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「クボリカワ書房」

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「未来には行ける可能性ありそうだけど理論的にやっぱり過去へ行くのはどうにも難しそうだよね。」

「未来には行ける可能性ありそうだけど理論的にやっぱり過去へ行くのはどうにも難しそうだよね。」

みたいな話を、先日SFメイトでもあるNovoiski氏と夜な夜な語っていたのだけれど(クリストファー・ノーラン的なやつ)、もし、万が一にでも過去の時代に移動する事が可能だとするのならば、迷わず僕は「江戸時代」に行ってみたい。

浅草にある母方の実家のお寺を住処にして、当時の華やかな江戸の暮らしを余す事なく享受してみたい。

その理由はだいたい百個くらいあって(ない)、1つ目は何といっても魚とか鰻と

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悲しくてやりきれないのは何故なんだろう。

悲しくてやりきれないのは何故なんだろう。

まずはこの曲を聴いて頂きたい。

そう、映画『この世界の片隅に』のテーマソングにもなっている「悲しくてやりきれない」。オリジナルはザ・フォーク・クルセイダーズのヒット曲。
コトリンゴさんによる出色のカバーだ。

(多部未華子さん歌うこのバージョンも、得も言われぬ魅力があって好き。)

言わずもがな、原曲が素晴らしいの一言に尽きるのだけど、この歌の詞の作者についてご存じだろうか。
知っている方からす

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美味しい餃子を包みたい。

美味しい餃子を包みたい。

窓のそとは水の音。
河のような海のような。

深い水底にもぐったような夜、
音楽でも映画でもなく、読みたくなる。

もう何度も紹介しているけど、こんな湿度の日に頁をぱらりめくるのがいい。

大好きな湯本香樹実さん、
『夏の庭』や『ポプラの秋』など、一連の児童文学的アプローチからうって変わった、成人の文学作品。

初めて読んだ時、少し驚いた。

しかし、それがものすごく心地よい。
あつくもつめたくも

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「雨に相談 」って猫語で言われた?

「雨に相談 」って猫語で言われた?

今日は朝から雨なんだか曇りなんだかどっちつかずな天気で候。

日中から企画書を書いていて、気付いた頃にはいつの間に陽が暮れていた。
ワインでも飲みながら本でも読もうかと思い、書架から引っ張り出してきたこの一冊。

おそらく以前にも紹介したことがあるかと思うが、これはごく平和な家庭へ何の違和感なく静かにパラサイト(まさにポン・ジュノ作品的とも言える)していく方法を指南した、危険な書の類いである。

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