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文芸

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うんこの短歌に元気をもらう

うんこの短歌に元気をもらう

サバンナの象のうんこよ聞いてくれ
だるいせつないこわいさみしい

大好きな穂村弘さんの歌です。それまで私が知っていた短歌は、恋の切ない気持ちとか、美しい自然について詠んでいるものばかりでした。だから最初は、うんこ?!短歌で?!と衝撃でした。一度目にするとなかなか忘れられない一首です。でも、読めば読むほど味のある歌だと思います。うんこの味は想像もしたくないけど。うんこって、なんかなんでも受け止めてく

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さよならだけが人生ならば。

さよならだけが人生ならば。

最近恋愛への興味・関心が底をつきました。したいこと、やるべきことに溢れている今だから思うのかもしれませんが、付き合っても結局お互い傷ついたりして別れるし、ていうかどうせ別れるならそもそも付き合うって何?意味は?という雪の女王、エルサモードです。傷つくくらいなら、自ら建てた城に立て込んでしまおうってわけです。

恋愛面でだけそうなら、全然いいですよね。人生を豊かにするのは恋愛だけじゃないので、どうぞ

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この文章に、ずっと焦がれている

この文章に、ずっと焦がれている

 国語の授業は、私にとって素敵な文章との出会いの連続で、大好きでした。そんななか、他が霞んでしまうくらい好きな作品がありました。でも、どんなに好きなものも、時間の流れは残酷で、薄れていってしまいます。いつ習ったっけ?作品の名前は?私はもうこの作品について、「朝焼け」と「少女が空を見上げて言葉の無力さにムズムズしてる」ということしか思い出せませんでした。検索をかけてもなかなか見つからず…。それでつい

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大城立裕「カクテルパーティー」

どちらかというと、沖縄が好きではない
私は、生まれ育った地であるこの「沖縄」に興味がありません。さらに言うと、沖縄が好きではありません。私は幼い頃からテレビっ子でしたが、印象に残るニュースといえば、沖縄戦、基地問題とそのデモ、毎年恒例の学力テストが最下位だというものばかりです。そのころ私は幼く、政治や歴史のことは詳しく分かりませんでしたが、沖縄が困っているのだということ、弱い立場にあるのだというイ

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又吉栄喜「豚の報い」

私は、漫画や歌集、詩集は読むのですが、小説はあまり読みません。それでもせめて自分の生まれた土地について書かれている小説は読もう!と思い、大学で沖縄の文学についての講義を取りました。以下は、その講義で又吉栄喜さんの「豚の報い」を読み提出した感想文になります。

人は、話を聞いてくれる人を信じる
冒頭で、豚が突然店内に乱入してくるのは確かに驚くが、女性たちがなぜそこまで怯えているか不思議だった。もちろ

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