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ただのエッセイ

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冒険と言わずして何と言う

冒険と言わずして何と言う

※こちらのエッセイは、「ことばとからだとこころ」というイベントの7月の課題作品として書きました。本来は縦書きで教科書のように仕上げた作品ですが、ここでは横書きで発表しています。
テーマは「思い出の場所」。



実家の隣には、雑草がぼうぼうに生えた広い空き地がある。

昔、その場所には廃墟があった。廃墟になる前は、スイミングスクールと喫茶店、百人以上が入る規模の宴会場を持つ和食レストラン、赤い絨

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雨の日には、ミミズが土の中から這い出してくる

雨の日には、ミミズが土の中から這い出してくる

※こちらのエッセイは、「ことばとからだとこころ」という言葉イベント6月の課題作品として書きました。
テーマは雨。

しばらく雨が降り続いて、ようやく落ち着いたある日。窓を開けると、庭の土がぼこぼこしているのことに気づいた。
ぼこぼこの正体は、ミミズ。ミミズが、土の中から這い出してきた跡。

土の中から、どういう理由かわからないけれど地上に這い出してきて、残念にもアスファルトの上で干からびてしまった

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親友と音信不通になったあと、実はネオ・スピリチュアルに思いっきり振り切ってた話【後編】

親友と音信不通になったあと、実はネオ・スピリチュアルに思いっきり振り切ってた話【後編】

親友が音信不通になったあと、実はネオ・スピリチュアルに思いっきり振り切ってた話【前編】

ようこは、先にカフェに到着していた。ちょっと張り出してきたお腹をなんとなく隠して、「久しぶり〜」と、座っているようこに声をかけた。
ようこは相変わらずかわいくて、カラフルなワンピースがよく似合っていた。ちょっとだけ化粧が濃くなった気もする。今までようこはあんまり濃い化粧はしなかったから新鮮だ。
ドキドキしなが

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親友と音信不通になったあと、実はネオ・スピリチュアルに思いっきり振り切ってた話【前編】

親友と音信不通になったあと、実はネオ・スピリチュアルに思いっきり振り切ってた話【前編】

最初にお伝えしておくと、私はスピリチュアルなことを全て受け入れないタイプでは無い。
毎朝テレビでやってる星占いはなんとなく見てしまうし、年末が近づくと雑誌に掲載される「20××年上半期運勢占い」という特集を美容室でカット中にいつも見てしまう。他県の人よりもいくぶんか信心深い奈良県人だし、厄年には厄除けの神社に行くし、お正月は神社でお札を買って帰る。
先週、仕事仲間から「おれ来年最強の年やねん!マヨ

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女性が生きにくい社会を作ったのは、本当に国や男性なのだろうか

女性が生きにくい社会を作ったのは、本当に国や男性なのだろうか

全部が全部そうだ、というわけではない。それほど、世間に物申す!というほどの強い主張ではないし、ふと感じる程度だから、どうか「そうじゃない人もいますよ!」みたいな当たり前の意見は頂戴しないよう望む。

どうしても最近「子供を産みにくい」「子供がを育てにくい」「女性が社会で活躍しにくい」という女性の声は、国の制度や男性の考えを改めて欲しいという方向に叫ばれているものも多いように感じる。

確かに、国が

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