国語の授業は、私にとって素敵な文章との出会いの連続で、大好きでした。そんななか、他が霞んでしまうくらい好きな作品がありました。でも、どんなに好きなものも、時間の流れは残酷で、薄れていってしまいます。いつ習ったっけ?作品の名前は?私はもうこの作品について、「朝焼け」と「少女が空を見上げて言葉の無力さにムズムズしてる」ということしか思い出せませんでした。検索をかけてもなかなか見つからず…。それでつい先日、県立図書館で私が当時使っていた国語の教科書を漁ってみたんです。そしたら再会しました…執念の勝利!長年焦がれていた甲斐がありました。紹介させてください。
和江ちゃん…。もうそう呼びたい。雲を遊ばせている黄金の空、絶妙な光の舞踏、父から流れてくるいたわり。私の感受性に引っかかった言葉たちが再発掘されていき、胸がいっぱいになりました。中学3年の新学期、国語の授業中。涙が溢れそうになり、慌てて拭ったのを覚えています。14歳の少女の、柔らかく繊細な部分に寄り添ってくれたんだと思います。和江ちゃんが父から受け取った''いたわりのバトン"は、この文章を通して私へと繋がれたわけです。ことばの1つ1つが"いたわり"そのものでした。そして、あの頃と変わらず、私はいくつになってもこの文章に焦がれているんだと思います。そうありたいです。自分の感受性くらい、自分で守りたいなと思います。
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