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思考地図の活用─事例編:1.収集/整理/分類

前回は目次立てとしての思考地図活用の4つの視点を紹介しましたが、それら4つの活用視点の具体事例を紹介していきたいと思います。具体的にどんな活用をしているのかの事例が見えると、ちょっと目がくらみそうになるマップ型の記述が理解しやすくなると思います。

とは言え、マップはここに書いているような日本人なら誰でも理解できる文法がまだありませんので、そうたやすく「なるほど?!」とはならないでしょうが、抽象的な思考地図をみるよりは、具体的な背景と会わせてみて頂ければ、すこしは「なるほど!」と思ってもらえるところも有ろうかと思います。

大きなインデックスとしては、
1.収集/整理/分類
2.動向/展開/分析
3.発想/仮説/概念
4.組織/戦略/構想
の分類となりますが、事例の中では連続的な利用や複合などもあり、単純には配分できない場合も多く有りますが、おおよそこの分類で漸次追加していきたいと思います。

1.収集/整理/分類

ライフシチュエーションマップ

最初に紹介します事例は、思考地図としては原点とも言うべき「ライフシチュエーションマップ」です。

何が原点かと言いますと、思考地図(当時は単にマップと呼んでました)は一種の「器:うつわ」に該当する考えで、ブレーンストーミングやフィールドサーベイなどで拾い集めたイメージやアイデアを入れておく場所:空間の役割から始めたからです。そうです、思考地図は情報を集めて整理分類しておくことで、それを見た人が単なる言葉やイメージのガラクタ的寄せ集めではない、なにがしかの秩序だった集積知だということを認知して貰いたい、と考えたのが始まりです。一種の掲示板の役割をイメージしたのですが、単にランダムに貼られた駅の掲示板ではなくテーマに沿った情報の秩序やコンセプト:概念が関係者に伝わっていくようなコミュニケーションの媒体となる事を意識しました。そのコミュニケーション機能として、タテとヨコの座標軸を持たせたマップになったわけです。

ライフシチュエーションマップ
日常生活の生活シーンを切り取ったライフシチュエーションをマップ化した始まりは、団塊世代が独身ライフを謳歌し、やがて家庭を持ち始めた1970年代から80年代頃でした。男性向けには平凡パンチやPopeye、女性向けにはan・anが流行を牽引し、欧米のライフスタイルがメディアに載って次々と流行となって登場していった頃です。

ライフシチュエーションマップ

上の「ライフシチュエーションマップ」は、最初は数十個程度の生活シーンを俯瞰的に捉えるシンプルなマップでしたが、プロジェクトでの利用の度にシチュエーションをさらにきめ細かく分解し、また類似を集合して上位のラベルを付けるというのを繰り返し累積した結果です。上手の色線でくくった4つのラベルは、これを活用したプロジェクトで分析読み取りした概念モデルです。

このように、思考地図の活用における1.収集/整理/分類は、対象となる情報の収集と整理、分類を繰り返した結果生まれる集積知を獲得することがゴールなわけです。ゴールと言っても終わりではありません。一旦ゴールとして獲得した集積知をベースに、その時々の新たな情報を加えマップとして何度も何度も再利用していく、時には解釈を変えてラベルを変えることも、時にはある領域だけリニューアルすることも、そしてある時は座標軸そのものを再考することで観点の異なる用途や分野で再利用していくことも、、、あたかも、私たちが日々活用している辞書や事典のように、思考地図も、物事を俯瞰してみていくときに、都度参照し、理解を促す役割を備えることがゴールと言えるのかも知れません。

用途で異なるライフシチュエーション

用途や目的で異なるライフシチュエーションマップ

当然ながらライフシチュエーションは、誰のシチュエーションか、そして、何が目的か、によってマップ軸やプロットされる内容は異なり、ちょっとしたバリエーションも含め多様なマップが生まれます。上手はそのサンプルで、その他も含め下記ダウンロードにPowerPointファイルをダウンロードできるようにしましたので、参考にしていただければ幸いです。

今後も様々なマップ事例が有りますので、順次公開していくようにしていきます。


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