マガジンのカバー画像

ほぼ毎日エッセイ『わたしに翼』

80
2024.03.09〜 タイトルは大好きな朝ドラ『虎に翼』をもじって。 書くことで、大きくて豊かな、どこまでもいける、「私だけの翼」が手に入りますように。
運営しているクリエイター

2024年4月の記事一覧

誰かの決めた”美”

誰かの決めた”美”

日常の世界にもネット上にも、「誰か」の尺度で決められた美が溢れている。

自分はもう、そういう類の美しさには執着していないつもりだけど、ルッキズムに関連する発信やコメントを偶然見てしまうと、なんだか目の前が暗くなってしまう。

たとえば、私の肌は黄色みが強くて、日焼けしやすい。日焼けしても赤くならない代わりに、どんどん黒くなる。

でも、もうずーーっと前から「色白がよい」とされていない?世間様的に

もっとみる
私のファン、Kさん

私のファン、Kさん

舞台俳優として活動していた頃、ありがたいことに私にも「ファン」と呼ばれる方々がいて、力をもらっていた。

なかでも、私が10代の頃から応援してくださっていた方がいて、ずいぶん助けていただいた。仮にKさんとしよう。

Kさんは元々、私の師匠の劇団のファンで、そこに出演した私に目をつけていただいたのだった。以来、商業演劇から習い事の発表会(!)にいたるまで、足しげく劇場に通ってくださった。

私が上京

もっとみる
息子、2歳。母からみたわが子

息子、2歳。母からみたわが子

以前、息子は「圧倒的な他者だ」と書いた。
書いてみて、息子ってどんな子なのかな?と考えてみたくなった。

そこで、母(私)からみた息子について綴ろうと思う。

かわいい息子は目がくりくりしていて、耳が前に張り出していて、鼻と口が小さくてかわいい。

笑うとき、顔をくしゃっとさせるのもかわいい。

ご近所の方に出会うと「こんにちは!」と挨拶するばかりか「今日はあついですねぇ」などと言う。

「ママ、

もっとみる
結局、大事なのは人間関係。

結局、大事なのは人間関係。

新居に引越してきた。
私たちの住む家は大型分譲地の一角で、古い家と新しい家が混在している街にある。

わが家のご近所さんは、少し前に分譲地を買った方ばかりだ。引越ししたのだから早々にご挨拶したく、粗品を持って数軒のお宅のインターホンを押した。

この時点で、夫婦ともども緊張感MAXだった。どんな人が住んでいるんだろう、もしも相性の合わないお宅があっても、家を買ってしまったから逃げられないぞ……。

もっとみる
引越し前夜

引越し前夜

いよいよ、明日は引越しである。ここから月末までに荷物を運びきったり、マンションに残ったものを捨てたりする作業は残っているけど。

それに、新しい家具が配送されるまでに時間がかかるので、よーいスタート!で新生活が始まるわけでもない。ちょっとぬるっとした始まりになりそう。

近隣の方にご挨拶するのも、少し緊張している。どんな人たちが住んでいるんだろうか。

今のマンションは結婚してからの思い出が詰まっ

もっとみる
がんばりすぎないで、アンパンマン。

がんばりすぎないで、アンパンマン。

わが家の2歳児も、例に漏れず『それいけ!アンパンマン』が大好きだ。なので、アンパンマンのアニメを視聴したり、アンパンマンミュージアムなるものに足を運んだりしている。

アンパンマンミュージアムのショーをみていると、主役であるはずのアンパンマンはいつも控えめだ。そしてばいきんまんは出しゃばってくる。すごい勢いで。

体感だけど、子どもたちはばいきんまんの方が好きみたいだ。自由奔放にふるまう姿に共感で

もっとみる
33歳までの覚悟

33歳までの覚悟

妊娠したとき、私は29歳だった。あと数ヶ月で30歳になるという節目の年であり「30代は子育てで始まるんだなぁ」と思った記憶がある。

子どもがいる生活について、みんなが口を揃えて「大変だよ」と言うものだから、すごくすごく大変なんだろうな、と漠然と感じていた。

そして当時の私は、なぜか「33歳までは苦労する。その覚悟を決めよう」と思ったのである。

なぜ33歳だったんだろう?

33歳、っていうの

もっとみる
義母と回る寿司

義母と回る寿司

引越し準備で猛烈に疲れている。人生のなかで引越しは何度か経験したけれど、こんなに大変だったっけ?

各種手続き、家具購入、エアコンの工事、Wi-Fi、エトセトラ、エトセトラ。結婚してから久しぶりの引越しだから、忘れていることも多い。

それに、マンションから戸建てに引っ越すのは初めてだ。子どもがいる状態も初めて。疲れた。脳がパンク寸前、足は棒のようだ。

昨日から、福岡に住む夫の母が手伝いに来てく

もっとみる
無印良品夫

無印良品夫

夫は無類の「無印良品」好きだ。自宅最寄りの駅に無印良品があるのだが、なにかにつけてそこに行きたがる。

そもそも、彼のイメージは最初から無印良品だった。
あれは2013年の秋、まだ私たちが「ちょっとお互いを意識し合っている男女」だった頃。劇場でのリハーサルの予定があって(私は出演者、彼は裏方)、それまでにほんの少しだけ時間ができた。

昼食がまだだったので「何か食べて行こうか」という話になった。そ

もっとみる
「書くことが仕事になる」幸せ

「書くことが仕事になる」幸せ

うららかな月曜日。
静かなリビングで黙々と執筆をしていた。

月曜日の午前中は、特に集中力が研ぎ澄まされる。週末を経て、仕事ができる幸せを全力で噛みしめられるからかも。

いつものように原稿を書いていると、ふと気づいたことがあった。

「当たり前のように『書くこと』を仕事にしているけど……これってものすごい幸運じゃないか?」

普段、SNS上にはがんばっているライターさんの情報がたくさん流れてきて

もっとみる
正月インフル、新年度コロナ

正月インフル、新年度コロナ

2023年、息子は熱こそ人並みに出すものの、名前のついた病気にかかることはほぼなかった。

それが、2024年の正月にインフルエンザA型にかかり、新年度が始まった4月1日には新型コロナとアデノウイルスを併発した。今年は節目節目に病気をしている気がする。

特に正月のインフルの際には、息子がひと晩に熱性痙れんを2回起こして、入院することになった。看病している私に罹患し、さらに実家の両親も感染、母は肺

もっとみる
カラフルのチカラ

カラフルのチカラ

昨日、新居の引き渡しのために銀行へ行き、そこから新居の掃除、家具を探しにいくなどして結構疲れてしまった。

しかし、今日はポカポカといいお天気。
少し前に衣替えしていたのだが、ようやく春服が日の目をみることができそう!

私はファッションが大好きだ。冬服のビッグなシルエットや渋い色合いもいいけれど、春夏のかろやかな装いを愛している。

息子も春夏服へチェンジ。彼は暑がりなのでさっそく半袖に。私も、

もっとみる
子どもとの適切な距離感

子どもとの適切な距離感

ここ1年、自分の不用意な発言や行動が、息子の人格形成に大きな影響を与えてしまうのではないか……と悩みどおしだった。

保育園に預けたことが今後の人格に影響したら?私のような人間が育児をしたら息子に悪影響?などと、今にして思えば信じられないようなことで悩んでいた気がする。

そんな折、Webライターラボで一緒にママパパライター交流会を主催している「かばたあきこ」さんから勧めてもらったのが、こちらのv

もっとみる
私に翼は生えているか

私に翼は生えているか

4月1日から始まったNHKの朝ドラ『虎に翼』がすばらしい。

物語は昭和初期。1929年とあるから、今から100年近く前の話だ。当時は女性の人権意識がものすごく低く、女性に選挙権すらない。結婚すれば妻の財産は夫のものになり、妻は夫の庇護下におかれ「無能力者」とされる。

さらに当時、「姦淫罪」は女性にのみ適用されていた。夫は結婚後浮気してもかまわないけれど、妻が不倫をすれば罪になる、ということだ。

もっとみる