見出し画像

076_忘れられないデート~part.2~

3月24日(火)
この日のデートプランは、
野球観戦が中止になって、
彼女がちゃんとスケジュールを
空けてくれていることを
確かめてから、考え始めていた。

前に彼女から、
「見たい映画があるんだよね」
と教えてもらった。
その場で、一緒に検索して、
amazon primeで見れることが分かった。

「見るなら、どこだろ?」
ボクは、彼女に聞いてみた。

「個室のマンガ喫茶かな?」
「そうだよね」

「あとは、ホテル?」
ボクは彼女の反応を待ってみた

「そうだねー」
「え、ありなの?」

「だって、もう行ったことあるしね」
「まぁそうだね」

ボクに対して、
警戒感をもっていないのか、
即答だった。

「じゃあ、いつかのホテルで見ることにしよう」
ボクはこうして、
彼女と映画を見る約束をしていた。

今日は、
その映画を見る日
つまり、
ホテルを予約していた。

誕生日のときのような、
高級なホテルじゃないけど、
ちゃんと予約しないと入れないホテルだった。

そのホテルのテレビの大きさを調べて、
一番大きなテレビがある部屋を予約した。

amazon primeを見るために、
パソコンやケーブルを持って行かなきゃいけない。
その準備も今朝して、出社していた。


今日は、
焼肉を食べて、
東京タワーを見て、
ホテルに行って、
映画を見る。

そんな予定を立てていた。
そして、
全てに時間の制約があった。

この時期の東京タワーの
トワイライトタイムは、
17時半から18時半だった。

だから、焼肉も、
16時過ぎについて、1時間くらい。

ホテルのチェックインも20時まで。
彼女とは24時でお別れしなきゃならない。

そんな過密スケジュールを
どうやって乗り切ろうかと、
効率が良く安全な移動を考えて、
貸し切りのタクシーも手配していた。


彼女との時間を
最大限に楽しむために。

ボクは、
わくわくしながら、
そのプランを考えていた。

今日24日のために。

そして、
今、時刻は、
待ち合わせの16時を、
1時間も過ぎていた。

ボクは一人立ち尽くしていた。