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エッセイを書きたかったけど、書けずに、行き着いた場所。

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2023年3月の記事一覧

【エッセイ】 やった感。

【エッセイ】 やった感。

最近、本が読めていません。読もうと思って時間を作っているのに、集中力が続かないというか、色々なところに興味が移ってしまって。読み終わる前に次なる本に手を伸ばしてしまうんです。こういうことって、よくあることなのかしら。

これが恋愛だったら最悪だよね。乗り換え乗り換え乗り換えだもの。イヤ、二股、三股、四股、五股ってやつか。ハタから見ると破滅的だけど、相手が本だと話は変わる。本だと許されてしまう。いや

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【エッセイ】 ムダムダムダムダ!

【エッセイ】 ムダムダムダムダ!

音楽を聴いたり、映画を見たり、本を読んだり、美術館に行ったり、動物園に行く。これほど楽しくて豊かで贅沢な時間はないと思う。

でも、ムダなことだとも思う。すごくムダだ。まるで社会の役に立ってないし、自分のためにもなってない。ディオに殴られそうだ。ムダムダムダムダー!

そんな相反する気持ちが自分の中に混在する。こうして文章を書いてる時間だってそう。なにをしてても感じてしまうんです。ウチがしているこ

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【エッセイ】 寝違えた!

おはようございます。朝起きると、まったく首が回りませんでした。お金が返せないとか、そういう意味ではなくて。寝違えた、ってやつです。

あたし、たまーに寝違えることがあるんですけど、この歳になってからの「寝違え」はなかなか堪えますね。

人間のカラダって想像以上に全身を使ってるみたいです。まずね、首を動かそうとすると背中が痛くなるんです。だから背中をカバーして腰からカラダを使わないといけない。立って

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【エッセイ】 枝豆のキャパシティ。

【エッセイ】 枝豆のキャパシティ。

自分のキャパシティは枝豆みたいなものなのかもしれない。ふさに収まるのは、三つくらいが限界。やりたいことが出来れば、すでにあるものを捨てなくてはならない。

本を読んだり、テレビやネットの世界を眺めていると、キャパシティなんて言葉を知らないみたいに才能に溢れた人が多すぎる。次から次へと才能を開花させ、「マルチ」なんて言葉が取り沙汰されるから、つい自分もナンデモデキルと思っちゃうんだけど・・・。

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【エッセイ】 毎日が分岐点。

【エッセイ】 毎日が分岐点。

定期的にタイムスリップしたくなる。静かな夜道を歩いている時なんて特に思ってしまう。「このまま夜の世界に飲み込まれて、気づいたら学生時代で・・・」なんてね。

夢みたいなことを考えながら歩いているからガードレールに膝をぶつけることもしばしば。あの時の痛さったらない。歯にくるんだよね、衝撃が。たぶん、現実的な痛みを使って神様が教えてくれてるんだよ。過去に行ったら今のお前はいなくなっちゃうぞーって。

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【エッセイ】 とおまわり。

【エッセイ】 とおまわり。

人間、同時にできることって少ないのかもしれない。ここ数年、ウチは色々なことに挑戦してきたが、そのどれもが続かなかった。文章、イラスト、ダンス、語学、ラジオ。自分の「関心」に従い、色々と行動を起こしたつもりだったけど、長持ちしない。けっきょくのところ、いつもの自分に戻ってきてしまう。

でも、そのどれもが微かなカケラとして今の自分に残っているのも確かで、時間の使い方が変わったりする。わざわざ時間をか

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【エッセイ】 テマの時代。

【エッセイ】 テマの時代。

「本を読めなくなった」

先輩は残念そうに言った。年齢を重ねるたびに、読書する体力が落ちてきてるんだとか。まるで足腰の筋力が弱っていくみたいに読書ができなくなっていくらしい。

先輩はお医者さんの家系に生まれた典型的な才女だ。天真爛漫に生きてきたのに、学校の成績は常にトップを誇るという、あたしには理解し難いほど、頭がいい。「友達は本だった」と断言するほどの読書家で、しかも速読だったらしい。1日に何

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【エッセイ】 いったり、きたり。

【エッセイ】 いったり、きたり。

「人には適性がある」という気持ちと「人は環境に合わせて変化しなければいけない」という思いがぶつかって摩擦を起こしている。痛くて痛くてたまらない。

シロクマが砂漠で生きていけないみたいに、人間にもそれぞれの適性があると思っている。どう頑張っても器用になれない人はいると思うし、コミュニケーションを取るのが苦手な人もいる。それは単なる適性の話で、適性が合わない人に、無理強いするのはかわいそうだよ。だっ

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【エッセイ】 スキル。

【エッセイ】 スキル。

心の裡を言葉にできる人が羨ましくて仕方ない。
ここのところ自分なりに文章を書いているんだけど、どうしても自分と文字との間に距離を感じてしまうんです。書いてはいるけど、うまく表現できてないなって思ってしまう。

それでも、話すことよりはよっぽどラクなの。書くことのほうが、自分の気持ちを伝えられていると思っちゃう。会話の速度よりも、書いてる時のほうがうゆっくり時間が進むから、こんなウチでも言葉にできる

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【エッセイ】 主役。

【エッセイ】 主役。

静かな場所で本を読んでいると、ヒソヒソ話などの微かな会話が、やけに大きく耳に飛び込んでくる。聞きたくない、聞きたくない、集中しろ、集中しろ、と思うほど、会話は正確にウチの鼓膜を振動させる。

どうでもいい。本当にどうでもいい会話だ。興味も湧かない。なのに、耳にフタができないジレンマ。ヘンな話だね。

目はまぶたを閉じてしまえば、世界を遮断できるし、鼻も息を止めてることができる。口を結べば言葉は出て

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【エッセイ】 苦手な言葉。

【エッセイ】 苦手な言葉。

子どもの頃から、「勝てば官軍」という言葉が苦手だった。
初めてこの言葉を聞いたのは、中学校の社会の時間だったと思う。社会科の先生は、妙に俗っぽい人だった。

初めての授業の時、先生は「オレ、右手の薬指が麻痺してっから、字が汚ねぇんだけどよぉ、わりぃな」としゃがれた声で叫んだ。教師とは思えないほど言葉づかいが荒く、骨格もガッシリとしているせいか威圧感もあり、全体的にガサガサしていた印象だった。スポー

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【エッセイ】 没頭できない人生。

【エッセイ】 没頭できない人生。


子どもの頃から、没頭できるものがなかった。なにをしても続かない。すぐに飽きてしまう。目移りしてしまう。そんな人生を送ってきた。

オモチャもあったし、ゲームもあった。本も漫画もそばにはあった。ピアノの習い事までさせてもらっていた。でも、続かない。途中で放り出して、ごろ寝。これが、あたし。

あまりにも没頭できないから、いつも頭の中には「ヒマ」の2文字が浮かんでた。途中から、「自分は没頭できないと

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