長嶋有

#2 三の隣は五号室 読後

すっきりしなかったな。と言うのがまず第一の感想。
設定が少し間取りが変わったアパートを50年間に歴代過ごした13人のちょっとささやかなエピソードをまとめましたと言う話。その「少し変わった間取り」を図にしたら、そんなに変わったように思えなかった。それが何の緩急もなく、淡々と説明口調で続いていている印象が強く残る読後だった。

これをもし神田伯山さんが語ったら全然違う話になりそうだなとは思うけれど、い

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NHK俳句 兼題「凧」落選作/長嶋有選

風神や数多の凧を遊ばせて ハードエッジ

春風に高からねども凧 ハードエッジ

風の子に凧々あがれあがれかし ハードエッジ

#2 三の隣は五号室

三の隣は五号室 長嶋有

四抜けで部屋番号を付ける。験担ぎとはまた違うけれど、そういえば昔に住んでいたところは4階はあったけれど、中3階と言う表記をしていた4と言う数字を忌み字かのように扱っていたところがあったなぁとふと思い出しました。
そういう意味なのかな。タイトルを見たときにそう思って思わず手にした本がこの『三の隣は五号室』でした。長嶋有さんの著作に触れるのは実ははじめて。名前は見聞きしていた

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イベント開催!『音楽 完全版』発売記念 大橋裕之さんトーク@日比谷コテージ

『音楽 完全版』の刊行を記念いたしまして大橋裕之さん(著)によるトークショー&サイン会をHMV&BOOKS HIBIYA COTTAGEにて開催いたします。

せーので始まるぼくらの音楽青春論

大橋裕之さん新刊『音楽 完全版』の発売を記念致しまして、トークショー&サイン会を開催いたします。
2020年1月11日に公開されアニメーション映画も話題をさらっている大注目の本作。

ゲストに、本書で解説

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俳句三昧のグルーヴ

明け方、なんとはなしに目が覚めて、夢見心地の悪さと微妙な頭痛がまだとれない気怠さに自分の心が包まれていることを知り、俳句でも作ろうかと思った。

兼題、「山笑ふ」。

「雪女」のときは、わりと記号操作的に、言語ゲーム的なアプローチでやってみたのだが、なんか違うと思った。いや、なんか違うかどうかはわからないんだけど。できたものは、それなりに自分らしく面白かった気もするんだけど、脳みその中がぎこちなか

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NHK俳句 兼題「雪女」落選作/長嶋有選

ちらと見ゆ真つ赤な足の雪女 ハードエッジ

干柿を小判で買うて雪女 ハードエッジ

嬰にやる乳が氷りぬ雪女 ハードエッジ

雪女老いて氷柱を身にまとふ ハードエッジ

ゲレンデのあれに見ゆるは雪女ぢやないか ハードエッジ

NHK俳句 兼題「ポインセチア」落選作/長嶋有選

卵焼ポインセチアの花期長し ハードエッジ

あかあかとポインセチアのまことかな ハードエッジ

鷹化してポインセチアとなることも ハードエッジ

NHK俳句 2019 落選作抄 20句

[春]
水底に赤き椿を敷き詰めて ハードエッジ

あと一つ咲けば百なる白椿 ハードエッジ

うすら氷と水の葛藤滲みつつ ハードエッジ

蒲公英や太陽に幸多かれと ハードエッジ

美しや落花に燃ゆる花篝 ハードエッジ

[夏]
筍や客人はまだ寝てをられ ハードエッジ

卵焼黄色豆飯緑色 ハードエッジ

懐しき輪くぐりさんの沼津かな ハードエッジ

冷房と監視カメラが全館に ハードエッジ

団扇絵の美

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俳句の構造分析

NHK俳句は、井上弘美さんの回も好きで、ハキハキとして、切符の良いという言葉が似合う感性がさわやかな時間を演出してくれる。

短歌はことをうたい、俳句はものを詠む。七七がない分、季語が重いのだ、と。俳句における対比は、あくまで名詞によって生み出すべきであり、だからこそ、動詞をつかわないと成立しない散文的な表現は原則としては、忌避される。

仕立て屋の 窓のトルソー 夕時雨

今日の一席は、そんな選

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言葉に情報量を持たせるための設計方法論

ちょっと冷静になって考えると、「雪女」に対して「現代」みたいなものを対比しようとするその姿勢がすでに凡庸なのだろうか。いや、現代において俳句を作る以上、そこからは逃れられない。問題は、その手つきが凡庸であってはならない、ということだ。

例えば「どぶねずみみたいなおれと雪女」はどうか。雪女の美しいイメージとブルーハーツの歌詞を対比するのは、いかにも直線的で、赤字の対策は売り上げを増やすことだ、みた

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