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長嶋有『もう生まれたくない』映画 『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』感想

長いこと本棚に置いていた長嶋有の「もう生まれたくない」を読み終えた。
じぶんで読みたいと思って買った本なのに、「今この本の気分じゃない」と寝かしに寝かした1冊だ。
そんな1冊をどうしてこのタイミングで読もうと思ったかはわからないが読み終えた。

章ごとにフォーカスされる登場人物が変わるのではなく、気付くと他の人物の生活に移り変わっている。同作者の「問いのない答え」でもそうだが、時間の流れを小説内で描いているように思う。
時間は止まらないし、わたしがnoteを更新する間に誰かはお風呂に入っていて、眠っている人がいて、包丁を研いでいる人もいる。そういう24時間365日の生活を長嶋有は描く。

口にすると陳腐だが、それぞれの人生があるということを思い知った。
それぞれの人生があって、突然終わる。作品内で起こる突然の終わりっぷりに「え?」と驚いた。そしてわたしはその終わりについて説明をしてもらえない。もどかしい。でも、そこを描かないのが長嶋有の妙だろう。

鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎、通称ゲ謎をアマプラで見た。
公開時に映画館へ行こうと思っていたが、ぼんやりしていて家で見ることに。映画館で見ていたら泣いていたかもしれない作品。

多くを語るとネタバレになるので言えないが、水木の諦めの悪さを音で表現しているあのシーンがわたしは好きだ。
わたしも心に斧を持って、戦う気持ちを持っていたい。

ゲ謎の感想はこれだけで申し訳ないのだが、斧を実際に持ってみたい。
薪割りをしてみたい。わたしは斧に振り回されてじぶんが怪我をするような軟弱者な気がするから、一度体験をしておく必要がある。あと、チェーンソーの起動もしたい。

すでに足音を立てて近づいて来ている月曜をどう倒してやろうか。

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