経営も人事も大切なことは「徹底実行」

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「すぐやる・必ずやる・出来るまでやる」

日本電産株式会社・永守会長の言葉です。

経営における徹底実行の大切さを、
これほど分かりやすく
端的に表した言葉は他にありません。

大きな事故など、会社の中で何かが起きる時は、
この「すぐやる・必ずやる・出来るまでやる」
という力のどれかが足りなくなっている時です。

徹底実行の重要性については、
経営はもちろん、人事においても全く同様です。

「人事施策を導入する際は、
現場での実行につながる仕掛けを
事前にセットしておきましょう」
ということが今回の結論です。

【目次】
１．現場で施策は実行されているか？
２．悪いのは「人」ではなく「仕組み」

１．現場で施策は実行されているか？

以前、キャリア施策を担当した際、
以下のような制度を導入したことがありました。

①メンバーは今後のキャリアの希望について、
　人事と上司にキャリアシートを提出

②上司は提出されたキャリアシートを基に
　メンバーとキャリア面談を行い、
　その後のアサインや異動につなげる

年に1度ではありますが、
キャリアに特化した面談機会を、
会社の仕組みとして設けることを決定し、
人事通達で従業員にお知らせしました。

ところが、ある日、
現場から人事に異動して来た
若手社員とキャリア面談を行った際、
衝撃の一言を聞くことになります。

「キャリア面談ありがとうございました！
　これまで一度も上司にキャリア面談を
　してもらったことがなかったので、
　今後を考える機会になりました。」

え‥？これまで一度も？？

ちょ待てよ、と軽くキムタク状態になりました。

２．悪いのは「人」ではなく「仕組み」

面談が行われなかったことについて、
最初に思ってしまったことは、
それまでの上司がイケてない上司だったから
なのではないかということでした。

しかし、その若手の面談の例は、
氷山の一角なのだと思います。

そうすると、悪いのは「人」ではなく、
「仕組み」です。

罪を憎んで、人を憎まず。

人は弱いという前提に立って、
施策を考える必要があると思い直しました。

上司だって、忙しくてついつい
忘れてしまうこともあるでしょう。

ふと怠け心が出てしまうこともあるでしょう。

それでも徹底実行につなげるためには
どうすべきか。

具体的には、メンバーが上司と人事に
提出するキャリアシートに、
以下の質問項目を新たに設け、
ＹＥＳかＮＯのチェックを
つけてもらうことにしました。

前回のシート提出後、
あなたは上司にキャリア面談を
実施してもらいましたか？

チェックにＮＯがついたメンバーの上司には、
人事から直接連絡を行い、
実施していない理由の確認を行います。

特に理由なく実施していなかった場合は、
改めて実施するように上司に伝え、
実施後の完了報告まで求めるようにしました。

せっかく施策を導入しても、
実行されなければ意味はない。

実行されなければ、
そこにあるのは、ただの善き意図である。

だからこそ、覚悟を持って、
「必ずやる」「出来るまでやる」にまで
いかに持っていくかが重要です。

人は弱いという前提に立って、仕組みを作る。

あなたがこれから何かを新たに
実行する際のヒントになれば幸いです。

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