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加治伸行 『 論語 ビギナーズ・クラシックス 中国の古典』 : 単なる「理想主義」に非ず

加治伸行 『 論語 ビギナーズ・クラシックス 中国の古典』 : 単なる「理想主義」に非ず

書評:加治伸行『論語 ビギナーズ・クラシックス 中国の古典』(角川ソフィア文庫)

いまさら『論語』である。

と言っても、若い人にはピンと来ないのではないだろうか。『論語』というのは「年寄りが好きそうな、古臭そうな中国哲学」くらいの印象しかなく、実際にどんな「傾向」のものかということまでは知らない。というのも、すでに長らく『論語』について語られることが、めっきり無くなったからである。

私が若い

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道理と利害

道理と利害

・道理に欠ければ人でなくなる

・利害得失を考えられなければ、現実上役には立たない。

→以前の自分は、道徳好きだが道理に欠けていた。また利害得失、平たく言えば貸し借りでものを考えることを嫌った。

→貸し借り、大事だと思う。貸し借りについて考えなければ、たとえば他人の好意の行動などに、いくらでも平気で乗っかるが、なにも報いないということになり得るからだ。

これは儒教で言うところの仁と義の話か。