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『男ともだち』

千早茜さん『男ともだち』(文藝春秋)

登場人物は全員、人としてダメだと言われる人たちだ。
それなのに、全員があまりにリアルで苦しくなる。

神名とハセオ。
この関係を築ける2人が、たまらなく羨ましい。

ともだちになるのに、性別は関係ない。
そう、関係ない、のだけれども。
この2人の関係は腐れ縁とも違うし、親友とも違う。
腐れ縁や親友という関係を軽く見るわけではないのだけれども、そんなものじゃなくて。
『男ともだち』としか表現できないのだけれど。

不器用な登場人物たちに読んでいて苦しくなる。
その不器用さがリアルなんだ。

この2人には、ずっとこのままの関係でいてほしい。
羨ましいと思ってしまう関係の2人が、どうかずっとこのままで。

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