小林郁央

20代後半まで文字を使って考えを表現する経験がほぼなかったのは、鉛筆やペンを持つと自然…

小林郁央

20代後半まで文字を使って考えを表現する経験がほぼなかったのは、鉛筆やペンを持つと自然と目の前のものの姿を描き写すことに熱中できたからでした。30代になると自分以外の仲間やお客様との関係の中で、デザインそのものを語っていかなければならない立場になり、思考地図がテーマとなりました。

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思考地図の概論

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        • 思考地図の活用─事例編:1.収集/整理/分類

          前回は目次立てとしての思考地図活用の4つの視点を紹介しましたが、それら4つの活用視点の具体事例を紹介していきたいと思います。具体的にどんな活用をしているのかの事例が見えると、ちょっと目がくらみそうになるマップ型の記述が理解しやすくなると思います。 とは言え、マップはここに書いているような日本人なら誰でも理解できる文法がまだありませんので、そうたやすく「なるほど?!」とはならないでしょうが、抽象的な思考地図をみるよりは、具体的な背景と会わせてみて頂ければ、すこしは「なるほど!

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          思考地図の活用

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          「エマニュエル・トッドの思考地図」は...

          「思考地図」ちがい 「思考地図」と検索してみると、大半は「エマニュエル・トッドの思考地図」がヒットします。2020年12月に刊行されている翻訳本で、35年前から思考地図と呼称してきた私としては、思考地図と書かれているからには読まないわけに行かないので、当時早速買って、ざっと目を通しました。 今回改めて目を通してみて解ったこと、そしてこのブログで扱っている思考地図との違いを解説していきたいと思います。 「エマニュエル・トッドの思考地図」の原題は”La Carte Intel

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          思考地図とは?

          思考地図とは? そもそもどんな機能で、他の図解と何が違うのか、何ができるのか、何はできないのか、などなど「思考地図」の基本的な機能と構造を解説していきたいと思います。 先ず、思考地図は”思考"とあるので、なにがしか頭で考えることを対象としていることと同時に、”地図”とあるので、空間に建物や自然などを配置した地図と同じ、空間に配置したものだろうと、多くの方は察しはついておられるでしょう。その通りで、思考していることを地図的に記述する方法を指しています。そうです、地図的な思考方

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          思考地図の座標軸

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