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アンニュイ・オーミソカ #第二回お肉仮面文芸祭
「──ここでいうサザンカ、というのがお肉仮面のことだ」
「はあ」
12月末、雪のちらつく、某キャンプ場。
俺──阿佐谷ユータは、焚き火の向こうに座る女性・師走サツキさんの言葉に曖昧な相槌を返す。そこに含まれた「よくわかりません」というニュアンスを感じ取ったのか、サツキさんは「えーとな?」と笑って言葉を続けた。
「さっきの"ドレミの歌"と同じだよ。隠語ってやつ」
「サザンカが?」
「そう、
1992年8月2日 #第二回お肉仮面文芸祭
8mmテープって知ってるかい?
知らない? いやそうだろうな。君くらいの年頃ならデジカメ……いやスマホで十分キレイな動画が撮れるだろうとも。しかし私が君くらいの年の時はそうはいかなかった。カセットタイプの保存機器があってね。ちょうどマッチ箱を二つ……マッチ箱を知らん? どうもなかなか話が噛み合わんね……とにかく君のスマホより少し小さいくらいの、磁器テープを巻き取った箱が映像媒体の保存装置だっ
【肉帯低気圧バースト】 #第二回お肉仮面文芸祭
今日の東京はくもりのち、肉。
所により雷肉となるでしょう。
憂鬱な天気予報に思わずため息が出た。
窓から見える空には雲が流れ、うっすらと、赤い色がさしている。
東京に肉が降るようになってから、いったいどれぐらいの時が経ったのだろう。たしか、子どもの頃には肉なんて降ってなかったよな。そんなことを思う。
ため息をつき、もう一度空を見た。
空の赤みが増している。
もうじき肉が降って
【不法投棄ガチャ】ビデオテープ!拾ってきた!【#憑身たまね】
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21/12/29 01:29
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……!……、…!
……?…?…………!?
っ、やばぁ…ミュートしてた。ゴメンゴメン。
えっと……音量、大丈夫?大丈夫かな?
良い?よし。それじゃ、とりあえず…
ハロー!払いたま
お肉仮VS.ビヨンドミート仮面
お肉仮面が監禁されてから3日が経った。顔に付けているサーロインステーキは熟成しすぎて黒ずんでいる。
プラスチック複合材の天井、タイル張りの壁と床、換気扇がついた窓。4歩あるけるくらいの広さ、洗面台と便器以外に家具らしいものがない。監獄の独房、あるいはどこか廃家のトイレか。壁に嵌まった頑丈な金属ドアが唯一の出入り口だ。
3日前、お肉仮面は親友の電楽とすたみな太郎高崎店で楽しい時間を過ごしていた。
特殊殲滅官『お肉仮面』#第二回お肉仮面文芸祭
"PULP" FICTION -- TAKE 1, ACTION!!
🥩🥩🥩
2021年。
感染症の猛威から息を吹き返したように光り輝く都会。仕事に追われる光であれ、仕事から逃れる光であれ、一様にキラキラと贅沢感を演出している。
デートにピッタリな夜景をバックに、2人の男が話していた。1人は、黒ジャケットを身に纏い、下にはきっちりスーツを着る堅物の男。煙草を蒸かす彼は、国家と繋がり
その日ぼくは、防犯ブザーを鳴らしました #第二回お肉仮面文芸祭
御巫山戯と真面目との違いは、視点と切り取り方の違いに過ぎない――芸術家は真面目な顔をしてそう言った。
🥩🥩🥩
「キミ。聴きたいことがあるんだ」
ぼくは、背負ったランドセルに付いている防犯ブザーに手が伸びた。
そりゃそうだよ。
だって、気持ち悪い顔の男が、いつも遊んでる遊具に座って、ぼくを見つめてくるんだもの。学級通信によく書いてあった「フシンシャ」ってやつだ。朧げにしか覚えてない
【2021/11/29から】第二回お肉仮面文芸祭のお誘い
めっきり寒くなってきましたが、体調は崩していないでしょうか。暖かいココアでも飲みながらお読みください。
こんにちは。電楽サロンです。
お肉仮面のお話を作る「第二回お肉仮面文芸祭」に皆さんも参加してみませんか?
お肉仮面とは?
電楽サロンの友人。常に生肉の仮面を着用しており、素顔は誰も知らない。
毎週、各地で撮った写真をInstagramで公開している。甘いものがすき。
お肉仮面文芸祭