食事と精神医学(5): 日本印度化計画~カレーを食べて認知症と鬱病を予防するぜ！~

「♪日本を印度にしてしまえ！
オレにカレーを食わせろ
オレはいつでも辛さにこだわるぜ
オレにカレーを食わせろ
オレはいつでも辛さにこだわるぜ
高円寺で見たターバンの男よ
オレをいざなえガンヂスの流れに..♪」

(筋肉少女帯「日本印度化計画」)

皆様、こんにちは！鹿冶梟介(かやほうすけ)です。

筋肉少女帯の名曲「日本印度化計画」という曲をご存知でしょうか？

このぶっ飛んだ曲は30年前に流行りましたが、実はこの「日本を印度にしてしまえ！」というのはあながち間違っていない主張なのです…(真顔😳)！

閉塞感漂うこの日本を救うためには日本を印度化するべし...、すなわちカレーが救世主となるのです(極論)！

…と、半分以上冗談なのですが、本当にカレーは精神医学的に素晴らしいフードなのです。

今回は「食事と精神医学」の第5回目として、カレーが認知症とうつ病を改善する(かも？)という論文を紹介いたします！

尚、データが多いためいずれの論文も一部のみをご紹介いたします。

↓筋肉少女帯「日本印度化計画」、ぶっ飛んでおります！

【研究紹介1: オレにカレーを食わせろ！認知症を防ぐぜ〜！】

Curry consumption and cognitive function in the elderly. Ng TP et al., Am J Epidemiol, 2006

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/16870699/

<目的>
カレーの消費量が、非認知症における認知能力の向上と関連するかを検討する。

<方法>
対象:シンガポールにおいて60歳以上の高齢者1,092人（回答率72%）を対象に、2003年2月15日から2004年3月30日まで実施された人口ベースの調査を実施。
そのうち83％が中国人、10％がマレー人、7％がインド人であった。

データ: 既往歴、治療中の病気、内服、物質使用(アルコール・タバコなど)、カレーを含む食事摂取、機能評価、運動習慣、精神疾患の半構造化診断面接などの詳細な情報を収集した。

心理テスト: 被験者はMini-Mental State Examination（MMSE)（認知症のスクリーニングテスト)を実施した。

カレー消費量: 自己申告による普段のカレー摂取頻度のレベルは、「全く食べない・ほとんど食べない」（6ヶ月に1回以下）、「たまに食べる」（6ヶ月に1回以上、月に1回以下）、「よく食べる」（月に1回以上、週に1回以下）、「とても食べる」（週に1回以上〜毎日）と定量化した。最後の「とてもある」と回答した被験者は少なかったため、「よく食べる」のカテゴリーと統合した。

統計: 有意差検定に一元配置分散分析法を用いた。
カレー消費量の3つのカテゴリーに関するMMSEスコアの重み付け一般化線形モデリングを用い、カテゴリー間の線形効果と二次効果の多項式対比を行い、共変量調整により(性別、年齢、教育レベル、民族、高血圧、脂質異常症、冠動脈疾患、脳卒中、糖尿病、喘息、慢性閉塞性肺疾患、喫煙、アルコール、NSAIDおよびステロイド使用、ADL、体力、社会および生産活動、うつのうむ)、カレー消費群の調整済み平均総MMSEスコアを推定した。

<結果>
カレーを全く食べない、またはほとんど食べない被験者と比較して、カレー摂取量の多い被験者は、MMSE成績の既知および推定相関因子による交絡の可能性を考慮すると、粗平均MMSE得点（p = 0.004）、および調整平均MMSE得点（p = 0.023）がより高かった。

<結論>
認知機能の低下していないアジア人高齢者において、カレーを摂取することで認知機能を維持する可能性が示唆された。

【研究紹介2: オレにカレーを食わせろ！うつ病を防ぐぜ〜！】

The association between curry-rice consumption and hypertension, type 2 diabetes, and depression: The findings from KNHANES 2012–2016. Nguyen HD et al., Diabetes Metab syndr, 2022

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34974329/

<目的>
カレーライス摂取と心血管疾患（CVD）、2型糖尿病（T2DB）、関節炎、うつ病との関連を評価する。