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ADHDと当事者会

こんにちは。

前も当事者会の話は書いたことがある(気になる方はこちらをお読みください)ので、第2回になります。


当事者会とは


当事者会がなにか分からない方に説明すると、「おなじ病気・障害などを持つ人同士が集まって話し合う会」のことです。

ふつう、病気の説明は医師やその手の専門家が行いますが、当事者会はその病気・障害を持つ人たちしかいません。
その分、専門的な内容の話はあまり出ない代わりに、実生活に役立つノウハウ・困り事への対処法が聞けます。

医師は病気の治療をしてくれます。福祉なら、必要に応じた福祉サービスの提供をしてくれます。しかし、生活の困り事への相談はサービスの対象外です。


たとえば、「家で自炊はするけど、食べ終わった後の片付けが出来なくてキッチンが食器で埋まっている」とか。

「職場で同じミスを繰り返して何度も怒られてしまうけど、改善方法が分からない。気持ちの切り替えができない」。こんな悩みは医療&福祉の範囲外です。


あとは、「周りに障害や病気があることを打ち明けられず、話せる人がいない」。こんな悩みも当事者会ではよく聞きます。

当事者会では、それぞれの障害・病気に関する話なら基本なんの話題を振ってもOKです。ただし、いくつかルールはあります


私がよく参加する当事者会のルールをざっと書いてみましょう。


  • 当事者会で聞いた個人情報は、外には漏らさない

  • 相手の話を否定しない。

  • 宗教やビジネス等の勧誘はしない

  • 話している人の話を遮らない。

  • 話し手の話が長くなっても、最後まで聞く

  • 全員が話せるよう配慮する

  • トラブル防止のため、主催に本名と連絡先を書いて渡す

  • 当事者会では、本名は言わなくてよい

  • 遅刻・早退OK


こんな感じです。発達障害の当事者会は放っておくと荒れがちなので、主催側の方が司会をやってくれます

大人しい・口下手な人もいれば自己主張強め・喋りたがりの人もいますから、時計回りに質問・回答をすることが多いかな。


当事者会といえば、元々はアルコール依存症の自助グループ(当事者会と意味は同じ)が有名ですね。

最初はたしかアメリカ発祥で、自助グループ参加者は参加しない人に比べて治療成績がよかったので、急速に広まったそうです。

アルコール依存症者の自助グループ | e-ヘルスネット(厚生労働省) (mhlw.go.jp)


アルコール依存症の自助グループはかなり歴史がある(1930年代頃)んですが、発達障害が日本で話題になり始めたのは1980年代と言われています。

発達障害児支援の動向 (dinf.ne.jp)


発達障害の当事者会に参加するまで


私がなぜ発達障害の当事者会に参加することになったかというと、周りに発達障害の人がいなかったからです。

自分にADHDの診断が出てからは、発達障害に関する本をこれでもかと読みまくっていました。


おかげで教科書的な知識は付きましたが、障害に関する困りごとを話し合う相手がいなかったのです。

私はいまだに両親には障害のことを話していません。友人もごく限られた人にしか話していません


そんな中、ネットで同じような人いないかな~と思って検索したら、当事者会を見つけて参加したのが始まりでした。

当事者会は探せば沢山ありますが、きちんとルールを作って管理され、定期的に開催されている団体は意外と少ないです。


私は色々な当事者会に参加したことがありますが、次も通いたいと思ったのは1つだけでした。

他の当事者会がなぜ良くなかったかというと、主催側の管理がいい加減・まともに話し合いにならない・揉め事やトラブルになることがあったからです。


ルールを作りすぎると窮屈になりますが、全くルールがないままで話し合いをするのは難しいと感じました。

これは今後自分が仕事・プライベートで話し合いの場を設ける側になった時にも意識してやろうと思います。ルール設定と周知は大事


発達障害はいつから広まったのか


日本の一般庶民にも発達障害という言葉が浸透したのは、ここ10年(2010年代)じゃないかなあ…

そんな私も2014年には発達障害なんて言葉自体知りませんでした。知的障害・身体障害という言葉は知ってましたが。


医療の勉強をするようになって、ようやく精神障害・発達障害という障害があることを知りました。

発達障害がTVや世間で話題になったのって、私の感覚だと2015年よりは後だと思います。


2024年現在では、良くも悪くも発達障害という言葉は世間に広まりました。

残念なのは、発達障害が本来の意味ではなく、誹謗中傷のような形で使われるケースが多いことです。


私が子供の頃は、身体障害という言葉が今の発達障害のような形で差別表現として使われていたことがありました。

今の子供たちはどうなんでしょう…


つい先週も、電車に乗っていたら大学生くらいの男の子たちが、「お前、発達障害かよ」と笑いながら友人と思われる人に話しかけていました。

当事者である私からすると、不快感よりも先に「発達障害」という言葉が電車内でいきなり飛び出して驚きました。


発達障害かどうか診断できるのは、医師だけです。どれだけ傍から見て「発達障害っぽいな」と思っても、診断が付いていない人にその言葉を使うのはNGです。

実際に診断を下すにしても、成育歴の聴取や検査が必要なので、そんなに簡単に発達障害かどうかは確定できないのです。


最後に。当事者会には参加したほうがいいのか?


結論、当事者会の参加は必須ではありません。きちんと管理されてない会だと、トラブルに巻き込まれることもあります。

発達障害の当事者会の場合、私のようなADHDの人・ASD(自閉症スペクトラム障害)の人・ADHD&ASDの人・LD(学習障害)の人などが参加します。


同じADHD同士でも、衝動性・多動性・不注意のどの症状が強く出ているかによっても困り事は違いますし、ADHDとASDでは特性が全然違います。

私は当事者会で会った方とトラブルになったことはありませんが、当事者会を通して特別仲良くなった人もいません。


お互い発達障害を持つ者同士、障害や困りごとに関する情報を交換して共感したり、笑いが起こる事が多々あります。

しかし、誤解を恐れずに言えば、お互いめちゃくちゃクセが強いので正直友人関係になるのは難しいかもしれない、とも思いました。


当事者会のルールで、個人情報の聞き出しや交換NGなところもあります。後は、年齢がバラバラなのも友人になりにくい原因かもしれません。

私が参加した当事者会は、20代前半~70代の方まで幅広かったので、友達を作るという雰囲気ではなかったです。


当事者会の雰囲気を言語化すると、同じ電車に乗り合わせただけの人よりはフレンドリーだけど、クラスメイトよりは関係性が浅い、みたいな。

当事者会中はそれなりに相槌を打つ・意見や質問をする・面白い話なら笑うことはありますが、会が終わった後は挨拶だけしてさっさと帰る感じです。


お互い本名も、どこに住んでるかも知りませんからね。自己紹介や会の中で職業を明かすことはありますが、特に誰も突っ込みません。

単純に発達障害の情報収集のために参加する、と思えばがっかりせずに済むと思います。


今日は発達障害の当事者会について書いてみました。それでは。


ここまで読んで下さりありがとうございました。
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