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設計について

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木造住宅の設計事務所をしています。設計のこと、現場のことなど様々なことを綴っています。お茶室、古民家再生については別マガジンに纏めていますのでそちらもお読みいただけたらうれしいで…
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2021年6月の記事一覧

古民家再生現場

古民家再生現場

砥部で三井ホームさんの古民家再生工事の設計をさせて頂きました。
現在工事中なので定期的に現場の確認に行ってます。
昨日も確認へいきお客様と大工さんと3人で玄関を入って正面に造る予定のニッチの大きさについて打ち合わせ。図面で書けば事足りますが、お客様は図面で大きさをイメージすることは難しいもの。現場の進捗に合わせて実際にその場所で打ち合わせする方がわかりやすいです。

お客様に飾る予定のお母様が描か

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古民家は調査してから直して下さい。

古民家は調査してから直して下さい。

古民家の調査と再築という古民家のインスペクション調査のための書籍を執筆しています。これは内閣府認可一般社団法人職業技能振興会の古民家鑑定士という資格をはじめいくつかの伝統構法耐震の建物の調査や改修のためのテキストとして使って頂いています。古い建物を直す際には初めに建物の劣化や耐震を詳しく調査して現状の問題点を明確にすることをおすすめしており、古民家鑑定士は調査する方法や調査項目を学んでいただくこと

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一期一会

一期一会

昨日はお付き合いのある石材店の方にご紹介いただき新しいお客様の所へ。お仕事ができるかどうかはこれから頑張っていいご提案をさせていただけるかですが、一期一会。新しい出会いとお会いしてお話しさせていただいている時間を大切にする積み重ねだと思っています。

お仕事をさせていただくのに繋がりなくお問い合わせいただくことも多いですが、やっぱり自分を知って頂いている方からご紹介いただくことの方が多いです。

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経年変化を楽しむ心…

経年変化を楽しむ心…

現在の住宅は約30年程度でメンテナンスしなければ劣化していきます。それはなぜでしょうか。

屋根や外壁、室内の建具やフローリング、壁はビニールクロス。全て工業製品で作られています。工業製品は最初は美しいですが、経年変化により痛み、みすぼらしくなります。

そして工業製品は寿命があり、寿命を伸ばすために塗り替えたり、交換したりといったメンテナンス=手間をかけることが必要です。

しかし、多くの消費者

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3D住宅が日本でもスタンダードに

3D住宅が日本でもスタンダードに

アメリカでは、住宅不足による深刻な住宅危機が続いているようで、木材価格と供給不足、いわゆるウッドショックにもなっていますが、供給不足解消のために3Dプリンターを使っての住宅建設が試みられているようです。高級住宅を手掛けるキャンデラリア・デザイン建築事務所が設計し、ハビタット・フォー・ヒューマニティーがアリゾナ州テンピ市に3Dプリント住宅を建設中です。

3D 住宅なら曲線を活かした新しい未来的なデ

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廊下について

廊下について

昔の古民家には廊下がありませんでした。座敷の外側には広縁や濡れ縁と呼ばれる廊下がありましたが、これはいわゆる緩衝地帯、外部と内部との境界線であり、結界であり、今一般的に言う部屋と部屋とを繋ぐ廊下とは役割が異なっています。

今いわゆる廊下と呼ばれる間取りの家は大正時代後期から出てきた中廊下式という間取りが始まりで、戦後欧米のプライバシーを重視する住宅様式と合致して住宅には廊下があるのが当たり前の常

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資金計画

資金計画

今日は資金計画について思うこと…
住宅ローンの金利はずっと低いままなのでやはり家を建てるには時期的には向いていると思います。6月1日時点でのフラット35の金利は年1.350%~2.150%、銀行によっては変動金利の方が安くなる可能性もあります。金利は少し上昇傾向のようですが、コロナ不況があるのでなかなか立ち直りまではまだ時間がかかる気がします。

ここで一般的に言われている住宅取得のための予算につ

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にじり口

にじり口

にじり口とは、縦2尺2寸、横2尺5分の入り口の外側に縦2尺1寸8分(654)、横が2尺3寸(696)の引戸をつける小さな茶室への出入り口で、千利休が草庵茶室・待庵に設けた小さな入り口がはじまりと言われています。

男性も頭を垂れて伏してにじりながらでないと入れない大きさで、武士の時代には刀を腰につけているとくぐれないのでにじり口の外部に刀を置いておく場所がありました。頭を下げて茶室に入ることで身分

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薪ストーブを見に…

薪ストーブを見に…

午後から東温市にあるARROWFIELDさんへ。古民家再生に入れる予定の薪ストーブの説明と機種選定にお客様と伺いました。

矢野さんがキッチン用のストーブでパンを焼いてくださり薪で作った焼きたてのパンまでいただきました。

薪ストーブ、海外から色々な種類のものがありますが、ストーブ自体驚くぐらい熱くなって火傷したりしますが、今回見積もりをお願いしたネスターマーチンのものは庫内の温度は700度ぐらい

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プロフィール

プロフィール

茶室を学びたい建築業界の皆様へ「茶の湯住宅プロデューサー」資格
一般社団法人茶の湯住宅推進機構
TEL 089-910-7377 FAX089-910-5680
愛媛県松山市西垣生町486番2
https://1510.or.jp

古民家再生・茶室・木造住宅の新築、リノベーションのことなら
ケイズデザイン二級建築士事務所
TEL 089-910-5679 FAX089-910-5680
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スキップフロアーでの古民家再生

スキップフロアーでの古民家再生

古民家再生の設計や施工を愛媛県松山市でおこなっています。現在再生工事中の古民家は納屋を居室に改装。馬屋の床が2階の床レベルより低いのでそれを利用してスキップフロアーにします。古民家(古民家の納屋)の再生工事の設計をしました。築年数不明ですが、馬小屋があったので間違いなく古い…

古いのでそれなりに手を加えていかないとなりませんが、倉庫を部屋として再生することになりました。耐震は倉庫の割に細かく部屋

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ウッドショックの波

ウッドショックの波

昨年から木材の価格が世界的に高騰して、木材不足が続いています。日本の木材自給率は37.8%しかなく、輸入する木材も入ってこないので柱や梁に使う住宅用木材も不足しており、その波が半年遅れで松山にも来たようです。
材木屋さんの在庫が少なくなっており、注文してもいつ入ってくるのかが不透明になってきました。10月になるといつ建築できるかわからない…という事態になるかもしれないと大工さんたちも慌て始めました

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工事監理の大切さ

工事監理の大切さ

東京都八王子市で4月に個人が所有するアパートの外階段の防腐処理されていない木製の踊り場が崩落して住民の58歳の女性が亡くなられた痛ましい事故がありました。この事故のニュースを受けて建築士の責任について考えてみました。

アパートは横浜の建築事務所が設計、2012年民間の指定確認検査機関で建築確認済証を発行して現在破産手続き中の工務店が施工。警視庁は業務上過失致死容疑で捜査しているそうだ。

当初の

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