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Blackpool アマチュアミュージシャンみたいな生活

イングランドで一番長い時間を過ごした街、ブラックプール。コーヒーの味。「LIFE WITHOUT LIMITS」途方に暮れてた。

本当にそう。ここに来たら途方に暮れちゃう。

風に吹かれて、アイリッシュ海に沈んでいく夕日を見てる。

途方にくれないでどうする。

ずっと前向いて無くていいし、どうしようもない時だってあるさ。

俺も全然できない事たくさんある。

どうにかなる。気持ちのいいアレンジでやってみよう。

旅の青年はどうやってブラックプールまで辿り着いたんだっけ。今まで、どんな旅があって、これからどうなっていくんだっけ。

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ロンドン、バーミンガム、リヴァプール、ダブリン、エディンバラ、ニューカッスル・ウポン・タイン、サンダーランド、ダラム。

そしてここ、ブラックプール。

彼はどうしてこんなに旅をしていたのでしょうか。

今の落ち着きっぷりとは大違いだ。これは本当に同じ人なんだろうか。

こんばんは。観察を続けます。

Blackpool アマチュアミュージシャンみたいな生活

この物語も遂にブラックプールに突入する。

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朝方ダラムを出てからバスはお昼に途中の休憩所に寄った。俺は木製のベンチに腰掛けて真っ青な空を見上げて何を想ってたろう。

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窓の外にはイングランドの草原が広がる。

この頃は一日ありゃいろんなことが変わってた。

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バスステーションからブラックプールのシンボル、ブラックプールタワーが見える。僕はバックパックを担いで地図に目を凝らす。

白髪交じりのおばあちゃんが僕のそばを通り過ぎていく。

ここがブラックプールという街か。またいつかここから旅立つ。

そういうこと、でもここには少し長く居れそうなのはなんとなくわかっていた。他に行く所もないし、冬は越したかった。まだわからないけど、いけそうな気がしてた。

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何度も通るカジノのある裏通りを歩き、海沿いに出て通りを下っていく。ここはちょっとしたリゾート地で馬も沿道にいるし、小さな観覧車やカジノ、ゲームセンター等もたくさんある。

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たまの休みに家族連れが近くのリヴァプールとかマンチェスターとかから遊びに来るんだろな。時間が少し巻き戻ったようなそんな小さな街だった。

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アイリッシュ海が目の前にあってさ、僕はこれから手伝うことになるロッジのドアを開ける。そしてソファにゆっくり腰を下ろす。

コーヒーをくれたのはヒューゴ、ブラジルから旅をしてるいい奴、そんでギターを弾いて歌う。

ヒューゴにもだいぶお世話になった。バスキングを一緒にしてコインゲットさせてもらった。フレンチのセバスチャンもいい人で、これは幸先がいいなと思ったんだ。

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僕等、時間があったから一緒に街をてくてくと歩いた。

海沿いのプロムネードの陽が暮れていく。

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ロッジと海の間をトラムが走る。

ブラックプール、なんてのどかな街なんだ。

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翌日、僕達は中心地から少し離れた楽器屋に来ていた。僕はヒューゴがギターを弾いて「バスキング」をしてるって話を聞いたから、俺もしたくなって「ベビーカホン」を買った。小さいから持ち運びも簡単。

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バスキングをしたら資金はすぐに回収出来た。後は、少ないけど儲けだけ。そして今日も日が暮れていく。

僕等は海辺の前の石の横で音楽をする。フレンチのローラもいい子だった本当に。

夕暮れに沈んでいくあのブラックプールタワーを今でも覚えてる。

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扇風機が首を回してる。こっちじゃもう2019年の7月。ここにはもう随分書きに来れていない。なかなかこれなかった、この間にもたくさんの所に旅に行ったじゃないか。例えばフィリピン、ミャンマーそして香港、マカオあげいん。ふぅ。これを書いていたのは、いつ。もう4年くらい前から。なかなか書き終わらない。ここまで来れない。

夕暮れの中、写真を撮ってた。赤く滲んでいく海の向こう、波が引いていく浅瀬の上を歩いて行く。反対側の群青の空、何度も街まで往復した。

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イングランドで一番長い時間を過ごした街、ブラックプール。コーヒーの味。「LIFE WITHOUT LIMITS」途方に暮れてた。旅の中で息をして、季節をいくつかやり過ごした。どこにも行けなかった昔の僕を引き連れて。

F736っていう型番の船の形をしたトラムを見送ってる。

海辺を南へ、遊園地のある方へ向かっていく。

トラムを目で追っているといつだか、小さなゴマみたいになって遠くに消えてく。

砂浜に潮が満ちる。やがて歩けなくなり辺りは闇に包まれていく、その一歩手前で音は風の中。こめかみ、もみあげ、さすってく。

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ほら、今日も夕日が落ちていく。そうやってコンクリ固めるみたいにかたくなってってさぁ。観覧車を見上げてる隣で夕日はもう落っこちそうで、紫色の空に届くかな。
同じような写真を何度も撮ってる。街はもう遠く、明かりが灯りだした。

今の僕は、ゆっくりだけど少し動き出せそう。この前しげおさんの服屋に行ってきた。刺激をもらったよ。何か変わりそうなんだ。
相変わらず働いてばっかりだ。いつだか願ったよね、俺はこの物語を書くって。インドのモスクの中で。今それが出来てるのかって自分に聞きたい。
出来てない。わかってる。あぁ。「約束」ってそういうものだったっけ。
違う。もうすぐ8月になる。

アイリッシュ海に桟橋が突き出てて、その上に遊園地や観覧車がある。こんな感じ日本じゃ見たことない、どこかにあるのだろうけれど。

水族館とか。そんな感じのテーマパークってあまり行けなかったんだ。

夜になる。街のイルミネーションが瞬きだした。

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これからの新しい日々に、一歩歩き出せますように。俺はこの街が好きだ。出会ったみんなとの思い出を大事にしたい。

9月ももうすぐ終わる。この間ロシアに旅行に行ってきたけど、そこまでまだまだ追いつけない。来月から東京都の開業プログラムに参加する。もう4年も前の話になってる。どうしたもんだろう。

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プロムネード、海沿いの遊歩道を歩く。てっぺんが丸い細長いモニュメントの横。そう言えばブラックプールタワーの中に入ったことなかったかもしれない。

そっか、よく飲みに行ってたローラが働いてたバーの近くはブラックプール駅。二度と行くことは無いような遠い街。

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何度もテラスでコーヒーを飲んで、何度もそこから夕陽を見た。

たまに海が真っ赤になる。夕日が僕を赤く染める。

潮が引いて浜が伸びる。おじいさん、おばあさん、杖を頼って歩く。

空には雲が伸びて、僕等は潮が引いた砂浜を歩く。

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ヒューゴとバスキング。まだ街は明るい。路上で演奏してる32歳の俺と、33歳のヒューゴ。もっと大人になってると思ってた。なんも変わってない。

とある街のバーで演奏。毎晩飲みに行ってたガレオンバー。

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9月ももうすぐ終わっていく。自転車に乗って海沿いを気の向くまま走ってたのも4年前。とし君もまだ元気な頃だ。

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ロッジで借りた自転車に乗って今日は隣町までサイクリングをしよう。

だんだん観光地から遠ざかって行く。たまに最新のトラムとすれ違う。

真っ青な空の下、景色を遮るものがないアイリッシュ海沿いを自転車はゆく。

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遊歩道沿いにベンチがあったり、線路があったり。犬を散歩してる人もいて、なんか地元の生活を感じてる。子供たちが遠くにちっちゃく見えてる。潮の引いた海の上で先生と居る。そして、釣りしてるオヤジ。そしたらあっと言う間に隣町に来た。

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ぐるりと周ってまたくるね。この街にもトラムがある。

たぶんブラックプールと繋がってるんだね。帰りは少し潮が満ちてたんだ。

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隣町のメインストリートにはテーブルが並べられててみんな昼からお酒を飲んでる。

ブラックプールタワーに戻って来た。

今でもヒューゴは元気だろうか。

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イングランドの秋は気温が低い。

ブラックプールで秋のフェスティバルが開かれて、週末ごとに花火が上がった。そこでまた一緒にバスキングをして楽しんだ。

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ロッジの洗濯機とか乾燥機が懐かしい。そこでよくみんなで夜な夜なカードゲームをして遊んだ。

窓から明かりが入ってくる狭いシェアルーム、ドアの裏の洋服掛けとフックの事とか思い出せる。

何でもない思い出が何の気なしに脳裏をかすめる事がある。

編集後記

海外の街で音楽をすると、とても楽しい。

これから旅に出たい方は、なんでもいいし、下手くそでもいいからぜひやってみて欲しい。音楽じゃなくても、何か好きな事。道端で、急に芸を始めてみてもいい。コインゲットできます。そういうのを、バスキングって言うんです。俺も手真っ赤にしながら、たまには指から血出しながらバンドの曲ベビーカホンで叩いてた。

ヒューゴが歌ってギター弾けるから、ヒューゴと街に出るとコインたくさんゲット出来ました。それが次の街への切符に変わったの。

週末、みんなが出来上がってるくらいの時間帯のナイトクラブ周辺。

みんな酔ってるから、コインがぽんぽん入ってくる。

ヒューゴがのらすのうまいからさ。この話は次の次の回でもう一回書くよ。

「No Woman No Cry」もよく鳴らしてました。スキです。

Everything's gonna be alright. すべてうまくいくさ。

本編濃かったね。編集後記はサクッといきます。

次回は、ジヨンとランカスターにお出かけした話。とても短い話。

スキ、フォロー、お待ちしてます。また次回会いましょう。


そうだ、僕等のバンドSSIZEのライブのお知らせを今日もここでします。

イギリスの路上でベビーカホンを叩いていた青年は、バンド齧ってるんです。かれこれずっと同じメンバーで鳴らしてます。

今では昔からの付き合いのあるバンドマンの先輩方に呼んでいただいて、なんとかステージに立ててます。彼らがまたかっこいいんだ。

今回は新店舗に移動した筑波PARKDINERです。

GO TO THE VENUE!-PARKDINER RENEWAL OPEN SHOW-
2021年10月16日(SAT)筑波PARKDINER
act Pink-HOUSE / SSIZE / ヘルメッツ / the deadly school
open/start 18:00/18:30
adv/door ¥2,000/¥2,500+1drink¥500
ticket info PARKDINER / 各出演アーティスト

筑波近郊にお住いの方々、新店舗の筑波PARKDINERで会いましょう。

No Woman No Cry!! またね。

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