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安住の地

好きな場所は?と訊かれたら

フードコートと答える。

あの場所にはいろんな人がいる。
小さな子どもを連れた家族、
デートに訪れたカップル、
授業終わりの高校生たち、
スーツを着たサラリーマン、
クロスワードをするおばさん、
歯が数本しか無いおじさん。

そんな本当の老若男女が、
それぞれ異なる目的でそこにいる。

食事を楽しむ人も、
本を読む人も、
試験勉強をする人も、
ただぼーっとする人も、
僕みたいに文章を書く人も。

食事一つとってもたくさんある。
(フードコートだから当然か)

家族4人で食事をしていても、
いろんなメニューがテーブルに並んでいる。

子供はマクドナルドを食べて、
おかあさんはうどんを食べて、
お父さんはステーキを食べている。

そんなことが当然のように起きている。

自分が好きなものを食べても何も言われない。
それがフードコートの一つの魅力だと思う。

家でこんなにバラバラな注文をしたら、
きっとお母さんに怒られる。

でも、ここでは皆が好きなものを選んで
マナーや人目をほとんど気にせず食べている。

ほかにも、
下のスーパーで買ったお弁当を食べたり、
うどんだけを頼んでスーパーで買った惣菜の天ぷらを載せている猛者もいる。
もちろん、何も頼まない、食べない人だって怒られない。

こんな風に、
〈いろんな人が居ていい場所〉
というのは意外と少ない。

「居ていいんだよ」って
肯定されるのは嬉しいことだ。

必要な人、そうじゃない人。
居てもいい人、だめな人。

そんなちょっと寂しい思いをする
ことが多い世の中で、
フードコートは「居ていいよ」と
やさしく言ってくれている気がする。

もちろん、知らないだけで、
怒られている人もたくさんいるのかなー
なんて思ったりもするけれど。

ショッピングモールやフードコートを
〈造られた楽園〉だって批判する人がいる。

でも、僕はそうは思わない。
だって、幸せそうにしている人がいるんだから。

安心して居られるならそれでいいじゃない。
と、僕は思う。

て言うかそもそも、
好きな場所は?なんて質問。
きっとこの先、
誰にも訊かれないだろうから
これはここだけの話になるんだろうな。

だから、最後にもう一つここだけの話。

フードコートで食べる
スガキヤのラーメンがめちゃくちゃ好き。

中川裕喜

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安住の地 第4回本公演
音楽劇『Qu’est-ce que c’est que moi?(ケスクセクモア)』

構成・演出:岡本昌也
音楽:バカがミタカッタ世界。

【公演日時】
2019年9月
13日(金)19:30
14日(土)14:00 / 19:30
15日(日)13:00 / 18:30
16日(月・祝)11:00 / 15:30

【会場】
THEATRE E9 KYOTO
住所:京都府京都市南区東九条南河原町9‐1

【チケット料金】
一般 3,000円 / U-25(25歳以下) 2,500円  ※当日料金+500円
高校生以下1,000円(前売・当日料金一律)
※受付にて学生証か年齢のわかるものをご提示ください。

https://ticket.corich.jp/apply/99747/
ご予約はこちらから。

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