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本の感想

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『世界滅亡国家史』

『世界滅亡国家史』

『世界滅亡国家史』
ギデオン・デフォーさん(サンマーク出版)

こんな理由で、こんな簡単に国家って滅亡しちゃうの???
いや、そもそも国家ってこんな簡単に生まれるもの?!

という、始終驚きに満ちた本だった。

もちろん、いろいろ端折ってわかりやすく書いてある。
それにしても、だ。

国家を続けていくことの難しさを知る。
あまり詳しくは書かないので、とりあえず帯を読んでほしい。
この本を読まずには

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『世の中に悪い人はいない』

『世の中に悪い人はいない』

『世の中に悪い人はいない』
ウォン・ジェフンさん(KADOKAWA)

この前に読んだ本からの頭の切り替えがうまくいってなかったのか、読み始めはなかなか内容が頭に入ってこなかったのだけど、読み進めるうちにじわじわ効いてきた。
傷つけたり傷つけられたり、勝手に傷ついたりと生きているだけで何かしらの傷が生じるのが人間。
帯にもあるように不思議な話がちょこちょこと。表題作はSFちっくなファンタジー。

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『その本は』

『その本は』

『その本は』
ヨシタケシンスケさん/又吉直樹さん
(ポプラ社)

好きだわー
又吉さんもヨシタケさんも好きだわー

ヨシタケさんの方に闇感というか
又吉さんの方にほっこり感多めというか

いいね、アラビアンナイト
最後はふふふ
どうなっちゃうのかね笑

『汝の名』

『汝の名』

『汝の名』
明野照葉さん(中央公論新社)

再販の頃にTwitterで未来屋書店の福原さんがお薦めしていて(帯コメもだね!)気になって買っていたのだけど、すぐ読まなくて読み始めてからドラマ放送中だということを知ったりしてなんだかタイムリーね、なんて思ったり。

人と人との繋がりは変わっていくし、愛は強すぎると歪みが生まれる。
歴史に名を残さなくとも、悪女って至る所にいるのかもしれない。こわい。

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ナテジュさん

ナテジュさん

『花を見るように君を見る』
『愛だけが残る』
ナテジュさん[訳 黒河星子さん]
(かんき出版)

恋愛のことはよくわからんので、家族とか友達に対する愛に当てはめて読んだよ。
誰かを愛しいと思う気持ちは全世界共通。
愛についての詩をここまで多様に書き続けるナテジュさんすごく溢れるどころか溺れそうなくらいの愛の持ち主なんだろうな。

『一万円選書-北国の小さな本屋が起こした奇跡の物語-』

『一万円選書-北国の小さな本屋が起こした奇跡の物語-』

こんばんはー( ´ ▽ ` )

北海道のいわた書店さんの一万円選書のお話。
実は私も3年前?4年前?に一万円選書に当選して選書していただきました。
いまだ全ては読めていないのですが(読め)

私も選書サービスしたいといい続け早数年。
上司にスルーされ続けています。
会社の仕組みの問題かしら。

『一万円選書-北国の小さな本屋が起こした奇跡の物語-』には一万円選書を始めるまで、そして数年後に起きた

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『はじめての』

『はじめての』島本理生/辻村深月/宮部みゆき/森絵都(水鈴社)

4人の直木賞作家が「はじめての」というテーマでそれぞれ描いた物語。
島本さんは「はじめて人を好きになったときに読む物語」
辻村さんは「はじめて家出したときに読む物語」
宮部さんは「はじめて容疑者になったときに読む物語」
森さんは「はじめて告白したときに読む物語」

ちょっとキュッとなるような苦しさもあり、そして優しい物語たちでした。

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『輝山』

澤田瞳子さん『輝山』(徳間書店)

地元石見銀山が舞台のお話。
そして澤田瞳子さん、直木賞受賞後第一作。

石見銀山大森代官所の中間という役職の金吾を中心に話が進んでいくけれど、ずっと金吾視点というわけでもなく。群像。

人にはそれぞれ事情がある。
そんな当たり前のことを、私たちはうっかり忘れがちではないかしら。
というか、銀山で働く人たちがこんな短命だと知らなかった。気絶(けだえ)というものも知

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『まずは、書いてみる』

『まずは、書いてみる』

私は手書きが好きだ。
スマホにメモアプリや手帳アプリも入れてはいるれけど、やはり紙のメモや手帳の方に書き記すことの方が多い。
そんなわけでノート術や手帳術、メモ術などの本やムックをいろいろ買って読むことも好きである。
新しく出るノート術やらの本は気になってまた買って読むしそこで新しい発見を得る。

しかしそんな私がなにかと思い出すのはこちら

藍玉さんの『まずは、書いてみる』(KADOKAWA)

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「彼らは世界にはなればなれに立っている」

「彼らは世界にはなればなれに立っている」

大田愛さん『彼らは世界にはなればなれに立っている』(KADOKAWA)

第4回山中賞受賞作品。

架空の世界の物語でありながら、リアルな危機感を覚える作品。
差別、悪意、戦争。
物語だからと読み流すことができない問題たち。

この物語の主要な登場人物たちがとても魅力的で、その魅力故に待ち受ける出来事を「運命」だなんて言いたくない。
彼ら彼女らはきちんと考えて動いているから。

流れに身を委ねるだ

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『男ともだち』

『男ともだち』

千早茜さん『男ともだち』(文藝春秋)

登場人物は全員、人としてダメだと言われる人たちだ。
それなのに、全員があまりにリアルで苦しくなる。

神名とハセオ。
この関係を築ける2人が、たまらなく羨ましい。

ともだちになるのに、性別は関係ない。
そう、関係ない、のだけれども。
この2人の関係は腐れ縁とも違うし、親友とも違う。
腐れ縁や親友という関係を軽く見るわけではないのだけれども、そんなものじゃな

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『まちの本屋』

『まちの本屋』

田口幹人さん『まちの本屋』(ポプラ社)

色々考えながら読みました。
うちならどうしたらいいか。
うちで出来ることはなにか。
会社の中でも末端の従業員なので意見が通らないことも多々あり。
でも、そこには私の熱量と説得力が足りないんだよなーと思ったりもしたりして。勉強になりました。

『東京ドリーム』

Coccoさん『東京ドリーム』(ミシマ社)

Coccoさんが大好きで、大好きで大好きで。
なんだかんだと読めていなかったのが、やっと読めた。

葛藤、怒り、悲しみ。
そしてその中に隠しきれない愛。

ひとつひとつは短いエッセイだけれど、
短いなかにギュッと思いが詰め込まれていて熱い。
そしてCoccoさんの感性から生まれる笑い。

自分の周りの人たちが恋しくなる。
ただすれ違っただけの知らない人

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