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Mg.Asano
2023年1月2日 01:06
~~ 空から君がふってきた ~~ぼくじゃだめかな?それならいっそ、ぼくのせいで君が、幸せになってしまえばいい誰かを想うということを知った不器用だけど純粋な、ぼくたちの本気第1章…01 五月のよく晴れた日曜日。俺、久我隼斗は、母校である小学校の運動会にやってきていた。 とくに知り合いがいる訳でもなければ、運動会そのものに関心があるわけでもない。正直をいうならば黄色いその声援も
2023年1月29日 14:14
第2章…01 いつものように、皐月のベルが私を呼んだ。彼女がいつ来ても飛びだせるように、着替えならとっくに済ませている。素早く立ちあがり荷物をもつと、いっきに階段を駆けおりる。 階下で仕事をしていた母が、そんな私の姿をとらえ手をとめた。こちらへ歩きながら、どこへ行くのかと問うている。遊びにいくとだけ言葉をかえし、私はそのまま外にとびだした。 足を止めまともに向きあえば、母のお小言に付きあわ
2023年2月18日 20:39
第3章…01 二学年になり、北校舎へと移ったわたしたち。本校舎とのあいだに中庭をはさんでいるこの校舎は、四階建てのおおきな建物だ。その三階と四階が、二学年が使用するおもなスペースとなっている。 新校舎といわれるだけあって、建物自体はとてもきれいで広々としている。ただ悲しいことにこの校舎には、屋上へつづく階段というものがないのだ。 一年の校舎へいくわけにもいかず、しかたなく毎日を教室ですごし
2023年3月6日 15:57
第4章…01 放課後のくつばこで石川たちに声をかけられ、案内したい場所があるとつげられた。ついて来るかこないかと問われ、ふたつ返事で行くとこたえる。 ふたたび行き場をなくしてしまっていたわたしたち、そこがどんな場所であろうとかまいはしない。ためらうことなく、彼らのあとをついていく。 大通りをさけるかのように、ふだんは通らない住宅地のなかをひたすらあるく。もうずいぶんと歩いたように思い「まだ
2023年6月4日 18:23
最終章…01 二ヶ月ほどまえのことだろうか、少年学院を仮退院したおれは、横浜にうつり住んでいた。院指定の会社に就職をして、そこの社長の監視のもとで保護観察の身として働いている。 そんな社長のもとに、とつぜん矢野からの連絡がはいった。地元中学の卒業証書、それを授与したいという内容だった。 社長からの報告をうけたおれは、とくにうけとりたいという意思はないと返答した。母親にでも渡しておいてくれれ