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自由詩

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助からない日記

助からない日記

不安がしがらむとき
この世界の小さなひとつを想像する
心は明日の準備のための
今日のことでいっぱい

「誰か」に助けをもとめる
誰か、とは誰になるのか
わたしが決めてしまっている

わたしは浅ましいから
「助けてほしい」といえない
助かる理由が
あなたにないことを知っている

言葉で怒らせて
言葉で慰めて
わたしはそれから笑っても
きっと助からない

グッドエンド

グッドエンド

極寒な帰り道にとらわれて
死んだ人のようにトボトボ
新しい生活も慣れたから
こんな風に思うのでしょうか

布団の中で塊になって
夕方過ぎまで夢の中で
わたしは疲れていると
言い訳をダラダラしてる

このまま人生が終わったら
わたしは寂しくなること
きっとわかっている筈なのに
その時間を大切にはしない

となりには美しい人、いやかわいい人
いたような気がした
ふたりで一緒になることが
まるで目的みた

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あなたとわたしの短い1日

あなたとわたしの短い1日

人間なんて矛盾する生き物だから
そう開き直ればこの不機嫌も理解できるのかな
心のどこかにある不安が
いつもあなたの陰だって
わたしはわかっていた

わたしは午前11時半に起きる
寝ぼけたあなたを横目に
あなたはわたしを知らない人の名前で呼ぶ
がたがたと階段を転げ落ちるように
わたしの気持ちは水面に触れる

ご飯を食べるより
どこかへ遊びに行くより
夢を叶えるより
わたしは好きな人に会いたい
でもだ

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新幹線

新幹線

「本のページを忙しくめくるみたいに
新幹線の窓から流れていく景色を見ることが好きだった」
みたいな喩えが嫌いだった

「形があるプレゼントは捨てれば忘れられるけれど
ふたりの思い出は形がなくて捨てられなかった」
みたいな引合いが嫌いだった

「言葉を並べただけで意味が無い方が
かえって美しいはずだ」
みたいな悟りが嫌いだった

「好きなものにすきというような
素直な表現はむずかしい」
みたいな穿ち

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正座ごっこ

正座ごっこ

向かい合って
わらい合って
見つめ合って
わたしたち正座ごっこ

勝ち負けが
生まれるような関係は
品性の無いモノと
思っていたけれど
わたしとあなたの土俵際
ピリピリと音がした

わたしの恋に
「つまらない」という気持ちを
植え付けたあなたは
それはそれは重い罪なんだと
自覚するべきだわ

わたしたちの正座ごっこは
そろそろ足がしびれて来る頃
立ち上がってもがまんしても
きっとわたしの負け

月曜日の入門編

月曜日の入門編

何だかんだで
吐き叫ぶほど不幸じゃない
心の中の徳川家に
上手く飼い慣らされている

生身のあたしを愛して欲しい
お手手を握りあって
言ってしえば、やってしまえば
大したことでは無いんだけれどね

売れないバンドを慰めるような
「新曲はでないの?」の言葉
曲とよべるような代物は
まだひとつも出来上がってないの

いつだってシフト制のわたしは
月曜日の意味を忘れている
女子高生のキラキラの頃に
戻れ

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僕らはそういう関係

僕らはそういう関係

楽しみにしていた映画
わたしのために待ってくれた
それなのにわたしとあなたは
一生一緒にいられない関係

僕はお酒が飲めて
あの子は飲めない
居酒屋へいってもつまんないんだろうな
それくらいに吐き捨てた

わたしは恥ずかしいけれど
あなたの前で口を開けた
何かを食べる行為って
突然恥ずかしくなるわよね

僕らがどんな関係だって
語り合うことはやめよう
きっとアイスのように
溶けていきそうだから

あの子みたいに

あの子みたいに

あの子があの子たる理由
あの子の笑顔は決して
わたしのものとは違う
あの子の困った顔は
漏れなくあなたを虜にさせてる

あの子みたいな言葉遣いが
わたしの口から垂れ落ちても
わたしがわたしたる理由で
あなたには響かない

「特別」という言葉が
この世界にはある
この狭い世界で
あの子はあなたの特別である

わたしはどんな気持ちを
あなたにぶつけてやろうかと
顔も言葉も憎しみを込めて
そのまま愛をか

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対をなす

対をなす

いつでもどこでも
助けてくれる男の子よりは
どうしようもないまま
わたしをつなぎ止めてくれる方がいい

わたしはわたしを大切に
わたしと対をなすわたし
わたしはなんとなくわたしと
一生付き合っていけるはず

初めて会った時は
まるでどこかの天使のようで
向かい合わせの珈琲を飲むだけで
すぐに空へと飛んでいけそうだった

鏡にうつるわたしの平日
このまま生きていけたらいいな
泣いてるあの子もきっとい

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まだまだ

まだまだ

きっと君は
僕が助けてくれると思ってたんだろう
きっと捨てられないと思ってたんだろう

まだまだ君を知らないから
間違いだと言われるけれど
失敗して成長をするって
人間は一体いつまでやっているの?

両腕で抱きかかえて
なんて愛しい言葉も今ではセンシティブ
気付かなければいけないわけではなくて
気付いた誰かが傷つけばいいだけ

空いっぱいの水面を見上げて
割り切れない気持ちに終止符を打つ
投げや

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いつかの彗星

いつかの彗星

「夏」にまつわる全てのことに
飽き飽きしてきた
排水溝に転がした氷
こんなにも暑いのになかなか溶けない

生活に何も起こらなくて
わたしたちどうなっちゃうかな?
わたしっていらなくなっちゃうかな?
弱々しく伸ばした手が
いつかの彗星のよう

小っ恥ずかしい言葉遣いは
もうあなたにはしたくない
強がって不機嫌にさせた方が
あなたの感情が見えていい

くたくたの「ワイシャツ」に
色気を感じていたわたし

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私の知らない7月

私の知らない7月

夜中の寝苦しさをこじ開ける
正夢にならないように
1杯の水を喉にかき込む

いつでも心躍る
朝なんてこないのだけれど
この朝靄を繰り返すたび
身体はゼロを求めているような気もする

今は既に7月
私の知らない27回目の7月
まだそんなものしか
人生は廻っていないのね

帳がおりること
遅くなった7月
少しだけ心が沈んで
作るご飯にも億劫になって
口だけ渇いていく
普段履だけ濡れている

愛憎限りなし

愛憎限りなし

汚い言葉で殴り倒して
あなたの中の愛情を
ほじくり返してやりたい

こんなに誰かに必死になることは
かえって虚しい心理
そう説く連中が目をチラつく
それで納得できる結びつきならば
静かに離れればいい

憎しみとも取れる笑顔
いつしかわたしは
あなたに理屈で追い越そうと
躍起になっていて
汗水を垂らしているようだった

自覚があるだけ利口だよ
そう励まされる
盲目な心理には自覚がある
人肌と馴染んだ

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裸の月の下

裸の月の下

生きてたいとも思わないけど
死ぬ理由にもなりはしない
叶うことがないのなら
なんで願う夢をつくったの

私たちは
裸の月の下
半日以上も眠りについて
やわらかい体温に触れ合った

くたくたのお鍋
なんで夏に食べるのかって
もっと早く聞いてくれれば
楽しかったんだろうな