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屋根裏部屋があるコワーキングスペースの繋がり

「ポルトガルに1ヶ月住んでみる」と決めたのは、成り行きでしかない。

スペインから次の滞在先を決めるときに、「冬でもそこそこ暖かくて物価が安めなヨーロッパの国」の条件で考えたところ、ポルトガルがどうやら良さそうだった。

ポルトガルの首都リスボンは、ノマドワーカーに人気の街。私もリスボンで部屋を探したが気にいる場所が見つからず、良い部屋が見つかった都市はポルトだった。

ポルトの事前情報はほとんど知らない。コワーキングスペースはそれなりに数があるようだから、何とかなりそうだなと。


正直、ポルトの生活に過度な期待はしていなかった。だからこそ暮らしていくなかで、ポルトを段々と好きになっていく自分に驚いた。

コワーキングスペースを色々試してみて、なかなかしっくりくる場所が見つからなくても、曇りが多いどんよりした気候が続いても、なぜか居心地の良さを感じる。


そしてついに「Porto i/o Riverside」という、しっくりくるコワーキングスペースを見つけた。

スタッフも会員も適度に仲が良く、24時間使えて作業環境も良い。
何より、世界遺産のポルト歴史地区のエリアにあるため、景色も抜群に素敵で周りを歩くだけで癒された。

半固定席のような形で、みんな何となく座る場所を決めている感じのゆるさ。
私は屋根裏部屋を選んだ。ポルトにあるドン・ルイス一世橋が一望できるからもあるけど、屋根裏部屋で仕事するってなんとなくカッコいいと思ってしまった。


屋根裏部屋には、哲学の先生とエンジニアの方たち二人だけ。哲学の先生はフレンドリーで、仕事の休憩中に色々と話をした。

特に覚えている覚えている彼の言葉がこれだ。

「僕はポルトの街が好きなんだ。人が穏やかでゆったりしていて、すごく落ち着く。これから増える観光客のために、ポルトではあちこちで工事が行われている。この街が育っていく過程を見られて僕はいま嬉しい。」

増えていく観光客を嘆くのではなく、街が育っていく過程に意味を見出す彼の視点には驚かされた。それと同時に私がポルトを気に入った理由として、素朴さと発展の間にある今の状況があったのかもしれないと気が付く。


そして、クリスマスシーズンの休暇や帰国が重なり、哲学者の彼もエンジニアの彼も去って、結局は最初の週以外ずっと屋根裏部屋を独り占めして使っていた。

油断すると、小さな窓から外の素敵な景色をずっと見続けてしまうぐらい好きな場所だ。

屋根裏部屋では一人だったけど、別のフロアには会員がいて、休暇ではない帰国しない組で仲良く過ごすことに。

何となく選んだポルトだったが、思い出の残る土地となって、また訪れる理由もできた。全てはこの屋根裏部屋があるコワーキングスペースを選んだからこそ起こった出来事だ。

一人の時間も好きだし絶対に必要だけど、何かと不安も多い海外では人との繋がりを得る点でもコワーキングスペースは有効だと思う。


数ヶ月後、マレーシアのクアラルンプールに滞在中に使っていたコワーキングスペースで、ドイツ人の友人ができた。
人も少なかったしほとんど一緒にいたため色々話してみると、彼も私と1ヶ月違いで「Porto i/o」を利用していたことが判明した。

そんな出会いもあるものなんだ。やっぱりコワーキングスペースって面白い。

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何もかもオシャレなポルトにあるコワーキングスペース「Porto i/o Riverside」の屋根裏部屋。この部屋を1ヶ月間独り占めした。


▼「Porto i/o」紹介記事


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