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「未就学児の英語教育は逆効果」という動画の内容を信じてしまうことこそ危険 【おうち英語|バイリンガル育児】

先日、Twitterのタイムラインに
とある動画の紹介が流れてきまして
非常に気になったので
仕事の休み時間に視聴しました。

その動画を見て
私が「早期英語教育」について思うことを
本記事で紹介します。

 ・インターナショナルスクール講師3年
 ・子ども英会話教室運営・講師8年
 ・バイリンガル子育て歴10年以上
の経験に基づく考察や
我が家でのケースを交えながら
私の個人的な意見をまとめていきます。

ぜひ最後までお読みくださいね。

その前に、少しだけ自己紹介させてください♪
 ◇ 名前:ひで
 ◇ 子どもが大好きな3児のパパ
 ◇ バイリンガル子育て歴10年以上
 ◇ TOEIC 970点
 ◇ Kindle作家 (4冊出版)
 ◇ NFTアーティスト (OpenSea/HEXAに出没)
 ◇ マルチ職種の会社員
 ◇ WEBサイトや動画も作れる
 ◇ サッカー、スノボ好き

さて私が気になって視聴した動画がこちら。
『未就学児の英語教育は逆効果』

こちらはチャンネル登録者数 75.9万人を誇る
「NewsPicks /ニューズピックス」の動画。

そこそこの影響力があるチャンネルで
非常に偏った考えと意見が
『正解』かのように語られていることに
大きな疑問を感じました。

そして【幼児教育「英語学習」は危険】
言い切るこのサムネイル。。。

私は正直がっかりしています。
「これでまた日本が世界から遅れをとる」と。

この動画を見た16万人以上の人たちのうち
「やっぱり早期英語教育なんて必要ないんだ」と
盲目的に信じてしまう人たちが多くいるでしょう。

「こういう考えや意見、こういうケースもある」
と紹介するのであればいいのですが
「危険」と断言するのは乱暴が過ぎる。

詳しくは一度、動画を見てみてください。

さて、前置きが長くなりましたが
この動画に対して私が思う第一のことは

「結局は目標設定が大事!」

当然、目標が違えばプロセスも変わリます。

あの動画内で言っているように、大人になってからでも確かに『使える英語』は身につけることができます。

ただしこれは
『学問的に身につけた英語力』であって
『バイリンガル』とは全く概念が違うのです。

早期英語教育を取り入れる多くの方の目標って
「英語をしゃべれるようになること」でしょう。

小学校高学年、そして中学生になった時に
「学習」する内容の先取りなんかではないはずです。

もしそうであれば、早期英語をしていようがいまいが中学生2年生頃にはみんな同じくらいの英語力になるはず。

つまり、やってこなかった子たちに「追いつかれる」
ということです。

しかし、早期英語教育をする人たちにとって
そんなところを目指しているわけではないはず。

中学生になる頃には
「大きな差」が生まれているはずと
信じて取り組んでいると思います。

特に、ほとんどの日本人が苦手とする
「リスニング」と「スピーキング」においてです。

あの動画の話者が「早期英語教育しても意味がない」と
言っている理由の1つは「日本語のベースがあって英語が成り立つ」という英語の習得方法しか知らないからなのでしょう。

「焦らなくていい」
「早くからやらなくていい」と断言する二人。

果たして本当にそうなのでしょうか?
この2人の主張をそのまま信じることこそ
危険ではないかとと私は思います。


現在、中学校1年で『英語力が二極化している』という
事実に目を向けて考えてみてください。

 ※ その事実の参考まで (朝日新聞の記事)
  https://www.asahi.com/edua/article/14808736


なぜ英語力が二極化しているのか。

それは学問としての英語教育だけでずっとやってきたのに、急にコミュニケーションツールとしての英語を求められるようになって、一気に学習のハードルが上がったからです。

今までは「テストで点数が取れ」さえすればよかった英語科目において、ディスカッションできるほどのスピーキング力まで求められるようになったのです。

2017年の学習指導要領の改訂により、英語教育の方針、目標、取り組みが大きく改革されました。

2020年から段階的に適用され始め
たった2年で英語力が二極化し始めているのです。

その大きな理由は、
英語学習の取り組み始めと方法が
目標とマッチしてないからです。

二極化しているその「得意側」の生徒は
早期英語教育をしてきた子たち、
または、小学校で塾に行ったり受験のために
バリバリ勉強した子たちかどちらかでしょう。

たぶんそこには『中受』とか
『あとで英語科目で苦労して欲しくない』とか
目標があってやってきたはず。

しかし、動画の中で『早期英語はいらない』と言う人達の目標はどこにあったでしょうか?

「早期英語やった子たちは大学入試の国語の問題が解けない」と論説しているということは

結局、動画の話者の目標は「大学入試」であり、英語が話せるようになることは二の次という価値観のようです。

(4人の子どもに早期教育を行い、全員東大理Ⅲ東大に合格させた人の意見ですから、そこに目標が置かれていても何らおかしくありません)

事実、はっきりと「英語はたどたどしくてもいい。最初はカタカナ英語でもいい。」とさえ言っています。

もう一方の話者は動画の前半で「授業で意見を発表できなかったらバカにされる。発音がおかしくても、意見の内容が良ければみんな聞いてくれる」と言う。

いや、正直言って
「ちょっと何言ってるかわからない。」
(サンドイッチマン風)

この方がどういう経歴の方か知りませんが
おそらく自分自身がそのような立場に
身を置いたことないんじゃないでしょうか?

この方の言っている「発音」というのは
英語として伝わるレベルという前提。

日本人の平均的な発音や英文構築力では、そもそも相手に「英語として伝わらない」ということが、この方の頭の中にはないようです。

どんなに素晴らしい考えを持っていても、日本人の平均的なレベルの英語力と発音で伝えようとしても残念ながらちっとも伝わらないでしょう。

それで、今までずっと日本人は
外国で苦労してきたのでは?

日本という国自体が英語アレルギーとさえ言われるほどの
苦手意識を持ってしまっているのでは?

だからこそ、早期英語教育を通して
自分の子どもには「英語耳」を鍛えたい
「話せる」ようになってほしいという親が
増えているのではないでしょうか?

私にはその願いを持つ方が自然であり
賢明なことだと思います。



そして、この動画の話者の1人、アメリカでバイリンガル教育を研究してきたという方の次の意見。

『外国に行っちゃえば、
 子供も大人も英語身につくんだから
 早期英語教育なんてする必要ない。
 そんなことに時間を使うくらいなら
 ピクニックにでも行った方が良い。』

その根拠をカナダに移住した人のデータで語る。
しかも、たった80組のデータで。

(海外では学術的なデータは最低でも1000〜2000、どんなに少ない場合でも500〜1000くらいないと信頼性がないとされる)

まずこのデータの信用性が低すぎますよね。ほとんど個性による違いの範囲でしかないのではないでしょうか。

そして、英語習熟について言うと、
「そりゃ英語圏に移住すれば、子供も大人も
 遅かれ早かれ英語は身につきますよ!
 何を当たり前のこと言ってるんですか!?
 そんなドヤ顔して・・・・」

(おっと、動画を見たときの心の声まで漏れてしまいました・・・)

こんな論調によって、日本に住んでる日本人が「英語教育を早くから始める必要がない」というのは乱暴な意見としか思えません。


世界にもっと目を向けてみてください。
多言語教育は世界では普通のことなのです。

私が留学していたフィリピンでは、ほとんどの人が3言語(母語、タガログ語、英語)を使えます。

英語の発音も文法も完璧じゃない人が多いけれど、
日本人とは違って「英語として伝わる」レベルが
平均的に身についています。

アジアではマレーシア、シンガポールなど
また、ヨーロッパ圏でも多くの国が多言語国家です。

現代社会において
日本が世界からどれだけ遅れをとっているのか。

それが多くの場合、
言語面の問題とそこから来る
世界観の狭さによるものではないのか

ということもしっかりと考えた方がいいと
私は強く思うのです。


さてここで、我が家の話を少し。

なぜ我が家がバイリンガル教育をするのか。

それは、ただ英語が身について、日本国内の英語授業で無双できるためなんかではありません。

実際、9歳で英検準1級に合格した長女は、小3・小4の外国語授業では先生のサポート的な存在としてかなり頼られていましたし

中学校、高校の時代に英語学習をほとんどせずに、他の学習や「本当に自分がやりたいこと」に挑戦できる余裕すら生まれてくるのは、もちろんメリットしかありません。

しかし、我が家がバイリンガル教育をしているのは
そのようなメリットのためではないのです。

その本当の理由と目的とは

・英語が身につくことで世界観が何倍にも広がるから!
・どんな分野においても得られる情報の量と深さが違うから!
・触れることができる文化的な要素が圧倒的に多いから!

です。

私が『バイリンガル』というとき
それは英語も日本語も同年代と同じレベルである
ことを指しています。

事実、我が家の小学生たちは
両方とも母語と言えるレベルです。

それがバイリンガル。


なぜ「世界観」が大事なのか。

世界観とは、
「この世界をどのように見て、どのように捉えるのか」
であり、

そこから生まれる「人生観と価値観」
人生の方向性に大きな影響をもたらすのは
言うまでもありません。


私は思うのです。

世界基準でものごとを考えられる人が多くならないと
日本はますます後退していくと。

あなたはそんな未来を子どもに残したいでしょうか?
(動画のスピーカーたちにも問いたい)

たとえ、生涯ずっと日本に住み続けていても
世界中と繋がり、世界中と仕事ができるこの時代に
「日本で生きていれば英語力などいらない」と言えますか?

もし自分の子どもにさえそのように言えてしまうなら
英語を「学問」の1つとしてしか
習ってこなかった35歳以上の世代の
古く狭い価値観の弊害なのかもしれません。


現代は世界中と繋がることができる時代です。

日本だけが「英語無理」と言って、世界と繋がることから目を背け続ければどのような未来が日本に待っているか想像できるでしょうか?

まず、日本語で得られる情報は
ネット上の情報のたった約2.6%程度です。
英語の情報はその約28倍。

教育コンテンツの質も量も桁違いです。

そして、動画の話者が「目標」としていた
大学受験、いや、良い大学合格についても
その目標自体を疑ってみる必要があると思うのです。

東大や京大は一昔前は、世界の大学ランキングでかなり上位にありましたが、今やどんどん順位を下げ国際的な競争力は失われていっています。

どんなに学力が高くても世界観が狭ければ
その学力をどこで使えばいいのかわからない。

それが超高学歴社会、日本が抱える問題です。


ビジネスにおいてもそれは顕著です。

平成元年時点では、世界のTOP5を日本企業が独占しており、上位50社中32社は日本企業がランクインしていました。

しかし、その30年後、50位以内の日本企業はトヨタ1社のみに。

受験戦争がどんどん低年齢化し、超学歴社会となった日本は、国際競争力を失い、世界からどんどん引き離されていっています。

世界基準で物事を見る視点が失われているからです。


現代を生きる子どもたちには「広い世界観」と
「コミュニケーションツールとしての英語力」が
必ず求められるようになります。

どんなにAIやリアルタイム翻訳技術が進化してもです。
(英語圏の人たちが英語を話さなくなるわけじゃないですからね)

だからこそ子供たちの将来の可能性を広げるために
私はバイリンガル教育をオススメしたいのです。

最後に、ここまでお読みくださっている
あなたに質問です。

あなたの教育における、いや
『子育てにおける目標』はなんですか?

英語教育をしているなら
その目標はなんでしょうか?

目標が曖昧だと「大きな声」で聞こえてくるこの動画のような意見に、考えが振り回されてしまうかもしれません。

しっかりと目標を見据えて
その目標に沿ったプロセスに従って
取り組んでいくことが大事です。

もう一度、言語化できるほどに
目標を明確にしてみましょう。


最後に、今現在、バイリンガル子育て、
おうち英語に取り組まれている皆さん、
一緒にやり続けていきましょう!

身につく英語力はもちろんのこと
それ以上の収穫が必ずあります!

まずは私たち親がもう少し広い視野で世界を見て
子どもの将来の可能性を広げるために
今できること、今しかできないことに
取り組んでいきましょう!

さて、今回の記事はいかがでしたでしょうか?

動画の中で「母語が大事!英語はその後!」という論点がありましたが、それについては下記の記事にて取り扱っていますのでぜひ一度お読みください。

少しでも参考になることがあったなら嬉しいです。
お読みいただきありがとうございました!

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