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ブランディングと価値創造

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#投資

『出版物の価格はコンテンツでは、決まらない』 【株式会社コルク代表取締役 佐渡島庸平氏 京都大学寄附講義から】

『出版物の価格はコンテンツでは、決まらない』 【株式会社コルク代表取締役 佐渡島庸平氏 京都大学寄附講義から】

皆さん、こんにちは。
コルクの佐渡島です。今日は、よろしくお願いします。

まず自己紹介をしますと、僕は今、39歳(※講義時)です。講談社という出版社に2002年に入社して、10年間、漫画の編集に携わってきました。

例えば皆さんがご存じの作品だと『SLAM DUNK 』の作者である井上雄彦 さんが描かれた『バガボンド 』という作品に先輩編集者と一緒に携わりました。僕が担当したのは、『バガボンド』

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日本で投資が広まらないのはなぜなのか?

日本で投資が広まらないのはなぜなのか?

前回の投稿では、「投資は、社会に参加し、役に立つ行為」という説明をしました。今回は、今の日本において「投資」ってどう考えたらいいの?ということをお話します。

投資が進まないのは誰のせい? その1前回の最後にも述べたように、日本では家計資産における投資比率が欧米に比べとても低いのが現状です。

なぜ、日本では「投資」が進まないのか?

様々な要因が考えられると思いますが、一番大きいのは金融業界の顧

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京都大学での大人気講義はどうやって出来たのか? その舞台裏。

京都大学での大人気講義はどうやって出来たのか? その舞台裏。

こんにちは。NVIC note編集チームです。

私たちは、京都大学で「企業価値創造と評価」と題する寄附講義を開設しています。

毎年、ユニークなビジネスモデルを持つ企業や新進気鋭のベンチャー企業の経営者を招き、これから社会に羽ばたいていく学生たちに向けて、企業の理念や自身の経験、経営哲学などを存分に語ってもらっています。

2014年から始めて今年で6年目を迎えていますが、評判が評判を呼び、いま

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奥野一成、母校に帰る~洛南高校キャリア教育講演会から パート2~

奥野一成、母校に帰る~洛南高校キャリア教育講演会から パート2~

迷走しながらやりたいことを追求したそんなことなので、私は今ものすごくエキサイティングに仕事をしています。本当に好きなことを好きなようにやらせてもらっている。

農林中金っていう大きな金融機関ですけれども、そういう金融機関で私みたいに好き勝手やらせてもらってる人そうそういないと思います。普通ではあまりないと思うんです。

でもここに至るまでのキャリアの説明をすると、極めてくだらないキャリアだったとい

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京都大学の大人気講義 稀代の名経営者たちは何を語るのか。

京都大学の大人気講義 稀代の名経営者たちは何を語るのか。

こんにちは。NVIC note編集チームです。

私たちは、京都大学で「企業価値創造と評価」と題する寄附講義を開設しています。

毎年、ユニークなビジネスモデルを持つ企業や新進気鋭のベンチャー企業の経営者を招き、これから社会に羽ばたいていく学生たちに向けて、企業の理念や自身の経験、経営哲学などを存分に語ってもらっています。

2014年から始めて今年で6年目を迎えていますが、評判が評判を呼び、いま

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人生のオーナーになれ! 【 京都大学特別講義から】

人生のオーナーになれ! 【 京都大学特別講義から】

こんにちは。NVIC note編集チームです。

前回書いた京大寄附講義「企業価値創造と評価」…
一番人気はやはり企業経営者の講義なのですが、弊社CIOの奥野も毎年1コマ話をしています。

現役ファンドマネージャーから株式投資の話が聞けるということで、学生さんの中にはひょっとしたら手っ取り早い「儲け話」を期待して来ている人もいるかもしれません。

でも、奥野が語るのは、キャリアの話、「価値」の話、

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売らなくていい会社しか買わない投資 【 京都大学特別講義から】

売らなくていい会社しか買わない投資 【 京都大学特別講義から】

奥野の講義の第2回です。

前回はキャリアの話、人生の話、広い意味での「投資」の話でした。
今回はより狭い意味での「投資」、講義タイトルでもある「オーナー」としての株式投資について語っています。

「投資」と「投機」の違いこれまで話してきたことが大きな意味での投資なんですけど、狭義でいえば企業の「オーナー」になるっていうのが投資だと思います。

先ほど少し触れましたが、世間で持たれている投資のイメ

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『なぜ、人は自殺をしてしまうのか?』 【株式会社コルク代表取締役 佐渡島庸平氏 京都大学寄附講義から】

『なぜ、人は自殺をしてしまうのか?』 【株式会社コルク代表取締役 佐渡島庸平氏 京都大学寄附講義から】

なぜ、人は自殺をしてしまうのか?
もうひとつ、僕がコルクでどんなことをやっているのかを紹介しましょう。

皆さんは、京都大学出身の小説家の平野啓一郎をご存じでしょうか。
平野啓一郎は、コルクに所属している作家です。コルクができる以前の作品なのですが、出版時に関わった作品で『私とは何か』という新書があります。

平野さんと僕の出会いは『決壊』という小説がきっかけでした。

ここからは少し小説のコアな

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『自分の好きな分人が活躍する社会 Vtuberという体験』 【株式会社コルク代表取締役 佐渡島庸平氏 京都大学寄附講義から】

『自分の好きな分人が活躍する社会 Vtuberという体験』 【株式会社コルク代表取締役 佐渡島庸平氏 京都大学寄附講義から】

自分の好きな分人が活躍する社会
今日ここにいる皆さんが、必ずしも自分の人生に満足しているかどうかはわかりません。しかし、これまで話したように家族、友達、職場、アルバイト先で、必ず皆さんの分人が構成されているはずです。

でも、どの分人にも自分で好きになれる分人がいない。
そのときにVR (Virtual Realityバーチャルリアリティ、仮想現実。コンピュータで作られた三次元空間を、視覚をはじめ

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『佐渡島庸平という人』 【京都大学寄附講義を終えて NVIC奥野一成】

『佐渡島庸平という人』 【京都大学寄附講義を終えて NVIC奥野一成】

佐渡島さんとの出会いは比較的新しい。
講義録でもある通り、ある運用友達からの紹介で「面白い人がいる」と聞いて会ったのは今年の初めだった。

表参道のカフェでお互いに小一時間話しただけだが、「この人は僕と同じ種類のことをやっている」と直感した。

佐渡島さんが対象にするのは漫画家・作家であり、そのコンテンツを取り扱う。
僕は運用者であり、もっぱら興味の対象は企業価値とその株価である。
一見全く異なる

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