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ゲットバック・マイ・ライフ(完結)

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なんらかの弾みで異世界に迷い込んだおっさんが人生を取り戻す話です。
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ゲットバック・マイ・ライフ

ゲットバック・マイ・ライフ

銃声がした。目の前の怪物が破裂し、臓物が容赦なく俺に降りかかる。最悪だ。俺は列車内の床に這いつくばり、怪物を撃ち落とした存在に目を向けた。女だ。金髪の青い眼をした女が巨大な銃で怪物を駆除していた。可憐だった。

「間に合ってよかったです」

怪物共を始末した女が手を差し伸べてくる。アニメのような声だ。その手を掴み起き上がる。こんな小さな指であんな銃を振り回しているのか。

「あなたを迎

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ゲットバック・マイ・ライフ 2

ゲットバック・マイ・ライフ 2

承前何もかもどうでもよくなってしまった。

つまらない仕事。上から押し付けられる理不尽。自分の事ばかり喚く下。俺を顧みない家族。追いつけなくなった趣味。胸踊る事など何も無い。ただただ家と会社を往復するだけの日々。かといって死ぬのはごめんだ。死にたくないから生きているだけだ。

その日は珍しく午前中の会議が飛んだ。俺のせいじゃない。駅のホームで一瞬の安堵を得た俺は、ふと普段と逆の山手線に乗った。どこ

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ゲットバック・マイ・ライフ 3

ゲットバック・マイ・ライフ 3

承前目の前に現れた鉄塊は巨大ロボのごつい脚。お台場ガンダムぐらいあるが、もっとゴツゴツした悪そうなやつだ。そいつが空から降ってきて、カレンを押し潰したのだ。支えを失ったカレンの腕が重みで地面に落ちるより先に俺は後方に吹き飛ばされた。

尻餅をつき、後頭部をぶつけ、カレンの腕の付け根が顔面を殴打した。ぐにゃりとした肉の感触。肌を突く砕けた骨片。凄まじく鉄臭い血の匂い。パニックにならない方がどうかして

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ゲットバック・マイ・ライフ 4

ゲットバック・マイ・ライフ 4

承前

GRRRRRRR!!!

犬悪魔に恐れをなして逃げ出した俺はあっさり追いつかれ、駅のホーム上でもみ合いになり、現在そのエゲツない牙を備えたアゴを両腕で必死に抑えているところだ。

犬悪魔はバカの一つ覚えみたいに俺が抑える頭を振りほどこうとしたり、そのまま噛み付いて来ようとしてくる。その度饐えた匂いの唾液が飛び散り、俺の心の正気を削る。前脚や後脚も俺の身体をでたらめに打ち付けられる。畜生。こ

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ゲットバック・マイ・ライフ 5

ゲットバック・マイ・ライフ 5

承前「…この外道が!」

迷彩服の男が大声で罵倒する。投げ飛ばされた白衣の男は呻く。既に血まみれだ。

白衣の男は逃げ出そうとするが、周りは武装した迷彩服に囲まれていた。白衣の男は、何か許しを請うような動きを取るが、迷彩服の隊長と思しき男は取り合う様子も見せず、拳銃を白衣に向ける。

「アノロックには相応の末路だ。死ね。」

そう宣言し、乾いた銃声が響く。白衣の男は糸が切れたように倒れ伏し、こめか

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ゲットバック・マイ・ライフ 6

ゲットバック・マイ・ライフ 6

承前軽減されたとはいえ落下の衝撃はひどく、俺はまだそのまま倒れていたかった。だが地面を揺さぶる振動と近付いて来る怒号を感じていれば、ここでのんきにノビてるわけにはいかない。

どうにか気合を込めて立ちあがり、周りを見渡す。真っ赤に染まった空の下のだだっ広い空間だ。ディズニーランドの駐車場ぐらいあるか。あちこちによくわからない機械の残骸や、でかい骨が落ちてる。そしてその広場の両端から、武装した兵士や

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ゲットバック・マイ・ライフ 7

ゲットバック・マイ・ライフ 7

承前銃声、怒号、衝突音。
爆発、炎上、大破壊。
俺はひとまず物陰に身を隠し、戦いの様子を伺った。なんでこんな暴走族の乱闘みたいなことやってんだこいつらは。いい迷惑だ。

とにかくこの訳の分からない乱戦を抜けなければ塔には辿り着けない。だがしかしこのまま戦場を横切っていけるわけがない。殺されるだけだ。俺は身を隠しているコンテナを鉄パイプで叩いてみた。頑丈な手応えだ。サイズは小さいが、中身がカラならど

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ゲットバック・マイ・ライフ 8

ゲットバック・マイ・ライフ 8

承前ヒーローロボットのコクピットから現れたのは俺の娘だった。どうなってる。なんでこんなところにいる。

俺の方へ駆けてくる裕子の目には涙が浮かんでいた。

「お父さん!」

上体だけ起こしていた俺の体に、裕子は減速せずに飛びついて来た。勢い余って押し倒された俺の上にある見知った顔。一人娘の裕子。その顔はぐしゃぐしゃの泣き顔だった。

「うっ…ひぐっ…よかったぁ…。無事だった…!助けられた…!」

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ゲットバック・マイ・ライフ 9

ゲットバック・マイ・ライフ 9

承前「アグニアストラ・ソォォォォド!」

光の帯が薙ぎ払われ、悪魔の翼が根こそぎぶった斬られた。悪魔は怨嗟の咆哮を上げながら眼下の裏東京へと落下していく。

《ターゲット飛行能力ロスト。障害は全て排除されました。》

「おい、とどめ刺さなくていいのか?!」

《インドラの討滅を以って塔は再び不活性化し、ゲートは閉鎖されます。》

「そうなっちゃったら、わたし達帰れなくなるのよ!」

「そ、そうか!

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ゲットバック・マイ・ライフ あとがき

ゲットバック・マイ・ライフ あとがき

俺だ。よくきたな。お前は恐らく俺のパルプ「ゲットバック・マイ・ライフ」を最後まで読んでくれたのであろう。そういう前提で話をする。まずはめちゃくちゃスーパーありがとう。俺はとても嬉しい。あとがき。あとがきだ。ちょっとこう、色々と話をさせてくれ。ただのダベリだ。

こんな異世界転生は嫌だ今回ずっと頭にあったのは「前知識ゼロでPVPゲームに入り込んでしまった初見」だ。発売前のPVではめちゃくちゃかっこよ

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