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記事一覧

入日

風が吹いている夕立の後 世界がオレンジ色に染まって 伸びてゆく影のその中に 鮫が居る さっき空から落ちてきた雫が キラキラと燃えて輝いている もうすぐ入日の風景に 鮫…

wakimizu
1日前
7

雨を待っている

雨を待っている 雨を待っている 充満した水分 鈍いオパール色に垂れ込めた午後の空 その空の中で一番濃い色の 重力に負けそうな あそこがついに諦めて水を地面に渡し始め…

wakimizu
13日前
8

香りさへ写らぬもどかし梔子

言葉が出てこない思い出すことも できない画面の上に口無し 今日もまた絶望しながら目が覚めた 私のことを永遠に寝かせて 香さへ写らぬもどかし梔子 こんな端末棄てしま…

wakimizu
1か月前
10

旧友

街道沿いの派手な家 君の遺影 シミの綺麗な壁紙に姿勢が良くなっている 昔からせめて並んで歩きたいなって 思っていたけど 私には今こんなにあるなんて 多すぎる 君の分だ…

wakimizu
1か月前
8

胡蝶の夢

誰かの綺麗な夢の中だけで 生きていられたらいいのになぁ 四季全ての花が咲き乱れて 光が それは柔らかい光が漂っているの そんな夢の中だけで 朝が来ても、やることはた…

wakimizu
3か月前
14

目覚めの気持ち

人の大切な物を壊す夢ばかり見る 自分の大切な物さえ壊せない臆病者のくせにね 私は私の空いた口を塞ぐためだけに手を使って そのまま転げ落ちて 頭を打って 死ぬのだ…

wakimizu
5か月前
5

自己紹介文1408

私は長女で、人に甘えることが苦手だった。 ある時それを克服したいと思った。 私は人と迷惑をかけ合って生きていきたいと思っている。 同じくらい楽しいことも分け合って…

wakimizu
6か月前
54

寒い

寒い だってそうです誰も そうするしかないと諦めているから 寒い 砂漠の遠くで冷えていく 体を心を暖められないから 寒い たった一つのものも 守れぬしがない手は何のた…

wakimizu
7か月前
5

衝撃で死ぬと思った。 しかし意外にも、私はふかふかの床で目を覚ました。 どこなのかよくわからない。だけど多分、さっき落ちた箪笥の中だと思う。 今ならなんでもできる…

500
wakimizu
10か月前
1

2.

視界がショッキングピンクに染まっている。 これはパーティではない。ただの1人遊び。 私はどうにかチカチカする視界を元に戻そうと、目をぱちくりさせたり眼球を360°回し…

wakimizu
1年前
10

許して欲しい。「国際トランスジェンダー可視化の日」に寄せて

急にこんな文を、私が真面目に書くとは思わなかった。 もう過ぎてしまったが、3/31は「国際トランスジェンダー可視化の日」であったという。過ぎてから書き始めていること…

wakimizu
1年前
101

1.

3/28、今日死んだのは啓蟄に目覚めたばかりの小さな虫だった。 私はたまに、心というのはもともと引っかかりのない球体だったように感じる。 様々なものに触れて、揉まれ…

wakimizu
1年前
14

渋谷で?時の夢の中

私は渋谷駅の南口と東口の間にあるマクドナルドを抜けて、そこから続くモールのようになっているアーケードを全速力で走っていた。 呼吸器が痛い。口の中に血のような味が…

wakimizu
1年前
12

無題は逃げ 逃げは大切

国道沿いの花 綺麗な花 隣の草は車に潰され乾涸びて美味しそう なんて早い乗り物がこの世にあるのだろうと感動した 何度も乗っている新幹線の窓の外をふと見たとき 景色は…

wakimizu
1年前
8

必殺技の内訳

恋に落ちてしまえ お前も お前も お前も 恋に落ちてしまえ お前も お前も お前も 此れを奉り給え ガランゴ ガランゴ ガランゴ 此れを奉り給え ガランド ガランド ガラン…

wakimizu
2年前
6

王国を捨てた日

インターホンが光っているのに気付いた 確認したら変な時間に押されていた 録画された映像にはただ暗い玄関だけが映されて どこか顔のように見えた 気のせいだった 誰が声…

wakimizu
2年前
16

入日

風が吹いている夕立の後
世界がオレンジ色に染まって
伸びてゆく影のその中に
鮫が居る

さっき空から落ちてきた雫が
キラキラと燃えて輝いている
もうすぐ入日の風景に
鮫が居る

紫色が薄まって
だんだん空は真っ白くなり
一番星を見つけたそのとき
鮫が居る

入日が過ぎて
影は無くなった
全ての地面を奴らが泳げる
鮫が来た

屋内に逃げようか
水に飛び込もうか
高いところに登ろうか
全部きっと意味が

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雨を待っている

雨を待っている

雨を待っている
雨を待っている

充満した水分
鈍いオパール色に垂れ込めた午後の空
その空の中で一番濃い色の
重力に負けそうな
あそこがついに諦めて水を地面に渡し始める瞬間を
私は今
固唾を飲んで待っている

前を歩く学生服の人が空を見上げた
あの人も待っている
あの人も待っている

今か今かと待っている

まだ灯らない丸い街灯が
水滴を受け入れる為一層丸みを帯びた

そしてついに腕に感じる小さな

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香りさへ写らぬもどかし梔子

香りさへ写らぬもどかし梔子

言葉が出てこない思い出すことも
できない画面の上に口無し

今日もまた絶望しながら目が覚めた
私のことを永遠に寝かせて

香さへ写らぬもどかし梔子
こんな端末棄てしまへば

旧友

旧友

街道沿いの派手な家
君の遺影
シミの綺麗な壁紙に姿勢が良くなっている

昔からせめて並んで歩きたいなって
思っていたけど
私には今こんなにあるなんて
多すぎる
君の分だったのかな?

鏡張のビルの中の空に
季節外れの鳳蝶が必死に入ろうとぶつかり続けていた
のを思い出した
あの時も今も何も助けられないまま
変わったのは季節の通りに強く飛ぶ鳳蝶だけ

胡蝶の夢

誰かの綺麗な夢の中だけで
生きていられたらいいのになぁ
四季全ての花が咲き乱れて
光が それは柔らかい光が漂っているの
そんな夢の中だけで

朝が来ても、やることはたった一人分の洗濯だけで
気付くとうつらうつらと二度寝して
結局三度洗濯機を回す羽目になった

お昼ご飯はパインアップル
芯を取らずに食べられるやつ
それだけでいい
一人では

去年育てた蝶はきっともう土に還った
今年育てるのは自分

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目覚めの気持ち

人の大切な物を壊す夢ばかり見る

自分の大切な物さえ壊せない臆病者のくせにね

私は私の空いた口を塞ぐためだけに手を使って

そのまま転げ落ちて

頭を打って

死ぬのだ

椿

自己紹介文1408

自己紹介文1408

私は長女で、人に甘えることが苦手だった。
ある時それを克服したいと思った。
私は人と迷惑をかけ合って生きていきたいと思っている。
同じくらい楽しいことも分け合って生きていきたいと思っている。
私にとって美しいものは心の栄養で、それがないと生きていけない。
メリーポピンズも映画の中で似たようなことを言っていた。
私はたまに少しだけ1人になりたいけれど、ずっと1人でいるととても不安になってしまう。

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寒い

寒い
だってそうです誰も
そうするしかないと諦めているから

寒い
砂漠の遠くで冷えていく
体を心を暖められないから

寒い
たった一つのものも
守れぬしがない手は何のためにある

寒い
近くの街にて冷えていく
心を体をしかと知っていながら

寒い
それさえもどうにもならない私に
あの命に涙を流す権利はあるのか

衝撃で死ぬと思った。
しかし意外にも、私はふかふかの床で目を覚ました。
どこなのかよくわからない。だけど多分、さっき落ちた箪笥の中だと思う。
今ならなんでもできる気がした。
だけど歩こうとすればするほど、足が取られてとても疲れていく。
だって床が、ふかふかなんだもん。
そしてとても可愛いペイズリー柄の、ピンクの床。
ペイズリー柄は縦横無尽に動き回って、時々私の様子を伺っている。
がむしゃらに動くの

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2.

視界がショッキングピンクに染まっている。
これはパーティではない。ただの1人遊び。
私はどうにかチカチカする視界を元に戻そうと、目をぱちくりさせたり眼球を360°回してみたり、途轍もなく目を細めてから見開いたりした。
しかしそれが始まってしばらく、視界は文字通りショッキングな激しいピンクに全て支配されていた。
輪郭が見えてきたのは10分ほど経ってからであろうか。
今まで部屋のカーテンの柄だと思って

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許して欲しい。「国際トランスジェンダー可視化の日」に寄せて

許して欲しい。「国際トランスジェンダー可視化の日」に寄せて

急にこんな文を、私が真面目に書くとは思わなかった。
もう過ぎてしまったが、3/31は「国際トランスジェンダー可視化の日」であったという。過ぎてから書き始めていることをとても反省している。許して。
当事者でありながら、私はその存在を昨年あたりになんとなくふわっと知ったのだった。
私はそれまで知らずに生きてこれて幸せなのかもしれないし、知らずに苦しみもがいてなんとか今生きているのかもしれないし、両方な

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1.

3/28、今日死んだのは啓蟄に目覚めたばかりの小さな虫だった。

私はたまに、心というのはもともと引っかかりのない球体だったように感じる。
様々なものに触れて、揉まれ、ぶつかり、削られ、撫でられるうちに、その球体はどんどんざらついてゆく。
今の部屋の中の散らかりはそのまま私の心のざらつきの原因のように思う。視界に机の上の散乱した細かい薬やサプリメント、カサカサしたレシート、筆記用具等が入る度、それ

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渋谷で?時の夢の中

私は渋谷駅の南口と東口の間にあるマクドナルドを抜けて、そこから続くモールのようになっているアーケードを全速力で走っていた。
呼吸器が痛い。口の中に血のような味が滲んできた。
ビルの隙間から開けた空を見るのが好きで、私は空き地に寝転ぶ。
雲は渦を巻いている。
突然、空き地の目の前の道の向こうから、こちらへ向かってくる激しい音がした。
近づいてくるガソリンと焦げた匂い。
赤ちゃんの人形が付いた火炎放射

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無題は逃げ 逃げは大切

国道沿いの花
綺麗な花
隣の草は車に潰され乾涸びて美味しそう

なんて早い乗り物がこの世にあるのだろうと感動した
何度も乗っている新幹線の窓の外をふと見たとき
景色は尾を引きながら私の後方へ吸い込まれてゆく
快感

不快感
恐れている
畏れている
期待してる
さっき空一面の鱗雲が通り過ぎていったよ

どうしてだろう
一昨日の夜降った雨は昨日まで確かにあった
今はすっかり乾いて
また雲に
さみしい

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必殺技の内訳

恋に落ちてしまえ
お前も
お前も
お前も

恋に落ちてしまえ
お前も
お前も
お前も

此れを奉り給え
ガランゴ
ガランゴ
ガランゴ

此れを奉り給え
ガランド
ガランド
ガランド

暮なずむ

鳥に注意してね
ギャランボ
ギャランボ
ギャランボ

鳥に注意してね
ミャミャンミャ
ミャミャンミャ
ミャミャンミャ

竹藪出来た
出来たら笑え
笑え 笑え
山笑え

これは呪いですよ
シャランシャ
シャ

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王国を捨てた日

インターホンが光っているのに気付いた
確認したら変な時間に押されていた
録画された映像にはただ暗い玄関だけが映されて
どこか顔のように見えた
気のせいだった

誰が声を盗んだって私は空 無数の翼あるもの達が歌う

壊れた目に向かって羽虫は突進する
廃墟になってからデパートは栄える
ゆくえの無いものに皆惹かれて
抗って朽ちて叫ぶ
鳥になりたい 魚になりたい
翼を持った魚になりたい

言うのは簡単

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