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写真+詩

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写真と詩のようなものたち。
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#404美術館

【写真+詩】乙女椿の一生は。

【写真+詩】乙女椿の一生は。

硬く閉ざした蕾は
柔らかな花びらを
しなやかに羽ばたかせ
そっと広げて花になる
やがて枯れゆきぽとりと落ちて
そうしていつか朽ちてゆく

枯れゆき朽ちる
その姿さえ美しい

乙女椿の一生は

女の一生か

雨の日に撮った乙女椿。
どれもお気に入りで、絞れなかった。
見出し画に使った写真は特にお気に入り。
それ以外の写真も、いつか見出し画に使おうと
思うくらいにお気に入りになった。

それでは今日は

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【写真+詩】踊る

【写真+詩】踊る

2人だけの世界で
踊る

暗い暗い海の底で

深い深い夜の闇に溶けて

夜空を突き抜けて

宇宙の果てまで

雲に隠れて

月のように輝く2人で

誰にも邪魔されず
踊り続ける

音が聞こえなくなるまで

時間の感覚すら
溶けて消えてしまうまで

踊り続ける

たった2人で

永遠に

海月の写真が
2人で踊っているように見えて
書いてみました。

それでは今日はこの辺で

最後まで読んでくださっ

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【写真+詩】赤い糸。

【写真+詩】赤い糸。

ゆうらゆうら

ひいらひら

柔らかなレースで手繰り寄せ

運命の赤い糸のふりをして

気づかれないようそっと触れ

毒を盛る

君を独り占め

したいから

それでは今日はこの辺で。

最後まで読んでくださってありがとう。

また気が向いたら、来てくださいね。

【写真+1行詩+エッセイ】浮かんでは沈み、ただ、たゆたう。

【写真+1行詩+エッセイ】浮かんでは沈み、ただ、たゆたう。

置き場のない気持ちたち。

置き場のない気持ちたちの
私の中でのイメージはこんな感じだった

無数のそれらが
ぷかぷかと
浮いたり沈んだり

言えなかった
吐けなかった
叫べなかった
飲み込んだ
喉へ胸へと押し込んだ
たくさんの言葉たち

歯を食いしばって堪えた感情

霞んでよく見えないけど
たしかにそこにあった
遠い過去の苦しい記憶

もう血は出てないけれど
かさぶたも剥がれて
なぜか少し艶のあ

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【写真+1行詩+エッセイ】傷だらけ。

【写真+1行詩+エッセイ】傷だらけ。

人の数より沢山の、傷がある。

いつも明るくて優しくて穏やかな人が、
とてつもない苦労人だった
なんてことが実際に沢山あった。
わたしの数少ない友人たちもそうだ。

人の人生なんて目には見えないものだから、
どれだけ明るくて楽しそうにしている人でも
どれ程辛い過去を背負い、
どんな苦しみを乗り越えて
生きてきたのかなんて絶対に分からない。

分からないからこそ、見えないからこそ、
大切にしないとい

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【写真+詩】永遠に泣き続けられる人はいない。

【写真+詩】永遠に泣き続けられる人はいない。

泣いたっていい
その涙は
必ずそのうち乾くから

泣きたいだけ泣くといい
その涙は
必ずそのうち乾くから

永遠に泣き続けられる人は
どこにもいない

涙が必ず乾くことを知っているのは
乾くまで泣いた人

泣いて泣いて
涙が枯れるまで泣いた人

気が済むまで
泣きたいだけ泣いていい

その涙は
必ず乾くから

それでは今日はこの辺で。

最後まで読んでくださってありがとう。

また気が向いたら、来

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【写真+1行詩+エッセイ】空気。

【写真+1行詩+エッセイ】空気。

読むより纏いたい。

初めて詩を書いたくらいの時期に
これ↓ですね。これを書いた時くらいに
One Line Poems(1行詩)という言葉を目にして
やってみたいなと思っていて、
それからいくつか考えていました。
詩というか、8〜20字以内くらいの
短い一文で気持ちや想いを表せたら素敵だな、と。
いくつか書いたものに合う写真を選び、
初めて載せるものに、今回の空気を選びました。
今の所、いくつか

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【写真+詩】自由自在

【写真+詩】自由自在

白でもあり黒でもあり
赤でもあり青でもある

花でもあり毒でもあり
蝶でもあり蜂でもある

鳥でもあり蛇でもあり
海でもあり山でもある

太陽であり月でもあり
雲でもあり風でもある

雨でもあり虹でもあり
火でもあり水でもある

熱くもあり冷たくもあり
柔らかくもあり硬くもある

激しくもあり穏やかでもあり
そして強くもあり弱くもある

その全てのど真ん中でもなく
どちらかの端でもなく

端から端

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【写真+詩】お姫様

【写真+詩】お姫様

どれほど
記憶の中を探し回れど

どれほど
記録の中を探し回れど

幼いわたしのそばに
甘いピンクも
ふわふわのレースも
存在したことはない

憧れなかったわけではない

けれど
求めもしなかった

お姫様になど
なれはしないのだと

その幼き眼差しは
冷めていたのだろうか

それではこの辺で。

最後まで読んでくださってありがとう。

また気が向いたら、来てくださいね。

【写真+詩】強さ

【写真+詩】強さ

両手を強く握りしめるように
奥歯を食いしばるように

かたく
頑なに
強張り張り詰めた細いものは
いともかんたんに折れる

それはまるで飴細工のように脆い

たとえどれほど細くとも
海月の触手のように
柔らかくしなやかに
力強い弧を描けるものは
かんたんに折れも
切れもしない

それは
ゆるめる
そしてほどく
ということを知っている

明るい光も
真っ暗な闇も
知っている

わたしはいつも
そうい

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【写真+詩】ちっぽけなわたしは、広い世界をただ、たゆたう。

【写真+詩】ちっぽけなわたしは、広い世界をただ、たゆたう。

力まず逆らわずただ身を任せ
ちっぽけにたゆたう

穏やかにそしてたおやかに
広い広い世界を漂う

自らを縛るものは
必要ない

目的すらも必要ない

行き着くは
光も届かぬ深い海の底か

それとも
あなたのもとか

それではこの辺で。

最後まで読んでくださってありがとう。

また気が向いたら、来てくださいね。