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ある日突然その日はやってくる、DV被害者にやってくる根拠のない衝動

私はDVにあっていると聞けば、絶対に逃げてと言います。

でも今すぐ、強制的に、絶対に逃げてとは言えません。
それはやはり自分が経験したから、どれほどの勇気と覚悟が必要かわかるからです。

DV被害者が警察に通報したり、病院を受診するのは、もう覚悟を決めた時です。
一人で子供を育てる!
もう彼に脅されようと怯まない、戦う!
絶対に死んでたまるものか!
何の根拠もないのに、このような勇気が湧いてくるのは本当に突然で、衝動的です。
でも被害者にはこの衝動的な瞬間をモノにするしかないのです。
加害者と一緒にいても根拠など作ることは不可能だからです。

社会から断絶させられ、情報を操作され、通信手段を奪われ、監禁されているような人たちがそんな覚悟を決められる日が来ると思いますか?

人間は太陽にあたっていないとビタミンDが不足し、鬱になりやすいと言われています。
実際シアトルのような日照時間が少ない場所では自殺者が多いです。

それプラス、暴力、暴言、脅しの中で生活していると、自分で物事を考えることができなくなります。
お前は世界一のバカだと植え付けられているのです。
実際監禁されると外出したり人と話す機会がないので、本当に自分は無能で外に出ると恥ずかしい人間だと思い込むようになります。

それを怠け者だと言う人もいます。

私も自分で自分に、そう言って言い訳をして外に出て働いて大変な思いをすることを避けているだけだ。
だったら暴力を振るわれても無料でご飯を食べられて、無料で住めるところがあるところにいた方が安全で楽だし、子供も生きていける。

そしてさらに自己嫌悪になり、自分さえ養う自信がないのに子供を巻き込むなんて自分勝手なのではないか?
実際それは夫に言われましたが、それも洗脳の一部であり、でも現実でもあります。

私は今DVやモラハラにあっている人には今すぐ逃げるしかないと、何度も書いています。
今もこれからもそう思うことは変わりません。

でも逃げるには相当の覚悟が必要です。
命懸けです。
逃げ出したから終わりではありません。
逃げ出したから、誰かが助けてくれて幸せな人生が始まるのではありません。
結婚と同じで、そこからまた新し人生が始まるのです。
今度はパートナーはいません。
一人で子供を養い、守り、育て、安全な環境を与え続けていかなければいけません。
本当に大変で、今も私はどうにか踏ん張っている状態です。
このアメリカで一歩間違えたら一気にホームレスになるでしょう。

それでも生きていけます、生きていくしかないからです。
でも決して辛いことばかりではありません。
私はアメリカで親も知り合いも親戚も、友達も誰もいませんでしたが、少しずつ足場を築き上げ、ゼロだったのが1にはなりました。
まだまだ1ですが、自分の足で歩いた1は本当に大きな1でした。
1を築き上げるには、相当な痛みや時間、お金を犠牲にして何度ももうダメだと泣きながら全力疾走し続けることが必要でした。

私は、私と同じように立ち上がり今も踏ん張っている女性を何人も知っています。
こういった経験を持つ人たちはだいたい自分の経験を活かして人助けの仕事の道に進む人が多いです。
私もそういった人たちに助けられてきたので、彼らがいてくれたから今があると言っても過言ではありません。

私はその方向には進まず、全く関係のない分野での仕事に就き、過去は隠して普通の人のように生きていますが、いつもいつも全力で困っている人がいれば助けます。
私は日本ではそれなりにちゃんと長く働いた分野があったので、その経験を生かしてちゃんと仕事で評価してもらいたいと思ったのでその道は選びませんでした。

でも時々昔の関係者から相談を受けることがあるので、その時は思いっきり助けます。できる限りの情報や発信元や全力で提供します。

だから諦めることだけは絶対にしないで欲しいと願っています。

私は経験者から言われました。
焦らないで、いつか絶対その日は突然やってくるから心配ない。
そしてその日は本当に来たのでした。



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