小林郁央

20代後半まで文字を使って考えを表現する経験がほぼなかったのは、鉛筆やペンを持つと自然…

小林郁央

20代後半まで文字を使って考えを表現する経験がほぼなかったのは、鉛筆やペンを持つと自然と目の前のものの姿を描き写すことに熱中できたからでした。30代になると自分以外の仲間やお客様との関係の中で、デザインそのものを語っていかなければならない立場になり、思考地図がテーマとなりました。

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思考地図の概論

知識や情報の関係性を空間配置することによって、文章では伝えにくい複雑な概念を容易に表現することができます。こうした空間配置による意味構成は一般的に「概念マップ」…

小林郁央
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思考地図の活用-2.動向/展開/分析:デザイントレンドマップ

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小林郁央
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小林郁央
2か月前
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思考地図の活用─事例編:1.収集/整理/分類

前回は目次立てとしての思考地図活用の4つの視点を紹介しましたが、それら4つの活用視点の具体事例を紹介していきたいと思います。具体的にどんな活用をしているのかの事例…

小林郁央
2か月前
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思考地図の活用

小林郁央
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「エマニュエル・トッドの思考地図」は...

「思考地図」ちがい 「思考地図」と検索してみると、大半は「エマニュエル・トッドの思考地図」がヒットします。2020年12月に刊行されている翻訳本で、35年前から思考地図…

小林郁央
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思考地図とは?

思考地図とは? そもそもどんな機能で、他の図解と何が違うのか、何ができるのか、何はできないのか、などなど「思考地図」の基本的な機能と構造を解説していきたいと思い…

小林郁央
3か月前
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思考地図の座標軸

遠くにそびえる尖った山々も長い年月を経てなだらかな丘陵へと変化していくように、地球上に存在する万物にとって引力から免れることはできません。 その重力にもかかわら…

小林郁央
3か月前
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思考地図の概論

思考地図の概論

知識や情報の関係性を空間配置することによって、文章では伝えにくい複雑な概念を容易に表現することができます。こうした空間配置による意味構成は一般的に「概念マップ」と呼称されていますが、様々な概念マップを比較し、その特徴を探ってみました。(図1 概念マップ一覧参照)

ここで取り上げる概念マップは以下の6種類です。

1.マインドマップ
自分のイメージを中心に放射状に発想を描いていく図解表現技法で、頭

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思考地図の活用-2.動向/展開/分析:デザイントレンドマップ

思考地図の活用-2.動向/展開/分析:デザイントレンドマップ

デザイントレンド分析刻々と変化する情報をいかに把握するかは、あらゆるビジネスにおける企画や開発現場において、最重要テーマの1つとして取り組まれているでしょう。勿論プロダクトデザインやパッケージデザインといったデザイン現場においても、常日頃から世界中のデザイントレンドを入手すべく、ネットやデザイン雑誌のデザインウォッチングがなされています。

こうしたデザイントレンドウォッチングを個々のクリエイター

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1.収集/整理/分類-業種・業務分類マップ

1.収集/整理/分類-業種・業務分類マップ

業種と業界地図
職業別に分類された電話帳は、世の中にどんな職業があるのかを俯瞰するために大いに役立っていた。下のマップは2000年当時の職業分類を一覧できるように工夫したもので、業種を生産から始まって加工、流通、サービスへと上流から下流へのレイヤーとして配置しています。また左右は、左ほど古くからある業種で、右へ行くほど新しい業種として並べた地図で、2000年当時既にコンピュータやインターネットを介

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思考地図の活用─事例編:1.収集/整理/分類

思考地図の活用─事例編:1.収集/整理/分類

前回は目次立てとしての思考地図活用の4つの視点を紹介しましたが、それら4つの活用視点の具体事例を紹介していきたいと思います。具体的にどんな活用をしているのかの事例が見えると、ちょっと目がくらみそうになるマップ型の記述が理解しやすくなると思います。

とは言え、マップはここに書いているような日本人なら誰でも理解できる文法がまだありませんので、そうたやすく「なるほど?!」とはならないでしょうが、抽象的

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「エマニュエル・トッドの思考地図」は...

「エマニュエル・トッドの思考地図」は...

「思考地図」ちがい

「思考地図」と検索してみると、大半は「エマニュエル・トッドの思考地図」がヒットします。2020年12月に刊行されている翻訳本で、35年前から思考地図と呼称してきた私としては、思考地図と書かれているからには読まないわけに行かないので、当時早速買って、ざっと目を通しました。
今回改めて目を通してみて解ったこと、そしてこのブログで扱っている思考地図との違いを解説していきたいと思いま

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思考地図とは?

思考地図とは?

思考地図とは?
そもそもどんな機能で、他の図解と何が違うのか、何ができるのか、何はできないのか、などなど「思考地図」の基本的な機能と構造を解説していきたいと思います。

先ず、思考地図は”思考"とあるので、なにがしか頭で考えることを対象としていることと同時に、”地図”とあるので、空間に建物や自然などを配置した地図と同じ、空間に配置したものだろうと、多くの方は察しはついておられるでしょう。その通りで

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思考地図の座標軸

思考地図の座標軸

遠くにそびえる尖った山々も長い年月を経てなだらかな丘陵へと変化していくように、地球上に存在する万物にとって引力から免れることはできません。 その重力にもかかわらず空に浮かぶ雲は気象変化とともに浮遊していて留まることを知らず、それに較べて翼を持つ鳥は縦横に空中を飛翔します。

この垂直方向の引力と、水平の空間の広がりに、人類に共通する空間的な象徴が存在しているのではないか、という仮説を、言葉の空間的

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