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#ほんの一瞬の物語

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この街のどこかで、ほんの一瞬で終わってしまう物語の破片を集めました。
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#短編

hiderina

hiderina

拘束されるの嫌いなんだ

君は不思議な女の子だった。

時間を共有するし、体も共有するけど、
君は僕の彼女じゃなかった。

「私は誰の所有物にもなりたくないの。」

そう言って微笑む君。

「だから心はいらないから温もりをちょうだい。」

何度も君を独占するけど、心だけはくれないんだ。

だから僕は未だに君がつかめない。

それでも僕たちは"別れる"ことはない。
別に付き合っているわけでもないから

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WalKing

WalKing

僕はどうやらまっすぐ歩けないようで
真っ直ぐに歩いているつもりなのに歩けていないようで

人ごみを歩くとすぐに誰かにぶつかってしまう

「ごめんなさい」

そういう僕に、自分の道を乱されたことに 少しむっとした人たちは
すぐに軌道修正して真っ直ぐ歩いていく

そんな人を見送りながら僕はまた歩き始める

「なんで僕はまっすぐ歩けないんだろう」

そんな事をぼんやりと考えながら歩いていく

するとまた

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ないものねだり

ないものねだり

思い描いているものがある

こうありたい自分と
そうでない自分

色んな人に囲まれて
笑っている君を見て

そうなりたいと願って望んで
ないものねだり

今の自分で十分じゃないか

そう思えたら楽なのに

どうしてこうも
君の中に見出してしまうのだろうか

ないものねだり

人はみんな
ないものねだり
完璧じゃないから

きっと理想としている君にも
ないものねだり

きっとあるとはわかっているけど

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生き様

生き様

僕は大切な命が失われるのを真近で見た

足元がぐらついたような感覚に襲われ
頭の中が真っ白になって耳鳴りがしてた

今自分が置かれている状況を把握するのを拒絶してた

ひたすらにひたすらに拒絶してた

誰かがそっと手を握ってくれた
その手がとても温かくて、痛いほど温かくて

ああこれは夢じゃないんだとぼんやり思った

現実に引き戻されて
ただひたすらに涙が出てきた

言葉は何一つでなかったけど

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不変

不変

じっと僕を見つめる君
そしてふと口を開く

「ねぇ、知ってる?」

半分眠っていた僕は、無言で君を見た

「人間の視覚って不変なものは
見えなくなっちゃうんだって」

「・・・ふーん」
眠気に勝てずにおざなりな返事をした僕

そんな僕を見て、
君は怒っていたのか、悲しんでいたのか、
今となってはわからない

ただ、眠りに落ちる前の
君の言葉だけははっきり覚えてる

「ずっと見てるから、あなたも見え

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