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ハゲ消しゴムにムカついたって話。幼稚なレベルの仕事ばっかりしてると、幼稚な客しか寄り付かなくなるよ。


今20~30代の普通の人にとってはバブル後、リーマンショックそして311の後、親やオトナ達がどれくらい大変な目にあっていたかを、わからないなりにもなんとなく感じていたから夢や希望と同じかそれ以上に弱者になったり地獄に堕ちる可能性も理解していました。だから「普通のサラリーマン」って別に差別の対象じゃないんですよ。

そこがね、もうズレてるんですよね。

昔意識高い人たちがやってた
「おまえらサラリーマンは不景気で大変だろうけど俺たちや若者にはカンケー無えから」
みたいな謎の上から目線の空気の読めなさ、積極的な分断は僕らが実際に若者だったころですらちょっと引いていたんです。
いやいや将来弱者になるかもしれないのに、そしたらこいつらのおもちゃにされちゃうじゃんって。

だからもうあのタイプのギャグには乗れないんです。時代遅れ。
確かにああいう所謂「オヤジ」が共通の敵、蔑みの対象だった時代があったかもしれません。
でも今それやるのって、ナチュラルに差別でありハラスメントであって嫌悪感を抱く人が増えてる事に気づいてますか?

気付いてないだろうな。

こういう言葉は嫌いですけど、まあテレビ病ですよね。
滅茶苦茶バラエティ番組っぽいですもんね。
あのノリとその寒さ。特定の属性をステレオタイプに戯画化して叩く遊び。ああいうのが受けると思ってること自体の気持ち悪さ。

テレビ型のいじり笑いって全て例外なく強者目線のギャグです。いじめの再現です。
信頼関係があるとか、愛のあるいじりだとか、我々はプロだとかいろんな屁理屈をこねてましたけど結局ケツをバットで叩く番組が終了したのと同じで、もう時代がそれを求めていないんですよ。

実は人っていじめちゃいけないことになっているんです。
ご存じでしたか?

もうオカマとかホモとかガイジンをネタにできないのと一緒で、老若男女すべて平等に守られるべきとされている時代なんです。
そんななかでハゲとサラリーマンとオヤジという属性だけはをまだ無条件にいじめていい例外だとでも?
とんだ世間知らずですね。昭和脳。

面白さの元にある残虐性、実在する被害者の姿や心情を人と社会、時代が理解してしまったら、天秤にかけて笑いよりも倫理が勝つんですよ普通は。

だからいまだにあのスタイルで笑っていられる人は常識か経験か倫理のどれかまたはすべてが欠如している狂人です。
見た目若そうなのに、あなた達が忌み嫌う中年のセクハラオヤジと同レベルだったという、なかなかの皮肉。

常識がアップデートされていないと見下されても仕方ありません。

それでもやりたいなら、私は身体的特徴や見た目、弱者を馬鹿にして笑いを取ることでお金を稼ぐ卑しい人間であるからその商売の邪魔をしないでいただきたいってはっきり言えばいいのにね。まあ言えないですよね。

反対する意見と真っ向からぶつかってでも自分のアートだって突き詰めればいい。傷つく人がいようが関係ないって言えばいいのに。色々な意見を貰いましたとかこれから気を付けますとか言って逃げちゃって。ダサイですよ。

取り巻き連中もこれくらいで騒ぐなとか不寛容な社会だとか表現の自由がとかいってなんか常識人のふりをしないでほしいんですよね。

悪人になる勇気がないんだったらああいう事をやる資格はないんですよ。

「なにマジになってるの?」

これですよ。やっぱりいじめですよね。いじめる側の常套句。
やってるほうはさぞ楽しいでしょう。やめられないんですよ。暴力は癖になりますから。

まさか反論されるなんて思ってなかったのかもしれませんね。
え、なんで?みんな本当は気持ち悪いハゲオヤジって嫌いでしょ?なんで守るの?って。

人々が守ろうとしているのはハゲオヤジそのものではなく、老若男女すべての人々が平等に虐められない権利です。そこに気づいていない。

同じようなことがテレビでも起きますけど、視聴者の中に弱者が要ることが想定されてないんですよね。
あいつら全員強者だから、いままでいじめた事しかないんです。それが面白かったから狂気を再生産してしまう。

「ふだん虐げられてる弱者の皆さんもいじめる側になって楽しんでくださいね。あなた達の何倍もお金を貰って普段偉そうにしてる人が虐められるのを見るのは楽しいでしょう?ほら、代わりにもっとやってあげますよ」

行き過ぎた暴力性をはらんでいたり、それに対して何が問題なのか本人たちが全く分かっていない事がわかったとき、その狂気が見え隠れする。

ああいう笑いを、面白いと思えない人がいることが全く抜け落ちているんです。

住む世界が違う、前向きな意味ではなく本当に違う世界の人間なんだなってはっきり思います。

それを見て育った人たちもまたその狂気を再生産してしまうんでしょう。彼のように。

マスオさんを例に出すまでもなくテレビの中で「お父さん」が会社にいるシーンがあまりにも適当なのは、作ってる人が誰一人会社がなんなのかを知らないからです。

専門職や知識のある人は職業系のドラマや映画で冷めたりした経験一度や二度じゃないと思いますけど、ああいうのってマトモな一般常識を持った人が作ってるわけじゃないですからね。

リアルの社会と乖離した老人とその子分たちが生み出し続ける、非現実的で能天気な素晴らしきセカイ。まともな神経してたら20代でもう付き合ってられないと思います。

アタマがアップデートされていない「先輩」が幅を利かせている業界にいるうちに修正も訂正もできず、ますます現実社会との乖離が深刻になっていく。

あの程度の幼稚さでクリエータぶってるようじゃ遅かれ早かれ客は離れると思います。
発信力を武器に「属性」をあざ笑い、差別を金儲けの道具にするような連中が長く続くわけありません。

今回彼が無意識にも攻撃したのはほかでもない「普通の人」ですからね。

一番最悪なのはその差別で金をかせごうとするクリエータどもであることはゆるぎないとして、二番目にクズなのはそれに同調することで自分が強者であるかのように振る舞う人ですよね。

自分には何もない弱者もそういう「目線」を持つだけで強者のフリができる。
なにも持ってない哀れで醜い虫たちの自尊心を満たしてくれる欺瞞。

彼らの薄汚い感情を金に換えるお仕事。

分かります?

だんだんそういう客ばかりになって行くんですよ。
そんなレベルのお仕事ばかりしてると、クズの相手ばかりしなければいけなくなってくるんです。

そんな人たち相手に何かをクリエイトしたとして、それってあなたが本当になりたかったお仕事なのでしょうか?

だとしたら、別にいいのですが。



おしまい。

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