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独選「大人の必読マンガ」案内

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新潮社フォーサイトで連載中のコラム「独選『大人の必読マンガ』案内」を転載しています。名作・傑作をしつこく推薦し、皆さんがうっかり読む前に死んでしまうリスクを軽減するのが本コラムの…
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#書評

「エコは人間のエゴ」という悟り

「エコは人間のエゴ」という悟り

独選「大人の必読マンガ」案内 (16)
岩明均『寄生獣』
16歳の少女の “How dare you”という火を吹くような糾弾が世界の注目を集めたかと思えば、日本では国会議員の公党党首が世界的な人口増について、「あほみたいに子供を産む民族はとりあえず虐殺しよう」と公言して騒動を起こしている。

後者の暴言は論外として、環境問題が取りざたされると再読したくなる漫画が、岩明均の『寄生獣』(講談社)だ。

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ドロップアウトと「子どもの貧困」のリアル

ドロップアウトと「子どもの貧困」のリアル

独選「大人の必読マンガ」案内(13)
古谷実『僕といっしょ』
ネットに教育コンテンツがあふれる時代に、子どもを学校に行かせる必要があるのか。小学生YouTuberの不登校を巡って議論が巻き起こっている。
画一的で旧態依然とした日本の教育への失望もあり、賛否は割れているようだ。
一方で、日本の子どもの6~7人に1人が相対的貧困状態にあり、経済格差が教育格差につながる根深い問題への関心も高まっている。

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神話と「平凡」の物語 「SLAM DUNK」

神話と「平凡」の物語 「SLAM DUNK」

独選「大人の必読マンガ」案内(7)
井上雄彦 SLAM DUNK(スラムダンク)1990年秋、『スラムダンク』の連載が『週刊少年ジャンプ』で始まった。最初の数回を読んで、高校3年生だった私はウンザリした気分になった。

「ああ、また、打ち切り必至のバスケマンガが始まったな……」

鬼門だった「バスケマンガ」私は、小学校から大学まで「バスケ小僧」で、小学校に上がる前から『リングにかけろ』に夢中の「ジ

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ユーモアに殉じたリベラリスト 左翼こそ「へうげもの」に学べ!

ユーモアに殉じたリベラリスト 左翼こそ「へうげもの」に学べ!

独選「大人の必読マンガ」案内(6)
山田芳裕『へうげもの』畢生の大作という言葉がある。「代表作」ではまだ足りない、生涯に一度しか書けない、渾身の一作という言葉だ。
まだ50歳とはいえ、山田芳裕にとって、『へうげもの』(講談社、読みは「ひょうげもの」)はまさに畢生の大作だろう。

主人公は美濃の戦国武将、古田佐介(のち古田織部正重然=おりべのかみしげなり、織部助重然)。織田信長、豊臣秀吉、徳川家康と

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理想の上司 vs 悪魔的起業家 「パトレイバー」の魅力

理想の上司 vs 悪魔的起業家 「パトレイバー」の魅力

独選「大人の必読マンガ」案内(5)
ゆうきまさみ『機動警察パトレイバー』「理想の上司像は?」という質問に、私は定番の答えをもっている。
「パトレイバーの後藤さん」というのがそれだ。

ゆうきまさみの『機動警察パトレイバー』(小学館)は、東京を舞台とする近未来SFマンガの傑作だ。多足歩行式ロボット「レイバー」が広く普及し、急増するレイバー犯罪に対処するため、警視庁が本庁警備部内に設置した「パトロール

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「新潮45」休刊を超えて 出版再生と土田世紀「編集王」

「新潮45」休刊を超えて 出版再生と土田世紀「編集王」

本記事は10月3日に新潮社のニュースサイト「Foresight(フォーサイト)」に連載中のコラム、独選「大人の必読マンガ」をもとにしたものです。
このコラムは編集部のご厚意で毎回、noteに転載していますが、今回はコラムと同時期にアップしたnoteの投稿「私の一部は新潮文庫できている」を取り込んでまったく別のコンテンツになっています。
執筆・掲載は独断によるもので、全責任は筆者にあることを明記しま

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出版に問われる普遍テーマ「利潤と文化」 土田世紀『編集王』

出版に問われる普遍テーマ「利潤と文化」 土田世紀『編集王』

本記事は10月3日に新潮社のニュースサイト「Foresight(フォーサイト)」に掲載したコラム、独選「大人の必読マンガ」からの転載です。編集部のご厚意で、一定期間後にこちらにもアップしています。
今回は、大幅に加筆した別バージョンもあります。こちらは記録として残すため、原稿はフォーサイト掲載時のままですが、見出しや画像など一部を追加・加筆しています。

『まんが道』や『バクマン。』など、マンガ家

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「傑作」へのリスペクトが生んだ「傑作」 大西巨人・のぞゑのぶひさ・岩田和博『神聖喜劇』

「傑作」へのリスペクトが生んだ「傑作」 大西巨人・のぞゑのぶひさ・岩田和博『神聖喜劇』

「この門をくぐるものは一切の希望を捨てよ」。言わずと知れた、ダンテ・アリギエーリの『神曲』地獄篇の「地獄の門」に記された文句だ。大西巨人による戦後文学の金字塔『神聖喜劇』のタイトルは、『神曲』の原題『La Divina Commedia』の直訳から取られている。同作を、のぞゑのぶひさと岩田和博が10年かけてマンガ化したのが、同題の『神聖喜劇』(全6巻、幻冬舎)だ。

第1巻の巻末で大西は、マンガ化

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「エスプリ」でしか描けない北朝鮮の「顔」

「エスプリ」でしか描けない北朝鮮の「顔」

独選「大人の必読マンガ」案内(2)
ギィ・ドゥリール 『マンガ平壌 あるアニメーターの北朝鮮出張記』
「人生は、クローズアップで見れば悲劇だが、ロングショットで見れば喜劇だ」――チャップリン

ギィ・ドゥリールの『マンガ平壌 あるアニメーターの北朝鮮出張記』は独裁国家・北朝鮮の日常の悲喜劇を活写するコミックルポルタージュの傑作だ。

(残念ながら、Amazonでは絶賛売り切れ中…)

フランス語

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オウム「大量刑死」と時代の終わりの「空気」

オウム「大量刑死」と時代の終わりの「空気」

独選「大人の必読マンガ」案内(1)
関川夏央原作・谷口ジロー作画『『坊っちゃん』の時代』

オウム「大量刑死」と時代の終わりの「空気」7月6日、麻原彰晃こと松本智津夫を含む一連のオウム事件に関与した7人の死刑が執行され、同26日にはさらに6人が処刑された。ニュースを耳にして私の脳裏をよぎったのは、「大逆事件」だった。無論、凄惨なテロ事件と「主義者」一掃を狙ったフレームアップ(でっち上げ)はまったく

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