Kohei ARAYA

科学教育研究者? 2024年は毎週1本何かについての記事を書きます。

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科学教育研究者? 2024年は毎週1本何かについての記事を書きます。

記事一覧

再帰性(5):阪本(2007)の感想

今回の記事では,阪本(2007)を読んだ感想をまとめておきます。 読んだ論文はこちら: 阪本英二(2007):第12章同じ〈場所〉にいること—「当事者」の場所論的解釈—, …

Kohei ARAYA
8日前

再帰性(4):樋口(2010)の感想

今回の記事では,樋口(2010)を読んだ感想をまとめておきます。 読んだ論文はこちら: 樋口直人(2010):第5章あなたも当事者である—再帰的当事者論の方へ, 〈当事者…

Kohei ARAYA
3週間前
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再帰性(3):Pillow(2003)の感想

今回の記事では,Pillow(2003)を読んだ感想をまとめておきます。 簡単ではありますが,論文の概要を整理した後に,私のたんなる感想を列挙しておきます。 読んだ論文は…

Kohei ARAYA
4週間前
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研究者のアイデンティティ(2):Inouye & McAlpine (2019)の感想

今回の記事では,研究者のアイデンティティ(Researcher Identity)にかかわって,執筆活動とフィードバックに関するレビュー論文を紹介します。 紹介する論文はこちら: …

Kohei ARAYA
1か月前
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研究者のアイデンティティ:Castelló et al. (2021)の感想

研究者ってなんだろう。 研究者としてどうやって生きていこうか。 研究者やそれを志す人なら,一度は思い悩んだことがあるのではないでしょうか。 しかしなかなか答えは出…

Kohei ARAYA
1か月前
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再帰性(2):Berger(2015)の感想

今回の記事では,Berger(2015)を読んだ感想をまとめておきます。 簡単ではありますが,論文の概要を整理した後に,私のたんなる感想を列挙しておきます。 読んだ論文は…

Kohei ARAYA
1か月前
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再帰性(1):教育学の参照基準

大学で学生を教えるとき,私の中で聞こえてくる声があります。 「じゃあ,お前はどうなんだよ?」 大学生の頃,私は決して褒められた学生ではありませんでした。 しかし…

Kohei ARAYA
1か月前
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質的研究のための学術論文執筆基準(7):修辞スタイル

はじめにアメリカ心理学会(APA)から公表されている「質的研究のための学術論文執筆基準」(Journal Article Reporting Standards for Qualitative Research,以降,「質-…

Kohei ARAYA
2か月前
2

質的研究のための学術論文執筆基準(6):考察

はじめにアメリカ心理学会(APA)から公表されている「質的研究のための学術論文執筆基準」(Journal Article Reporting Standards for Qualitative Research,以降,「質-…

Kohei ARAYA
2か月前
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質的研究のための学術論文執筆基準(5):知見/結果

はじめにアメリカ心理学会(APA)から公表されている「質的研究のための学術論文執筆基準」(Journal Article Reporting Standards for Qualitative Research,以降,「質-…

Kohei ARAYA
2か月前
6

質的研究のための学術論文執筆基準(4):データ収集・分析

はじめにアメリカ心理学会(APA)から公表されている「質的研究のための学術論文執筆基準」(Journal Article Reporting Standards for Qualitative Research,以降,「質-…

Kohei ARAYA
2か月前
1

質的研究のための学術論文執筆基準(3):研究参加者

はじめにアメリカ心理学会(APA)から公表されている「質的研究のための学術論文執筆基準」(Journal Article Reporting Standards for Qualitative Research,以降,「質-…

Kohei ARAYA
3か月前
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質的研究のための学術論文執筆基準(2):タイトル・アブスト・序論

はじめにアメリカ心理学会(APA)から公表されている「質的研究のための学術論文執筆基準」(Journal Article Reporting Standards for Qualitative Research,以降,「質-…

Kohei ARAYA
3か月前
6

質的研究のための学術論文執筆基準(1):方法論的整合性

はじめにアメリカ心理学会(APA)から公表されている「質的研究のための学術論文執筆基準」(Journal Article Reporting Standards for Qualitative Research,以降,「質-…

Kohei ARAYA
3か月前
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良い質的研究とは?:Tracy(2010)の紹介

良い質的研究とは、どのようなものなのでしょうか? 量的研究に比べて、質的研究の良さ、品質、クオリティを判断する基準は曖昧であるように思います。 今回は、良い質的研…

Kohei ARAYA
3か月前
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ゆく年くる年,書く年読む年

あけましておめでとうございます。 2024年は書いて読む年にしたいと思います。 noteで毎週土曜日に1本の記事を書きます。 多くは研究に関するものになるかもしれませんが…

Kohei ARAYA
4か月前
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再帰性(5):阪本(2007)の感想

再帰性(5):阪本(2007)の感想

今回の記事では,阪本(2007)を読んだ感想をまとめておきます。

読んだ論文はこちら:
阪本英二(2007):第12章同じ〈場所〉にいること—「当事者」の場所論的解釈—, 宮内洋・今尾真弓(編)あなたは当事者ではない—〈当事者〉をめぐる質的心理学研究—, 146-156, 北大路書房.

阪本(2007)の概要阪本(2007)は,これまでの当事者という言葉が,外部からの観察によって判定できるよう

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再帰性(4):樋口(2010)の感想

再帰性(4):樋口(2010)の感想

今回の記事では,樋口(2010)を読んだ感想をまとめておきます。

読んだ論文はこちら:
樋口直人(2010):第5章あなたも当事者である—再帰的当事者論の方へ, 〈当事者〉をめぐる社会学—調査での出会いを通して—, 87-103, 北大路書房.

『〈当事者〉をめぐる社会学—調査での出会いを通して—』は,少し前にオートエスノグラフィー研究を進めていたときに目を通した本でした。
そのときはまだま

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再帰性(3):Pillow(2003)の感想

再帰性(3):Pillow(2003)の感想

今回の記事では,Pillow(2003)を読んだ感想をまとめておきます。
簡単ではありますが,論文の概要を整理した後に,私のたんなる感想を列挙しておきます。

読んだ論文はこちら:
Pillow, W. (2003). Confession, catharsis, or cure? Rethinking the uses of reflexivity as methodological power

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研究者のアイデンティティ(2):Inouye & McAlpine (2019)の感想

研究者のアイデンティティ(2):Inouye & McAlpine (2019)の感想

今回の記事では,研究者のアイデンティティ(Researcher Identity)にかかわって,執筆活動とフィードバックに関するレビュー論文を紹介します。

紹介する論文はこちら:
Inouye, K., & McAlpine, L. (2019): Developing academic identity: A review of the literature on doctoral writi

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研究者のアイデンティティ:Castelló et al. (2021)の感想

研究者のアイデンティティ:Castelló et al. (2021)の感想

研究者ってなんだろう。
研究者としてどうやって生きていこうか。

研究者やそれを志す人なら,一度は思い悩んだことがあるのではないでしょうか。
しかしなかなか答えは出ません。
今回の記事では,答えを出すための一つのヒントになるのではと,研究者のアイデンティティ(Researcher Identity)に関するレビュー論文を紹介します。

紹介する論文はこちら:
Castelló, M., McAlp

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再帰性(2):Berger(2015)の感想

再帰性(2):Berger(2015)の感想

今回の記事では,Berger(2015)を読んだ感想をまとめておきます。
簡単ではありますが,論文の概要を整理した後に,私のたんなる感想を列挙しておきます。

読んだ論文はこちら:
Berger, R. (2015). Now I see it, now I don’t: Researcher’s position and reflexivity in qualitative research.

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再帰性(1):教育学の参照基準

再帰性(1):教育学の参照基準

大学で学生を教えるとき,私の中で聞こえてくる声があります。

「じゃあ,お前はどうなんだよ?」

大学生の頃,私は決して褒められた学生ではありませんでした。
しかし,大学教員として,学生に一丁前に教えならなければいけません。

私は大学生だったとき,どうだったのだろうか。
大学教員の私が言うように,大学生のときの私はきちんと勉強していたのだろうか。
そして,大学教員の私はそれを隠すことなく今の教育

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質的研究のための学術論文執筆基準(7):修辞スタイル

質的研究のための学術論文執筆基準(7):修辞スタイル

はじめにアメリカ心理学会(APA)から公表されている「質的研究のための学術論文執筆基準」(Journal Article Reporting Standards for Qualitative Research,以降,「質-JARS」とします)について紹介します。

今回紹介する本はこちら
Levitt, H. M. (2021). Reporting Qualitative Research i

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質的研究のための学術論文執筆基準(6):考察

質的研究のための学術論文執筆基準(6):考察

はじめにアメリカ心理学会(APA)から公表されている「質的研究のための学術論文執筆基準」(Journal Article Reporting Standards for Qualitative Research,以降,「質-JARS」とします)について紹介します。

今回紹介する本はこちら
Levitt, H. M. (2021). Reporting Qualitative Research i

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質的研究のための学術論文執筆基準(5):知見/結果

質的研究のための学術論文執筆基準(5):知見/結果

はじめにアメリカ心理学会(APA)から公表されている「質的研究のための学術論文執筆基準」(Journal Article Reporting Standards for Qualitative Research,以降,「質-JARS」とします)について紹介します。

今回紹介する本はこちら
Levitt, H. M. (2021). Reporting Qualitative Research i

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質的研究のための学術論文執筆基準(4):データ収集・分析

質的研究のための学術論文執筆基準(4):データ収集・分析

はじめにアメリカ心理学会(APA)から公表されている「質的研究のための学術論文執筆基準」(Journal Article Reporting Standards for Qualitative Research,以降,「質-JARS」とします)について紹介します。

今回紹介する本はこちら
Levitt, H. M. (2021). Reporting Qualitative Research i

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質的研究のための学術論文執筆基準(3):研究参加者

質的研究のための学術論文執筆基準(3):研究参加者

はじめにアメリカ心理学会(APA)から公表されている「質的研究のための学術論文執筆基準」(Journal Article Reporting Standards for Qualitative Research,以降,「質-JARS」とします)について紹介します。

今回紹介する本はこちら
Levitt, H. M. (2021). Reporting Qualitative Research i

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質的研究のための学術論文執筆基準(2):タイトル・アブスト・序論

質的研究のための学術論文執筆基準(2):タイトル・アブスト・序論

はじめにアメリカ心理学会(APA)から公表されている「質的研究のための学術論文執筆基準」(Journal Article Reporting Standards for Qualitative Research,以降,「質-JARS」とします)について紹介します。

今回紹介する本はこちら
Levitt, H. M. (2021). Reporting Qualitative Research i

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質的研究のための学術論文執筆基準(1):方法論的整合性

質的研究のための学術論文執筆基準(1):方法論的整合性

はじめにアメリカ心理学会(APA)から公表されている「質的研究のための学術論文執筆基準」(Journal Article Reporting Standards for Qualitative Research,以降,「質-JARS」とします)について紹介します。

今回紹介する本はこちら
Levitt, H. M. (2021). Reporting Qualitative Research i

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良い質的研究とは?:Tracy(2010)の紹介

良い質的研究とは?:Tracy(2010)の紹介

良い質的研究とは、どのようなものなのでしょうか?
量的研究に比べて、質的研究の良さ、品質、クオリティを判断する基準は曖昧であるように思います。
今回は、良い質的研究とはどのようなものなのか?について考えるための一つの手がかりとして、Tracy(2010)を紹介します。

Tracy, S. J. (2010). Qualitative quality: Eight “big-tent” crite

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ゆく年くる年,書く年読む年

ゆく年くる年,書く年読む年

あけましておめでとうございます。
2024年は書いて読む年にしたいと思います。
noteで毎週土曜日に1本の記事を書きます。
多くは研究に関するものになるかもしれませんが,日々の色々なことについて書ける範囲で書いていきます。
以前,日記をつけていたことがあったのですが,それを少しオープンな形でやってみようという取り組みです。
日記,エッセイ,自叙,戯言,メモ……どうなるかはわかりません。

最も大

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