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メタル君の「今日の精神医学豆知識!」(316)-(320)

皆様、こんにちは。鹿冶梟介(かやほうすけ)です😆

突然ですが、このメタル君の「今日の精神医学豆知識!」で重大なミスをしてしまいました…😭

なんと、朝ツイートのNo316からNo320をすっ飛ばして、320から総集編をご紹介しておりました…。

しかもナンバリングも間違えている…(既に修正済みですが)

最近ちょっと忙しいので、こういったミスがおこったのでしょうか…😖(若干疲れ気味?)

これからはこんなことがないよう注意いたします!

ご存知の様に、メタル君の「今日の精神医学豆知識!」は、X(旧: twitter)で毎朝8時にアップしております。

X(旧: twitter)民の皆様も、X(旧: twitter)では語りきれなかった【メタルのおまけ】がございますので、ご興味があれば本記事を是非お読みください!


【今日の精神医学豆知識集!(その64)】

316.統合失調症の神経病理において、古典的な意味における”神経変性疾患像”は存在せず、脳の器質的障害で生じるグリア細胞の反応性増殖を認めないよ。しかし神経同士をつなげる”シナプス”が減少するから、統合失調症も脳器質的変化はあると言われているよ。

2023年9月16日

【メタルのおまけ】
人間の神経細胞は胎児期でだいたい数は決まっているけど、神経細胞同士の繋がりである「シナプス」は生後8ヶ月まで増加するけど、以降は10歳ごろまで減少しづけるよ。これをシナプスの刈り込みというんだけど、この刈り込みが過剰に生じるのが統合失調症だと言われているよ。

↓頭を刈り込むならバリカンですね!


317.統合失調症の神経病理では皮質の介在神経細胞の減少、オリゴデンドロサイト(希突起神経膠細胞)の減少、錐体細胞の狭小化が観察されるけど、いずれも統合失調症で必ず生じる現象ではないよ。あくまで統合失調症の神経病理的変化を支持する”有力"な所見という意味だよ。

2023年9月17日

【メタルのおまけ】
統合失調症における介在神経の減少は神経病理だけでなく、DNAマイクロアレイによるとGABA遺伝子レベルの低下や、脳波・脳磁図で観察されるγ band oscillationの変化が報告されているよ。いずれも介在神経の発現や機能に関与するよ。

↓アレイといっても、鉄アレイとは違います。


318.統合失調症の病態メカニズムとしてミクログリアと呼ばれる脳内免疫細胞の活性が関与しているという"ミクログリア仮説"があるよ。ただし、ミクログリアの活性は統合失調症だけでなく、うつ病患者でも見られる現象だから、統合失調症に特異的な現象ではないかも知れないね。

2023年9月18日

【メタルのおまけ】
ミクログリアは脳にある免疫担当細胞で、脳内の炎症反応に関与する細胞だよ。統合失調症におけるミクログリア仮説は、微細な炎症反応が脳の中でおこっている…、という仮説なんだけど、このミクログリアの活性を抑える抗生物質ミノマイシンが統合失調症に効くかどうかを検討した研究もあったよ。

↓極論かも知れませんが、このような本もあるそうです。


319.大脳新皮質は6層構造なんだけど、胎児期に脳の奥で生まれた神経細胞が脳表面へ次々と移動していくことで形成されるんだ。この神経細胞の移動の異常が統合失調症の発病の素地になるのでは…、という仮説があるよ。いわゆる統合失調症における”神経発達障害仮説”だよ。

2023年9月19日

【メタルのおまけ】
統合失調症の発病仮説として二段階仮説(Two-Hit Theory)というのがあって、発達早期の固定的病変がfirst hitで、思春期ごろに何らかの病的過程がsecond hitとして加わることで統合失調症が発病するという考えなんだ。そして神経発達障害仮説は、このtwo-hit theoryのfirst hitに該当するよ。

↓あまり関係ないですが、ヒットマンといえば「ファブル」を思い出します。


320.哺乳類の脳において記憶を司る海馬では神経細胞のリニューアル(神経新生)が起こっているんだけど、統合失調症においてはこの神経新生に障害があると言われているよ。でも、他の精神疾患モデルでも同様の現象が観察されるから統合失調症特異的な現象ではないよ。

2023年9月20日

【メタルのおまけ】
神経新生の障害は統合失調症モデルだけでなく、うつ病やPTSDモデル動物でも観察される現象だよ。したがって統合失調症の病態の本質ではないと考えられるけど、統合失調症の認知機能障害等に関わるのでは…、と考えられているよ。

↓「新生」と言えば、新生MMR!!(って、知らんがな…😅)


【メタル君の考察】

今回は「統合失調症の生物学的仮説」に関してツイートしたよ!

生物学的”仮説”と言うとおりで、本当にこのような病態が統合失調症の本質であるかはまだわかないよ。

統合失調症をはじめ多くの精神疾患を生物学的に評価する試みにはここ20-30年で盛んになりデータの蓄積は膨大になったけど、いまだ「群盲像を評す」という状況だと思うな。

それでも研究し続ければ病態メカニズムや治療法確立につながると思うから、研究者の皆様には是非がんぱってほしいですね☺️

これからもマニアックな精神科ネタをガンガン紹介していくぞ😉


↓ドラゴンクエストモンスターズ3の発売が近づいてますね!


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