすぎて、
睡眠不足のボクだけど、
彼女の誕生日以来のデートだから、
朝からボクのテンションは高かった。
彼女とは、
ボクの会社の近くの駅に、
16時に待ち合わせ。
ボクの心の中では、
既にカウントダウンが始まっていた
こんなにも、
彼女に会えることが、
嬉しいなんて。
心の声が漏れないように、
溢れる想いが飛び出ないように、
ボクは必死にこらえて、
出社
076_忘れられないデート~part.2~
3月24日(火)
この日のデートプランは、
野球観戦が中止になって、
彼女がちゃんとスケジュールを
空けてくれていることを
確かめてから、考え始めていた。
前に彼女から、
「見たい映画があるんだよね」
と教えてもらった。
その場で、一緒に検索して、
amazon primeで見れることが分かった。
「見るなら、どこだろ?」
ボクは、彼女に聞いてみた。
「個室のマンガ喫茶かな?」
「そうだよね
077_忘れられないデート~part.3~
3月24日(火)
16時5分
待ち合わせの時間は、
16時だった。
ちょっと遅れてるのかな。
最初はそんな軽い気持ちだった。
「今、どのあたり?」
彼女にLINEした。
LINEが既読にならない。
こっちに向かってる途中かな。
歩いてるから、
既読にならないのかな。
まだ、そんな思いだった。
5分後、
彼女に電話をしてみた。
けど、電話も出ない。
そんな時、ボクの脳裏に、
あの日のこと