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五銭の人

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記事一覧

五銭の人 第18刻

世界は同時に夕暮れになれないから

僕は君の笑顔になるよ

世界は同時に夕暮れになれないから

僕はまた空に虹を探すよ

いつだって君のことを想いながら

時には君を忘れながら

いつの間にか君の思い通りになりながら

夕暮れになる前に

夕焼け色のクレヨンを片手に

西の彼方を見つめていた

あぁ 夕暮れは いつも美しい

五銭の人 第17刻

善に酔わず 悪に染まらず

ただ陽の昇り沈みを待つでもなく

時の巡りに身を潜め

ただひたすらに種を蒔く

どんな花が咲くかも期待せず

時折の空の恵みに身を任す

どうしたものかと問いを

重ねるまでもない

そういうものだと時を

重ねてゆけばよい

五銭の人 第16刻

ゆっくり生きようと思う

辿り着いた場所が何もない野原でも
良いと思う

そこには目に見えない風があり

姿の見えない小鳥の鳴き声がする

そして いつ消えるとも知れない雲が流れ

その彼方向こうには輪郭を見せない
宇宙が広がっている

辿り着いたのか

辿り着いたと思ったのか

何もない野原で一人思う

人生は何を得れば満足するんだろう

両手では数えきれないほどの夢を抱えて

追いきれないほど

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五銭の人 第15刻

~キニナルモノ~

ツマノキモチ
ミカン
ハハノキモチ
リンゴ
チチノキモチ
サクランボ
アニノキモチ
イチジク

ソレゾレ
キニナルネ
キニナルヨ

五銭の人 第14刻

浮かんでは 消えて

消えては 浮かんで

諦めて 離れて 

舞い戻って 抱きしめて

すり抜けて 見送って

でも…

どうしてだろう 諦めきれないのは

どうして 思い出すんだろう

君の指先で奏でた音が

心に響いて離れない

大切なものは 何だろう

ちゃんと 忘れないでいれるだろうか

僕は 待っているのか 追いかけているのか

わからない…

その繰り返し… 繰り返し…

明日も… 

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五銭の人 第13刻

いまはまるで
大海原に漂う小舟の上に佇んでいるよう

時代を捉えなければならない
だけどそれに囚われてはいけない

時には逃げなければならない
だけど自分からは逃げてはいけない

羅針盤はどこを指している?

道標はどこを向いている?

日々変わる思惑に
眼差しは霞んでいないか?

霞んでいるかもしれないが
その霞を晴らす気概は まだある

寝転んで見上げた空は 遠く広く青い

何だっていいんだ

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五銭の人 第12刻

僕が虹ならば 君が泣いた時に 
姿を現すことができるだろうか

僕が風ならば 君が泣いた時に
その涙を拭うことができるだろうか

あぁ 僕は虹になりたい

あぁ 僕は風になりたい

消えそうで 消えない虹に

消えそうで 消えない風に

五銭の人 第11刻

後ろを向いて 前へ歩く難しさよ

前を向いて 前へ歩けば良いだけのこと

簡単なことなんだけどなぁ

五銭の人 第10刻

これまで何度 辞めようと思ったことか

その度に そこにいる大切さを感じたり
もう ひとりではないことを感じたりする

本当に不思議だ

本当に何かに導かれているような気がする

これまで何度 死にそうになったことか

それでも まだ生きている

やり残したのは何なのか

やるべきことは何なのか

明らかになる日が来るのだろうか

それとも僕の思い過ごしだろうか

自問自答の日々が続く

見えない

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五銭の人 第9刻

何かが変わるとか
何も変わらないとか言っているうちに

何も動いていない日々が過ぎていって
月日だけが変っていく

それがまだもったいないと
思っているうちはいい方で
このままでいいと思っている自分も
この胸の内のどこかにいる

やりたいことはいっぱいあるのに…
自分で動き出すしかないって
分かっているのに…

ふぅ…

ふぅ…

時の巡り合わせがもどかしい

まだ間に合うなら…

まだ間に合うか

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五銭の人 第8刻

雨が見える

曇り空に反射して
曇った街を映すように
曇った僕を見透かすように

僕はエッセイを書きたいのに
気づけばポエム調になってる

ポエムが書けると自らを鼓舞していたが
ポエムしか書けなくなっている

これはポエムなのか
ただの散文か

言葉が意味を渡るなら
なんだっていい

こうして指が動くままに書き連ねるのも
悪くない

いつの間にか雨もあがっていた

もう雨は見えない

まだ街は映え

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五銭の人 第7刻

小鳥がさえずる目覚ましで今日も目を覚ます

いつもと変わらない朝だ

カーテンを開け、体重を量り、血圧を測る

朝食が準備できるまでの間、新聞に目を通す

昨日のWBC準決勝 日本VSメキシコの記事が紙面を賑わしていた

今日はアメリカとの決勝戦

おそらく午前中は仕事にならないだろう

全然関係ない話だけれど、人生に余白は必要だと思っている

その時、イメージしているのは

サイコロなど立体的な

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五銭の人 第6刻

創造と運は 枯れることなく

しかるべき時に湧き出るもの

だから出し惜しみしない

そう思い込むことにしている

そう思い込むことが大切

五銭の人 第5刻

山は登るために在るのではない

山は眺めるために在るのでもない

山はただそこに在るのだ

僕も山で在りたい

ここにいると分かる山で在りたい