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散歩は晩夏の季語にして
会社を休み始めてひと月が経とうとするが、開放感といった感情は始めの数日のもので、あとはぼんやりとした不安感やら鬱々とした靄に包まれるばかりである。
会社員としての暮らし、安定した給与、月に数万円の貯金、徐々に擦り切れていくスーツの生地、ビルの隅の喫煙所と自席の往復の道、蛍光灯の眩しさ、そういった類のものが非日常から日常に降りてこようとするとき、どうしても恐怖というか、濡れたガーゼが顔に張り付くよ
会社を休み始めてひと月が経とうとするが、開放感といった感情は始めの数日のもので、あとはぼんやりとした不安感やら鬱々とした靄に包まれるばかりである。
会社員としての暮らし、安定した給与、月に数万円の貯金、徐々に擦り切れていくスーツの生地、ビルの隅の喫煙所と自席の往復の道、蛍光灯の眩しさ、そういった類のものが非日常から日常に降りてこようとするとき、どうしても恐怖というか、濡れたガーゼが顔に張り付くよ