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2023年11月の記事一覧

何度聴いても新鮮な延原武春/テレマン室内オーケストラのブランデンブルク協奏曲

何度聴いても新鮮な延原武春/テレマン室内オーケストラのブランデンブルク協奏曲

J.S.バッハ:ブランデンブルク協奏曲(全曲)

指揮:延原武春
チェンバロ:高田泰治
ヴァイオリン:浅井咲乃
フルート:森本英希
リコーダー:村田佳生
テレマン室内オーケストラ(モダン楽器)

感想1

感想だけ読みたい方は途中は飛ばしてください😅

去年に続いて2回目。冬の風物詩。

定食屋に行くと日替わり定食をよく頼む新しいもの好きの私にしては珍しい同一出演者による同一プログラム。

ブラ

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思わぬ通奏低音 ウィリアム・クリスティ/レザール・フロリサンの「ヨハネ受難曲」

思わぬ通奏低音 ウィリアム・クリスティ/レザール・フロリサンの「ヨハネ受難曲」

オペラシティで、ウィリアム・クリスティが指揮するレザール・フロリサンを聴いてきた。

J.S.バッハ:ヨハネ受難曲 BWV245

ウィリアム・クリスティ(指揮)
バスティアン・ライモンディ(テノール/エヴァンゲリスト)
アレックス・ローゼン(バス/イエス)
レイチェル・レドモンド(ソプラノ)
ヘレン・チャールストン(アルト)
モーリッツ・カレンベルク(テノール)
マチュー・ワレンジク(バス)

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コンサートホールは魑魅魍魎の館 古典四重奏団のショスタコーヴィチ その2

コンサートホールは魑魅魍魎の館 古典四重奏団のショスタコーヴィチ その2

ルーテル市ヶ谷センターで、古典四重奏団のショスタコーヴィチ・チクルス第2回を聴いてきた。

レクチャー
弦楽四重奏曲第1番ハ長調作品49 
弦楽四重奏曲第5番変ロ長調作品92 
弦楽四重奏曲第4番ニ長調作品83 

今回は演奏会の感想とそれ以外の話題の2本立て。

読後の余韻を大事にしたい方は演奏会の感想だけにしといた方が吉かも😅

演奏会の感想

5番が一番よかった。演奏水準にムラはなく、お

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サラステ/N響のシベリウスは歌わない サントリーB定期

サラステ/N響のシベリウスは歌わない サントリーB定期

サントリーホールで、NHK交響楽団B定期1日目を聴いてきた(11月15日)。

シベリウス:交響詩「タピオラ」作品112

ストラヴィンスキー:ヴァイオリン協奏曲

《ソリストのアンコール》
フィンランド民謡「コプシン・ヨーナス」

シベリウス:交響曲第1番 ホ短調 作品39

ヴァイオリン:ペッカ・クーシスト
指揮:ユッカ・ペッカ・サラステ

久々に大ハズレのコンサートだった😵

何がハズレか

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この逸材を放ってはおけない シーヨン・ソン/神奈川フィルの「新世界より」

この逸材を放ってはおけない シーヨン・ソン/神奈川フィルの「新世界より」

横浜みなとみらいホールで、神奈川フィル定期を聴いた。

F.プライス:アメリカにおけるエチオピアの影 ※日本初演

コルンゴルト:ヴァイオリン協奏曲ニ長調Op.35
《ソリストのアンコール》
スコット・ウィラー:アイソレーション・ラグ 〜ギル・シャハムのために

ドヴォルザーク:交響曲第9番ホ短調Op.95「新世界より」

指揮:シーヨン・ソン
ヴァイオリン:辻彩奈

急遽購入したコンサート。

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代役の神様ジョン・アクセルロッドとN響の「くるみ割り人形」

代役の神様ジョン・アクセルロッドとN響の「くるみ割り人形」

NHKホールで、NHK音楽祭を聴いてきた。

チャイコフスキー:バレエ音楽「くるみ割り人形」作品71

指揮:ジョン・アクセルロッド
児童合唱:東京少年少女合唱隊

先日書いたが、ウラディーミル・フェドセーエフの代役としてジョン・アクセルロッドが振ることになった。

アクセルロッドは一昨日まで二日間、仙台フィルの定期演奏会を指揮していた。

昨日はリハーサルしたのだろうか? タイトなスケジュールな

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思い出の海外オーケストラ(3)

思い出の海外オーケストラ(3)

今までの記事はこちら。

2006年24 ザールブリュッケン放送交響楽団 (スタニスラフ・スクロヴァチェフスキ)

スクロヴァチェフスキもかなり実演を聴いた。
常任指揮者を務めていた読売日本交響楽団とのブルックナーやブラームス。手兵のザールブリュッケン放送交響楽団とのベートーヴェン交響曲チクルスは、6・7番以外の3夜通った。
宇野功芳はスクロヴァチェフスキの芸風を褒めつつも「箱庭的。スケールが小

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思い出の海外オーケストラ(2)

思い出の海外オーケストラ(2)

前回の続きです。前回はこちら↓

2000年16 ロッテルダム・フィルハーモニー管弦楽団 (ワレリー・ゲルギエフ)

ゲルギエフは朝比奈隆の次に多く実演を聴いた指揮者。
爪楊枝のような小さな指揮棒からダイナミックな音楽が魔法のように生まれ出すのにすっかり魅了された。
しかし、ロンドン交響楽団とのマーラーやプロコフィエフ、シマノフスキの録音を聴いてから、音楽性が野性から精緻へ変化したのを感じ取り、

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