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冠婚葬祭における筆ペン使用の謎:左利きにとっての困難

みなさんこんにちは!

前回の続きです。
なぜ左利きの私が、習字の指導をする際、大筆は右手、小筆は左手を使って指導したのかについてお話します。

時の流れとともに、冠婚葬祭も変わってきました。

20年位前までは、職場の親族がなくなると訃報が流れ、訃報掲示板に情報が掲示され、関係ある職員はほぼ皆葬儀に参加していました。
時には、応援要請などもあり、受付を同僚の先生たちが請け負うこともありました。

自分の職場の同僚の親族が亡くなり、応援要請で手伝いに行った20年以上前のお話をします。
応援要請があったときに、主に行う私たちの仕事は受付業務です。
受付に立ち、香典を受け取り、記帳してもらいます。
そして香典返しを渡します。
最後に名簿と香典の数を確認し、受付の片付けをしたら終了。

問題は受付名簿への記帳です。
この記帳に使う筆記用具はなんと筆ペン1択。
当時でも筆ペンとサインペンが置かれる場合もあるのになぜ?
「受付は筆ペンだけでいいわよね」
という一言で、筆ペンのみに決定。サインペンの意見はゼロ。
それは受付担当が皆右利きの学校の先生だったからです。
昔の先生は皆、達筆です。
おそらく何も考えていなかったと思います。

左利きの私にとってはもはや拷問。

受付の手伝いに来たので、先に受付名簿に記帳をします。
「先生も早く名前書いて!」
「はあ…」
これを言ったのは、なんと以前万年筆貸してくれた万年筆先生です。
嫌な予感しかない。
目の前にあるのは、筆ペン。
そのペン先をよく観察すると、筆先がソフトになっていて柔らか。
自分が右手で書いたらどうなると想像してみた…
「右手はムリ…」
左手で書いたらどうなるかも想像してみると…
「ソフトな筆先のせいで、思いっきり字がつぶれて滲んでしまう~~」
「できるだけ先っぽだけ使えばなんとかなるんじゃね」
と思い、筆を左手に。
結果は…
できるだけ先っぽだけ使ったつもりでも、筆圧コントロール難しく後半になると力が入ってしまい、少し滲んでしまった。

そんなことよりも自分の名前だけ、小さな子どもが書いたような字。
要は、雑な字です。
「ふざけて書いたの?」
と思われても反論しようのないくらいの字です。

右利き先生たちは皆、達筆。
万年筆先生が
「先生の字、子どもみたいな字だね」
といって笑う。
万年筆に続く2度目の辱めにあった。
こればかりは、どうすることもできなかったのです。
左利きという事実だけは。

今では、そんな左利きでもある程度ごまかしのきく筆ペンも登場しました。
「筆タッチサインペン」
です。
これだと、左手でも結構うまく書けます。
左利きの人におススメです。

この体験から、毛筆は右じゃないと書きにくいことはわかっていたのですが、将来、記帳するような場面に出くわしても、恥ずかしくない字を筆ペンでかけるようになってほしいという思いから、小筆だけは左手で書かせるようにしてきました。
そもそも使ったことのない右手で小筆をコントロールするのはムリもあるので…
左手で筆先のコントロールの仕方さえ身に付けてしまえば、筆を使う場面に遭遇しても(もうそんな場面に遭遇することはないと思いますが…)、筆タッチサインペンとう便利なペンを携帯していればなんとかなります。

結論
なぜ、冠婚葬祭の受付名簿の記帳に筆ペンを使うのか。
右利き多数派社会では、筆ペンだろうが、サインペンだろうがどっちでもよいのです。
おそらく何も考えず
「ふつう、受付では筆ペン使うでしょ」
程度で片づけられた事案だったということです。
おそろしい多数派社会。
「ふつう」っていったい何なのでしょうね~

今回はこのへんでおしまい。
ではまた!

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#書道
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